第3話 魚雷はエグいぐらい破壊力がある

「ん、突然すまんかった」

「何だったの一体?」

「やべぇもっかい」

「むにゅ」




 tongue ×たか tongue




「ふぅ(聖女)」

「何なの一体」


 固いコンクリートと柔らかい顔面に頭がサンドイッチされて色々と悲鳴が出ています。てか顔ちっさ。上気した顔が艶やかすぎる。さっきまでアリクイとかの捕食シーンみたいなキス(ふかいやつ)されてたのに顔が良すぎて見惚れてるわ。

 口の端をてらりと濡らしながら彼女は笑った。


「ご馳走さまでした。お会計は幾らですか?」

「ファミレスではないんですよね。ファミリーがレスで一人暮らしではあるんですけど」

「ほう。続けたまえ」


 やっべ墓穴か?


「いや、あの何でもなくて」

「何でもするって言ったね」

「言ってないです」

「おうちで続き、しようか」

「一先ず押し倒したままだと良くないと思うので立ち上がらせてもらっていいです?」

「もう勃ったの?じゃあここでやろ?」

「る?の疑問文と思ったら誘いのそれだった」


 兎に角、煩悩も困惑も振りほどいて立ち上がうわお姉さん力つよっ


「ほら、力抜いて……抜いて……」

「手つきやらしいですが何かと勘違いしてません?」

「すっごい(力が)入ってる」

「おう、そろそろ話させてくれ」




 住宅地の真ん中で押し倒してべろちぅしてきたお姉さんに向き直る。字面が完全に犯罪者のそれ。てか犯罪だな警察呼んだら勝てるわこれ。

 クールでアンニュイそうなダウナー……とにもかくにもやる気の無さそうな目付きだったお姉さんが口を開く。


「抱かせろ」

「まずは謝りますね(ガン無視)」

「一緒に誤った道を歩もう」

「お互い多分非があるかもしれないですし自分だけかもしれないですけど、ごめんなさい。ぶつかっちゃいました」

「恋に落ちた」

「近所に耳鼻科とかあるのかなここ」


 さっきまで冷たい印象を受けていたお姉さん、暖かみというかねっとりとした熱気を纏い始める。おかしいな異常気象か?

 ふとした様子で声をかけられる。


「そうだ。名前教えて」

「え、沙樹……野々山沙樹です」

「成る程そこのマンションの502に今日引っ越してきて近所の大学に進学するらしい沙樹クンが君だったんだね」

「こわ」


 滅茶苦茶知られてる。こわ。

 お姉さんは微笑みながら僕を見つめた。


「今日から野々山姓になります、歌穂です。末長く宜しくさせて頂きます」

「突っ込みどころしかない」

「どこでも突っ込んでいいし突っ込ませる」

「ヤバいぞ話が一切通じない」


 お姉さん……歌穂さんは素敵な笑みで僕に手を差し伸べた。もしかして初手からチェックメイトですかね?







作者からの連絡


また思い付きで展開一切考えてないので爆雷系女子を出すところまでは近日中に上げます。ゆるせ。

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地雷系はもう遅い。遅いったら遅い。 濁烈叫悦のアスラトシカ・ジンジャー @Vaemilrior

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