第2話 初配信の準備をしよう!
僕はなぜかオーディションを合格していた。
マネージャーからは、
「ちなみに初配信は明日なので準備しといてくださいね。」
何を準備すればいいのだろうか?
lives/ライブス2期生は僕含めて合計5人いるらしい。
しかも2期生で僕は最初の配信らしい。
「なぜ僕が一番初めなのだろうか。」
準備をするために、事務所から送られてきたvtuberの姿を見てみた。
どうやら見た目だけは面接の時に合っている姿に決められて、名前や活動内容、性格などは自由に決められるらしい。
恐る恐るこれから僕が活動していく姿を見てみた。
そこには、髪はボブの僕に似た髪型で、髪色は青っぽい水色、瞳の色は白っぽい水色、黒タイツを履いていて、衣装は青と白がメインの制服姿という一部の視聴者がとても喜びそうな幼く可愛い女の子の姿が······
「女の子?·········あぁ」
僕は面接を受けにいった日のことを思い出した。
そういえば普段から女装していたことを忘れて、その格好のまま面接を受けた結果、女の子だと思われているらしい。
「マネージャーにも性別を間違われるのは流石にまずいかな?」
そう思って連絡してみると、マネージャーから
「あの姿、声、身長など可愛いところを全て詰め合わせたあなたが男の子であるはずがありません。」
と、断定されてしまった。
なぜ信じてくれないのかは、僕には分からなかった。
「まず決めることといえば、この可愛いvtuberの名前かな?」
まだ僕のvtuberの姿を確認していただけで、未だ何一つ決めていなかった。
「名前決めるのとか得意じゃないし本名から少し変えればいいや。」
「せっかく可愛いアバターが送られて来たから、可愛い名前にしたいよね。」
うーん、名前の瑠衣斗はひらがなのるいとかにしとけば可愛いかな?
「名前はるいにしよう!」
あとは、苗字だけどせっかくアバターをつくってくれたから、アバターと合う苗字がいいかな?
衣装は白と青が多いから、白から連想される物といえば雪、青から連想される物といえば水なので
「苗字は
雪水るいか、可愛いくていい名前になったかな?
マネージャーに名前が決まったことを報告したら、
「ゆーちゅーぶアカウントとついったーアカウントを開設して初配信の宣伝をしてください。」
と言われた。
ゆーちゅーぶとついったーとか適当でよくない? とか思う人もいるかも知れない。
実際は名前とかがあまりにもやばいと、見る前からブラウザバックされてしまったりもするので意外と重要である。
「やっぱりシンプルな方がいいかな?」
無難なのは、雪水るい/YukimizuRuiとかだろうか?
これなら僕の名前しか知らない人でも検索したら、僕のチャンネルが一番上に出てくるだろう。
こうして、チャンネル名は雪水るい/YukimizuRuiに決まり、ゆーちゅーぶアカウントとついったーアカウントをつくった。
アカウントをマネージャー、あとゆうらママにも報告しておいた。
そしたら10秒後にゆうらママから
「初配信頑張ってね。」
と返ってきた。
なんていいママなのだろうか。
あと僕が報告してから5秒後に返ってくるの、あまりにもはやすぎない?
「マネージャーにしか僕の性別教えてないし、ゆうらママも僕が女の子だと勘違いしているだろうから、男の子だと教えてあげよう。」
ゆうらママに僕が男の子だと教えてみると
「今日はエイプリルフールじゃないよるいちゃん。」
と返ってきた。
みんな信じてくれないなあぁ。
「ゆうらママどうしたら信じてくれる?」
と返してみると
「じゃあ、男の子らしい声と現実の姿見せてくれたら信じる。」
と返ってきた。
声はまだしも姿を見せる必要があるのか······
まあゆうらママだしいっか。
僕の低い声と本当の姿を取って送ってみると
「るいちゃんって本当に男の子なの?」
まだ信じてくれて無かったのか。
「本当だよ。」
と返してみると
ゆうらママからの返答が途絶えた。
ゆうらママ大丈夫かな?
心配しているとすごいことが起こっていた。
「るいちゃんって本当に男の子だったんだね······正確には男の娘かな? どうする? 結婚式はいつにする? 私はるいちゃんのママなんだよね? そして私とるいちゃんは血が繋がっているわけないし、当然私と結婚するよね? いまから結婚式がたのしみだなあぁ。そして結婚して、あんなことやこんなことまで·········」
えぇ·····················????????????
僕の頭の中が困惑と疑問で埋まっていた。
何を言っているのだろうかこの人は。
「ゆうらママ一旦落ち着いてね?」
言っていることがよく分からなかったので、ゆうらママを落ち着かせようとすると
「るいちゃん、これから私と一緒に買い物に行かない?」
もう外も暗くなってきて疲れて動きたくないので、流石に断ってみると
「将来のパートナーとなる人の約束は断らない方がいいよ。」
何度言っても分かってもらえないので、僕は
「ゆうらママ応援ありがとう、初配信頑張るからね。」
とだけ返して、逃げることにした。
「何か無駄に疲れたなぁ。」
少し休憩しているとマネージャーから連絡が返ってきた。
マネージャーによると、あと初配信に向けて準備することは、不安な人はカンペを用意したり、ついったーでましゅまろを募集するぐらいらしい。
募集するためについったーを開いてみると、もうすでに1万人のふぉろわーがいた。
僕はこんなにも沢山の人達の前で配信することに、不安を感じながらましゅまろを募集してついったーを閉じた。
「あとは初配信のカンペだけか。」
まだ僕はカンペを書くどころか、どのような配信をするのか? どのようなキャラ付けをするのか? などいろいろ決まっていない。
やっぱり多様な声を出せるし歌配信とかもやりたいよね。
あとゲームも得意だからゲーム配信、ましゅまろ返し、このの3つをメインにしよう。
vtuberといえば雑談配信だが、僕は話すのが苦手だから雑談は年1ぐらいでいいかな。
年1では話すのが得意にならないのでは?
「······雑談配信は月1ぐらいにしよう。」
キャラ付けはどうしよう?
せっかく可愛いアバターをゆうらママがつくってくれたから、可愛い方がいいのだろうか?
でも可愛いくしたいなら私呼びにしないといけないけど、普段から僕呼びだから、とっさに僕って言っちったらキャラが壊れちゃう。
「やっぱり僕呼びにしようかな?」
ゆうらママがつくってくれた可愛いアバターが、僕呼びだったらギャップ萌えするのかな?
更に、僕が男の子だと知ったときの視聴者の反応が楽しみだなぁ。
「決めた!可愛いアバターでかっこいい系の男の子にしよう。」
僕は男の子だからかっこよくないとね。
大体決め終わったし、まとめて今日ははやめに寝よう。
「初配信何かやらかさないといいな。」
これが盛大なフラグになることは、雪水るいは知らなかった·········
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次回はやらかしまくりのるいちゃんの初配信です。
お楽しみに!
昨日から春休みが始まりました。
これから受験生になるので更新は、だんだん遅くなって行くと思いますが気長に待ってくれると嬉しいです。
これから一言(?)なんか書きたいと思います。
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