色彩の罪悪【KAC20247】

第2話 色彩の陰謀

「色彩の力を通じて、人々の意識を操作している...だと？」

エリオットは愕然とした。

目の前の謎の男は、禁断の色の秘密を語り始めた。

「そう、我々クロマティック・オーダーは、Webカラーを用いて人心をコントロールしているのだ。政治家、企業の経営者、メディアの影響力ある者たち...彼らは皆、我々の思うがままに動く操り人形に過ぎない」

男の口調は傲慢で、まるで世界の支配者であるかのように振る舞っていた。

「な、なんだってー！？そんなバカな...」

信じがたい事実に、エリオットは頭を抱える。

だが、男の言葉には、妙な説得力があった。

「君もまた、我々の仲間になるべき運命にある。色に選ばれし者なのだから」

そう告げると、男はエリオットに一枚のカードを差し出した。

そこには、クロマティック・オーダーの紋章と、次の接触場所が記されている。

エリオットは混乱し、その場から逃げ出した。

しかし、男の言葉が脳裏に焼き付いて離れない。

「クロマティック・オーダー...一体何者なんだ...？」

彼は、自分が巨大な陰謀に巻き込まれたことを感じずにはいられなかった。

◇◇◇

カフェで一人、思い悩むエリオット。

彼はクロマティック・オーダーについて調べ始めていた。

「Webカラーを使った大規模な洗脳実験...政府の黒い資金...闇のオークション...うそだろ、こんなの...！」

ネット上の断片的な情報を繋ぎ合わせ、エリオットは色彩がもたらす惨劇の全貌を理解しつつあった。

「色の力で人を操るだなんて...許せない...！」

正義感に燃えるエリオット。

だが同時に、自分自身も禁断の色に惹かれていた事実に、言いようのない罪悪感を覚える。

「俺だって、あの色を見た時...心が揺さぶられた...結局、俺も何も変わらないのかもしれない...」

自己嫌悪に苛まれる彼。

だが、そんな彼の葛藤も虚しく、事態は思わぬ方向へ動き出す。

突如、カフェに黒服の男たちが乗り込んでくる。

彼らは店内を睨み回し、やがてエリオットを発見すると、一斉に彼に詰め寄った。

「エリオット・グレイ。我々と一緒に来てもらおう」

低い声で告げる黒服の男。

エリオットは彼らがクロマティック・オーダーの者だと直感した。

「く、来るもんか！何者だ、あんたらは！」

エリオットは男の手を振り払い、必死に抵抗する。

◇◇◇

「ついて来い！」

黒服の男たちとは別の集団が現れ、エリオットを急かした。

「え？ちょ、ちょっと待って！あんたらは一体...」

混乱するエリオット。

だが、目の前の集団は、彼を敵ではなく味方として扱っているようだった。

「話は後だ。まずはここを離れよう」

そう告げると、彼らはエリオットを連れ、カフェの裏口から通りへと飛び出していく。

黒服の男たちを振り切り、路地裏を駆け抜ける。

やがて、一行は隠れ家のようなところへとたどり着いた。

「ここなら安全だろう。君に会えてよかった。私たちは『レインボー・リベリオン』。クロマティック・オーダーに対抗する組織だ」

そう告げたのは、一風変わった風貌の青年だった。

エリオットは彼らの話に耳を傾ける。

「古代の秘術により、色彩の力を浄化することができる。その力を使えば、人々を解放できるはずなんだ」

そんな彼らの壮大な計画を聞かされ、エリオットは言葉を失った。

「俺に、何ができると言うんだ...」

戸惑いを隠せないエリオット。

だが、レインボー・リベリオンのメンバーたちは、彼の力を信じているようだった。

「君は色に選ばれた。その力は、必ずや世界を変える鍵になるはずだ」

青年の言葉に、エリオットの心に希望の火が灯る。

色彩の罪悪に抗う、新たな戦いの幕開けだった。

<続く>