書き起こし7

はじめの方は私と、あと大学の時同じメンバーだった██君で、あとから徐々に徐々に増えてったって感じかな。

今はもう〜三十人ぐらいおるんじゃないかなぁ〜。う〜ん。

いや〜やっぱりね、こう〜映画ひとつ取っても、社会人だからこその観方ってのもあるんじゃないかと思っててさぁ〜。う〜ん。

最近はさ、ほら、メンバーに、ミニシアターなんかやってる人が入ってきたからさ、んや〜みんなで一個の部屋にすし詰めにならんくて良くなったわけよ。

でもまぁ██君なんかは、あのアングラ感が好きやったからねぇ、う〜…あんまりシアターには来んかったりするけど。ん〜。


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なんかね〜あれはだから〜え〜大学の二年の時だったな。

あ〜その時期██君がアマチュア映画にハマってて、私もまぁ同じ同窓会やったから、朝から晩までず〜っと映画観とったわけよ。

もうね〜四畳半ぐらいの部室で、部室っちゅうかまぁ勝手に大学の物置に住み着いとっただけなんやけど、そこでず〜っと観とったわけ。


え〜、そしたら、なんか██君が「お前これ知っとるかぁ」とか言って、え〜ありゃなんだ、あ〜雑誌か。雑誌を渡してきて。

で、その雑誌が、なんかこうアマチュア映画に関する雑誌で、なんかその雑誌の巻末のメンバー募集?みたいなページを見せられたのよ。

こう〜「●●大学でアマチュア映画やってます!カメラマンが足りてません!」とか、あ〜「〇〇大学映研!スタイリスト募集!」とか、そういうの。

で私は「██君なに、どっか手伝いとか行くん?」って聞いたんね、そしたら██君が、「お前ここの大学知っとる?」って最後の方にある大学指差してきて、でまぁ私は正直大学詳しくないし、てか全国の大学から応募があったら知らん大学ぐらいあるやろとか思って。んで「いや知らん」いうて。

ほしたら██君が、やろやろ?とか言って、んで「ここな、ほんまは無いねん」とかいうて。


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うん、「ほんまは無い」て。

あかん、関西弁になっとるわ(笑)

なんでやろ。俺昔の話しとったら関西弁に戻んねん(笑)


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や〜すまん、関西弁と俺でいかせてな(笑)


んで、俺も「無いてなんやねん」言うてんけど、██君に聞いたら、なんかその募集欄にその架空の大学名が出るっちゅうのは、簡単にいえばヤバイ奴らの集まりの合図になってて、暗号じゃないけどそういう情報のやり取りにここの欄が使われとんねん!いうて。

んで俺も「それほんまやったら怖いなぁ」いうてんけど、それがなんの集まりかもようわからへんから、あんまピンとけぇへんかってん。

ほしたら██君が急に真顔になって「俺、日曜ここ行くねん」と。

「ヤバイ奴らがなにしてるんか見て、警察に突き出したんねん」て言い出して。

で、まぁ俺も正直まだようわかってへんかったけど、一応おもろそうやなとは思ってたから「ほんなら気ぃつけて行きや」いうて。んでその日は終わって。


んで、次の週のおんなじ日、また██君と集まってんけど、もうまず、服装が先週のままやねん。先週「気ぃつけて行きや〜」いうて別れた日のままの服で、んで風呂にも入ってなくて、まっいわゆる、廃人、に、なってて。

で一旦部室に入れて、なにがあったんやと。てかまず行ったんかと。

ほしたら、「行った。行って、見た。」いうて。

でもまぁ、俺もそんときは内心興奮してたから、今の様子は明らかに変やけど、まま、とりあえず、言える範囲でええから、なにを見たか教えてくれ、それだけは聞かせてほしい。とだけ伝えて。

そしたら、こう〜まぁ教えてくれて。


え〜まぁ結論から言うと、犯罪やと。ほんまの犯罪で、見つかったら捕まるようなやつやったと。

ただ、その内容が気持ち悪くて、怖いとかじゃなくて、とにかくほんまに気持ち悪くて、これを人間がして、しかも大勢やったことにゾッとしたと。


んで、え〜これってほんまにそのまま喋ってええの?


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あぁそう、まぁ、ほんなら言うけど、気分悪うなったら言うてな。


そもそも、まず集合場所が樹海やってん。

夜に集まって、何人ぐらいやろ…まぁ十五から二十人ぐらいが来て。男ばっかりやってんて。

ほんで、そん時薄々わかっててんて。これから亡くなった人を探しに行くんやろうなぁて。██君もう心底、いや、なんでこんなことすんねん。ほんま趣味悪いわ思いながらも、でもちょっとワクワクもあったらしくて。

ほなら、リーダーっぽい人が案の定行きましょか〜いうて。

せやけど、これがまた不気味で、多分下見してんねん。スイスイスイスイ進んで行って、迷いなくご遺体までたどり着いたらしくて。

でほんまに見て、ご遺体がそこにあって、██君も見るのなんか初めてやから、う〜わめちゃくちゃ怖いやん思て。夜やし。


したら、ええ?したら、その場におった男がみんなズボン脱いで、ご遺体見ながら自慰始めてん。

██君そこで絶句してもうて、そっから先全く記憶なくなったらしくて。

で、気づいたら麓の駐車場で起きたらしい。

なんか〜雰囲気的にはツアーっぽくて、何個かのご遺体を順番に巡るような感じだったらしくて、██君もう話しながらガックガク震えとったわ。


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いや〜だからまぁ、そういう趣味っちゅうか性癖?倒錯の人たちなんちゃうかなぁ。

ご遺体を見つけたら〜雑誌の募集で報告みたいな。

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