第4話 瑠花の傷

中学の頃、瑠花の家も荒れ始めていた。

瑠花への虐待もエスカレートしていて、ほぼ毎日になっていた。


瑠花の母に手を上げ、瑠花に手を上げ、

母を犯して娘を犯す。


事を終えて父親が瑠花の部屋から出ると、毎回瑠花がうちへ来て僕の隣にいた。

僕は黙って瑠花を抱き寄せていた。


でも父親から離すと僕らも離れる事になる。それだけは避けたかった。

母さんも何度も、瑠花の父に『殺してやりたい』と言っていた。でもそうすると、瑠花の逃げ場が無くなってしまう。


だから僕らも耐えていた。


僕が瑠花の父の上から上塗りする事も出来たがしなかった。


僕と母の行為の理由と

僕が瑠花にする行為の理由は違うから。


『綺麗にする、愛する』という意味ではしてもよかったけど、


僕には母がいた。母への愛と同じ愛じゃないとダメだと思っていた。慰め、浄化ではより瑠花を闇へ落としてしまうと感じていた。


だから僕らは家族以上に家族としてお互いを見て、愛していた。




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