第9話 初めての友達&語彙力強化配信
目覚めた。
目覚めが少し悪い気がする。
気のせいかも知れないが、別に友達もいないし、休み時間にでも寝れば大丈夫かな?
今日は語彙力強化配信と柊琴音さんとのコラボ配信もあり、その後は同期の初配信もある。
僕の体調管理が出来てなくて、柊琴音さんや同期の初配信に迷惑をかける訳にはいかない。
学校に出発するまでにまだ時間があったので、少し休んでから学校に出発した。
★★★★★
10分歩き、教室に到着した。
教室ではクラスメイトが友達どうしで、楽しそうに話している姿が見られる。
僕には全く関係ないことであると思っていたが、突然クラスメイトの女の子が僕に話しかけてきた。
「私と友達になってくれないかな?」
え? 僕と友達になりたいの? 僕と友達になっても話すこともないし、楽しくないと思うけど友達の1人ぐらいは作っておきたいな。
「いいよ、友達になろう。」
大丈夫だったかな? 人と直接話すと緊張しちゃって、変な口調とかになってたりしないかな?
「本当?こんなに可愛い子と友達になれるなんて、
今人生で1番幸せかも。ごめんごめん、私の名前は
なぜかクラスがざわついている。
桜月さんは清楚系でありながら、可愛さもあり、更に友達になった僕にも積極的に話しかけてくれて、本当に僕なんかがこんな人と友達になっても良いのか?
と疑ってしまうぐらい非の打ち所がない人だった。
清楚系な所だけは僕と同じだな。
桜月さんはお昼休みも僕の所に来てくれて、一緒にお話をして、放課後にも来てくれて、なんなら
「放課後2人で遊ばない?」とまで声をかけてくれた。
流石に配信しないといけないのでそのお誘いは断り、その代わりに途中まで一緒に帰ることになった。
★★★★★
家に到着した。
今日は高校で初めての友達ができ、初めて学校が少しだけ楽しく思えた。
今日は記念日にしよう。
そしてメモをとって忘れない日にしよう。
あと今日のことを視聴者に自慢してやろう。
僕は視聴者に自慢したくてすぐに配信を始めた。
[語彙力] 僕の語彙力を強化して貰う配信
8146人が視聴中
:きたあー
:待ってた
:[語彙力]は草
:るいちゃん昨晩はお楽しみだった?
雪水るい/YukimizuRui:何もなかったです!
:結局何をする配信なんだこれは
:この配信だけで語彙力が強化されるはず無くて草
「語彙力強化配信を始める前にるいりすの皆様に1つ報告があります。」
:なんだなんだ
ゆうら:改めて私との結婚報告!?
:そんなわけないだろ
:帰れ
:実は女の子でしたとかか?
:実は8ちゃいでしたとかか?
「学校で友達ができました!!!!!」
:え?
:は?
:嘘乙
:分かりやすい嘘をつくな!
:嘘をつくと胸が小さくなりますよ
:↑嘘をつかなくても、もともと胸は小さ······
「は? だから胸は関係無いだろ!お前ら2人名前メモったからな?」
:い つ も の
:いつものるいちゃんだ
:実家のような安心感
:親の顔より見た光景
:↑もっと親の顔見ろ
「これでも信じていないるいりすの皆様に、友達が出来た経緯を説明したいと思います。学校に行ったらとある女の子が「友達にならない?」と話しかけてきて、なんやかんや友達になりました。」
:???
:嘘のような本当のような嘘の話
雪水るい/YukimizuRui:だから嘘じゃないって
:なんやかんやの所何があった?
ゆうら:るいちゃんまた浮気ですか?
:帰れ変態
:友達になった女の子可愛い?
「友達になった女の子は、清楚系な所だけは僕と同じで、可愛さもあり、更に僕と違って語彙力までもある完璧な人でした。」
:現実見ろ
:るいちゃんが清楚系?????
:自分の配信見直してこい
:るいちゃんと真逆の存在じゃん
:↑可愛い所だけは同じ
「そんなことはどうでもいいとして、柊琴音さんとのコラボが残念なことに始まってしまいます。」
:どうでも良くないだろ
:どうでもいいとか友達可哀想
:楽しみ過ぎる
:残念なことに
:同期とのコラボが残念?
「しかも雑談をやるらしいです。雑談は月1の予定なはずだったのに。」
:お疲れ
:あいつと2人で雑談とか嫌な予感しかしない
:いい奴だったよ
:また来世で会おうるいちゃん
「るいりすのみんな僕を見捨てないでよ···まあそんなわけで柊琴音さんとのコラボ配信が、数十分後には始まってしまうわけですよ。そこでるいりすのみんなには、僕の壊滅的な語彙力で初コラボが気まずくならないように、僕と一緒に語彙力強化デッキの作成をお願いをしたいのです!」
:私だけはるいちゃんを見捨てないからね
:コラボあまりにも楽しみ
:???
:自分て言ってて悲しくならないのか
:やだ
:面倒
:語彙力強化デッキって具体的にどうすればいいの?
「やっぱり2人きりで雑談するから、会話が途中で途切れて、気まずくなることだけは避けないといけないので、話すことがなくなった時に、何を話せば良いかとかを知りたいかな。」
:男女2人きり、初コラボ配信、何も起きないはずがなく············
:↑何も起きません
:全く会話が続かなくなるぐらい壊滅的なの?
:配信見てるとそうとは思えないけど
雪水るい/YukimizuRui:直接話すと緊張して話せなくなっちゃう
:無理
:自分で考えろ
:るいりすに頼りすぎだよ
:てかこの数十分間の配信で語彙力が向上するとは思えないけど
「え、そうなの? 語彙力ってコツとか聞けばすぐに向上するものじゃないの?」
:?????
:は?
:引いた
:語彙力を何だと思っているのか
:そしたら苦労しないよ
:実際に会話したりしないと
:家から出たことある?
:もしかして人生で1度も人と話したことない?
「るいりすのみんながいじめてくるので、今日の語彙力強化配信はこれで終わりです。僕と柊琴音さんのコラボは琴音さんのチャンネルで配信されます。お前ら絶対に見ないように。」
配信は終了しました。
9807人が視聴中
雪水るい/YukimizuRui チャンネル登録者数 98432人
:まじで終わりやがったこいつ
:逃げたな
:あーあ、るいちゃん怒っちゃった
:こんなことしてるから語彙力が向上しないのでは?
:コラボ配信絶対見ません(棒)
:初コラボ配信見るなは草
:だから胸が小さ······
雪水るい/YukimizuRui:お前○すぞ
:きゃー(棒)るいちゃんこわーい(棒)
:メモから○すに進化した
僕の語彙力強化配信は15分で終了した。
どうやら語彙力というのは、実際に人と会話しないと向上しないらしい。
僕はコラボを来世から、100年に1度に頻度を増やして行きたいと思った。
配信が予定よりはやく終わり、柊琴音とのコラボまで時間ができ、マネージャーからの連絡を確認しないと。
マネージャーからの連絡は和葉ちゃんとのコラボについての事だった。
コラボの約束はしたけど、和葉ちゃんが僕の迷いやすい性格を気にして、日程と内容を決めてくれるらいしが、そこから何も聞いてないな。
どうやら僕が連絡を返さなすぎだから、マネージャーに連絡をしたらしい。
もう少し返すようにしよう。
コラボ配信は一緒にましゅまろ返信とホラゲーで2回するらしい。
まあましゅまろは無難で良いのではないだろうか。
問題はホラゲーである。
僕がいつホラゲーが苦手だとばれたのか。
どのくらい苦手かと言うと、1人暮らしをするまでお母さんと寝ていて、さらに夜は怖くて1人トイレに行けないぐらい苦手である。
1回目のコラボがホラゲーらしい、逃げようかな?
日程は、明日らしい·······え?は?????
マネージャーに「日程間違ってませんか?」と連絡したところ、これで合っているらしい。
それにしても急すぎないか?
柊琴音さんとのコラボ配信がこの後あるし、和葉ちゃんが一緒ならホラゲーも頑張れそう。それに和葉ちゃんはいい人そうだし。
決して琴音さんが悪い人というわけではない。
少しおかしいだけであって。
遅くなったが、和葉ちゃんに連絡を返しながら、琴音さんとのコラボ配信まで時間を潰すのであった。
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次回は柊琴音とのいちゃいちゃコラボ配信です。
お楽しみに!
春アニメはささ恋だけ見ようと思ってます。
男の娘もいいけど、百合もいいよね。
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