2

――数時間後――


「うわぁ~……、ここが最近幽霊が出るという噂の廃校となった学校だね……」


「見た目からして、相当不気味ね……」


 私たちはあれから一旦家に帰り、その後待ち合わせの場所にした近くの公園に集合し、そしてようやく、最近幽霊が出るという噂になっている廃校となった学校に辿り着いたの。


「うぅ~……、やっぱり……ちょっと怖いかも……」


「あはは……。まあ、それは分かるかも……。でも、ちょっと楽しみなところもあるんだよね♪」


「ハァ~……、結衣ちゃんは本当に凄いね……。でも、楽しみなのは僕も同じです」


 廃校となった学校に辿り着くと、私たちは思い思いにそれぞれの感想を口にしていたの。


 廃校となった学校を実際に見て思ったことは、沙綾ちゃんの言う通り、見た目は相当不気味な感じになっていて、至るところがボロボロになっていたの。それだけじゃなく、雰囲気的に何やらとても恐怖を覚えてしまうオーラもあって、いかにも何かが出てきそうな感じにもなっていたの。


 これは確かに、幽霊が出るという噂が出て来てもおかしくはないわね……。でも、そんな凄いところでかくれんぼや冒険が出来るなんて、やっぱりとっても楽しみだね♪


「よし! それじゃ、誰がかくれんぼの鬼になるか、ジャンケンして決めようぜ!」


「「「「「は~い☆!」」」」」


 そしてまず、かくれんぼの鬼を決めるため私たちはジャンケンをすることになり、ジャンケンの結果、玲央くんが鬼になることに決まったの。


「かくれんぼの鬼は玲央くんで決まりだね♪」


「そうだな! よし! それじゃ早速、かくれんぼをスタートするぜ!」


「「「「「は~い☆!」」」」」


 かくれんぼの鬼が決まり、こうして私たちによる廃校となった学校でのかくれんぼがスタートしたの。



 ガチャッ……。


「うっわぁ~……。外から見てもとても不気味だったのに、中も相当不気味ねこれ……」


「うん……。やっぱりとっても怖いかも……」


 かくれんぼの鬼となった玲央くん以外の私たちは、隠れる場所を見つけるため、廃校となった学校に入って行ったの。そして廃校となった学校の中を見てみると、沙綾ちゃんの言う通り、外だけじゃなく中も相当不気味な感じになっていたの。


 それに所々にヒビもあったりして、やっぱり今にも何かが出て来そうな感じだね……。でも、廃校となった学校でのかくれんぼや冒険をするのには、やっぱりこうでなくっちゃ♪


「でも、こんな所でかくれんぼや冒険が出来るのはとっても楽しみかも♪」


「まっ、まあ! 結衣の言う通り、こういう所でかくれんぼや冒険が出来て、とっても楽しみなのは確かね♪」


 私が廃校となった学校でかくれんぼや冒険するのがとっても楽しみだということを話すと、沙綾ちゃんもそれに続いてとっても楽しみだということを話してくれたの♪


 沙綾ちゃんは廃校となった学校を見て、不気味だと感じてちょっとビビっているけど、何だかんだで沙綾ちゃんもここでかくれんぼや冒険をするのがとっても楽しみなんだよね♪


「とりあえずまずは、みんなでどこに隠れるのかそれぞれ決めていかないとね」


「うん。そうだね。聡太くんの言う通り、ここはまず、みんなでどこに隠れるのか決めていこう」


 聡太くんの一言により、私たちは廃校となった学校に入るとすぐに、隠れる場所をそれぞれ決め、その決めた場所へとそれぞれ隠れていったの。


「あはは……。これでどこに隠れるのか決めてないのは私と茜ちゃんだけになっちゃったね……」


「うん……。そうだね……。私と結衣ちゃんだけになっちゃったね……」


 聡太くんの一言で、沙綾ちゃんと聡太くんと陸くんはすぐに隠れる場所を決め、その場所へとそれぞれ隠れていったんだけど、実は私と茜ちゃんはまだ決められていなくて、隠れる場所を決めるためにしばらく廊下を一緒に歩いていたの……。


 うぅ~……、早く何とか隠れる場所を見つけないとね……。


「ねぇ、結衣ちゃん。私、やっぱり怖いよ~……」


 すると、私にぴったりくっついてる茜ちゃんはこの廃校となった学校がやっぱり怖いことを私に話したの。


 まあ、そう思うのも無理はないんだけどね……。


「大丈夫だよ♪ 茜ちゃん。私がしばらく付いてるから安心してね♪ それに、茜ちゃんもここでかくれんぼや冒険が出来ることにとっても楽しみなんだよね♪」


「結衣ちゃん、ありがとう……♪ うん……♪ 私もここでかくれんぼや冒険がするのはやっぱりちょっと怖いけど、楽しみな気持ちもあるの♪」


 私は茜ちゃんに、私がしばらく付いてるから安心していいと伝え、それを聞いた茜ちゃんは安心して笑顔になったの♪


 それに何だかんだで茜ちゃんもやっぱり、ここでかくれんぼや冒険をするのがとっても楽しみだし、きっと玲央くんたちもちょっと怖いとは思いつつも、何だかんだでやっぱりとっても楽しみにしているんだよね♪


「やっぱりそうだよね♪ ちょっと怖いとは思っても、好奇心もあって、ここでかくれんぼや冒険をしたくなっちゃうんだよね♪」


「うんうん♪」


 私と茜ちゃんは、この廃校となった学校でかくれんぼや冒険をしていることにとっても嬉しく感じ、そのことで盛り上がっていたの♪


「もういいか~い?」


「「ま~だだよ~♪」」


「さてと、私たちも早く隠れる場所を見つけないとね♪」


「うん♪ そうだね♪」


 玲央くんが私たちが隠れるまでの時間を数え終わり、私たちが隠れたかどうか確認してきたので、私と茜ちゃんはまだだと答え、再び隠れる場所を探し始めたの。


「う~ん……、どこにしようかな~……?」


「う~ん……、あっ♪ 結衣ちゃん、結衣ちゃん。私、ここに隠れることにする♪」


 私と茜ちゃんで隠れる場所を探していると、茜ちゃんがあるところを見つけ、ここで隠れることを決めたみたいたの。


「ここ? へぇ~、化学室ね……。茜ちゃん、本当にここでいいの?」


「うん♪ ここにする♪ 何かいろんな道具があって、とっても楽しそうだから♪」


 茜ちゃんが隠れる場所に決めたのはどうやら化学室みたいで、私は茜ちゃんに念のため本当にここでいいのか聞くと、茜ちゃんはここでいいと答え、その理由はいろんな道具があって、とっても楽しそうだと思ったからなの。


 今の茜ちゃんは、恐怖より好奇心の方が上回ってる感じだね♪


「OK♪ 茜ちゃんの隠れる場所は化学室で決まりね♪ それじゃ、私は引き続き自分の隠れる場所を決めるから、茜ちゃんは頑張って最後まで隠れきってね♪」


「うん☆! ありがとう♪」


 茜ちゃんの隠れる場所は化学室に決まり、私は茜ちゃんと別れ、引き続き自分の隠れる場所を探し、近くにあった音楽室へと隠れることにしたの。こうして、茜ちゃんは化学室に、私は音楽室にそれぞれ隠れることが決まったの。


 玲央くんに見つからないように、最後まで隠れられるように頑張らないとね♪


「もういいか~い?」


「「もういい~よ~♪」」


 そして玲央くんが再び私たち全員が隠れたかどうか確認し、私と茜ちゃんは隠れたことを玲央くんに伝えたの。


「よし! どうやらみんな隠れたみたいだな! さてそれじゃ、みんなを必ず見つけてみせるぜ!」


 玲央くんは私たち全員が隠れたことを確認すると、廃校となった学校に入り、私たちを探し始めたの。


 ふふっ♪ 玲央くんは私たちを見つけることが出来るかな? まあ、私は絶対に隠れきれる自信があるんだけどね♪



「きゃああああぁぁぁぁああああぁぁ~~~~!!!!」


 えっ!? 茜ちゃん!?


 かくれんぼが始まり、玲央くんが私たちを探し始めていると、化学室に隠れていたはずの茜ちゃんが突然悲鳴を上げながら出て来て、廊下を走り出していたの。


 茜ちゃんに一体、何があったっていうの……?


 茜ちゃん、一体どうしたんだろう……? まるで何かに逃げるようにして、廊下を走っていったよね……。一体何を見たんだろう……?


「あの……、あなたは大丈夫ですか……?」


「うん……。私は大丈……えっ……?」


 私が茜ちゃんのことを考えていると、隣から誰かの声が聞こえてきたので、私は声のする隣の方を向くと、そこにいたのは見覚えの無い男の子だったの。


 この子……、一体誰なの……?


「もし良かったら……、僕も……」


「……きっ……、きっ……、きゃああああぁぁぁぁああああぁぁ~~~~!!!!」


「えっ……!? ハァ~……」


 見覚えの無い男の子をよく見てみると、その見覚えの無い男の子の正体が幽霊だと分かり、幽霊の存在に気付いた私は幽霊からなるべく離れるため音楽室を出ることにし、一目散に逃げ出したの。


 幽霊が出て来たってことは、あの噂は本当だったんだ……。もしかして、茜ちゃんが悲鳴を上げて化学室から出て廊下を走っていた理由って、きっと幽霊に気付いてその幽霊から逃げ出すためだったんだね……。

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