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「だから本当なんだって!」
「嘘を付け! そもそも幽霊が本当にいるわけがないだろ! あの噂は絶対に嘘に決まってるからな!」
「でも本当にいたんだって! 私も茜ちゃんもこの目でちゃんと幽霊を見たんだから!」
私は幽霊が本当にいたことを玲央くんたちに話し、茜ちゃんも私の後ろにピトっとくっ付きながら、私の話に首を縦に強くぶんぶんと振っていたの。だけど、玲央くんたちは幽霊がいたという話を全く信じてくれなかったの……。
まあ……、玲央くんに関してはそもそも……、幽霊がいることを信じてないからね……。
「でも、私たちは幽霊を見ていなかったからきっと何かの見間違いじゃないの?」
「僕も幽霊を見ていなかったから、沙綾ちゃんの言う通りきっと何かの見間違いだと思う……」
「僕もそうだと思うよ。幽霊なんて実際にいるわけがないと思うし、噂はあくまで噂だからね」
「そっ……、そんな……」
私と茜ちゃんが幽霊を見たということを必死に話しても玲央くんたちに信じてもらえず、何かの見間違いだと言われてしまったの……。
「ねぇねぇ、みんなで何の話をしているの? 私、とっても気になる♪」
「実は今、幽霊を見たという……って……」
「「「「「えっ……?」」」」」
私たちが幽霊を見たか見てないかで言い争っていると、誰かが声をかけてきたので、私たちは声のする方へと振り向くと、そこにいたのはあまりにもタイムリー過ぎる人だったの……。
「嘘!? 私たちの話をしていたの!? とっても嬉しい♪」
「ちょっと梓! はしゃぎすぎだよ~、もぅ~……。みんな、梓が勝手に出て来てしまって本当にごめんなさい……」
「「「「「「きっ……、きっ……、きゃああああぁぁぁぁ~~~~っ!!!!」」」」」」
そこにいたのはやっぱり幽霊で、しかも2人いることが分かり、私たちは幽霊を見てとても大きな声で悲鳴を上げたの。
やっぱり幽霊は1人じゃなくて、2人いたんだね……。
「あっ……、あっ……、幽霊って本当にいたのかよ……! 信じられねぇ……」
「うっ……、ぐす……。まさか……、幽霊が本当にいたなんて……」
「ゆっ……、幽霊が本当にいたとは……。これは一刻も早く逃げなきゃだけど……、腰が引けて全く動けないよ……」
「「あわっ……、あわっ……、あわわわっ……」」
「みんな大丈夫!? みんなは私が守るから安心して!」
「沙綾ちゃん……」
幽霊が再び現れ、私たちは恐怖で怯え、足がすくんで動けずにいると、沙綾ちゃんが私たちの前にやって来て、私たちのことを守ろうとしてくれたの。
沙綾ちゃんは本当にいざとなると、私たちのことを守ってくれるんだよね♪ 沙綾ちゃんのそういうところ、私はとっても好きだよ♪
「私が幽霊を退治してみせるから!」
「む~! もぅ~、ひどいよ! いくら私たちが幽霊だからといって、退治しようとするなんて~! ふ~んだ!」
「あはは……。仕方ないよ梓。僕たち幽霊はとても怖がられる存在だから……」
「「「「「「……えっ……?」」」」」」
沙綾ちゃんが私たちを守りながら幽霊を退治しようとしていると、幽霊の女の子がそのことに不満を露わにし、幽霊の男の子が幽霊の女の子を宥めている姿を見て、私たちは唖然としていたの……。
一体何がどうなっているの……?
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