第3話 彼女より瑠花。
中学に入って、瑠花とは違うクラスになった。
でも、変わらず一緒に行って、帰っていた。
そのうち僕に彼女も出来たが…つまらなかった。
瑠花の様な安心感はなく、常にソワソワして気を使って、疲れると感じていた。
でも行き帰りは必ず瑠花と会える。
それが楽しみだった。
ある日、僕は当時の彼女との関係に疲れて瑠花に話した。すると、なんの躊躇もなく、
「別れればいいじゃん」と言ってくれた。
「そうだよな」と言って僕は瑠花にキスした。
「黙ってあたしと居ればいいのに」と瑠花は言った。
「ダメ。やりたくなる。やったら止まんなくなる。」
「あたし、涼太なら傷つかない。」
「今じゃない。」
「いつでもいいよ。」
「うん。」
そのうちに母と関係を持ち、
彼女もまた出来た。でも、行き帰りは必ず瑠花と。そして、彼女が出来てもデートはしなかった。町のお祭りも母もしくは、瑠花。
毎回別れる理由は同じ。
『私より瑠花なの?』
でも内心は、『いや、お前より母ちゃん。』
と思っていた。
でも瑠花は1人として付き合わなかった。お声はかかるが、
「ごめん。興味無い」で一掃していた。
本音は、瑠花といる方がよかった。
楽だった。どこに行くのも一緒。当時の彼女からデートのお誘いがかかっても、毎回断っていた。
毎週土日は瑠花といた。
お互いの家や、少し足を伸ばして街まで出たり、自由気ままに生きていた。
外見は完全に恋人同士。
手だって繋ぐしキスだってする。口移しだってするし、自分の箸で食べさせたりもお互いする。
でも彼女とは一切何もしない。もうこの時点で終わってる。というか…父と似てる。同じ事していた。
今思えば僕は、父に似ていた。
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