第6話
「巧は1人では無い。我らがいるではないか。たしかに種族は違うし寿命も違うが我らの絆はこの程度では終わらんよ」
「そうだぞ!我らは一蓮托生だ!だから安心しろ」
「助さん、リュウイチくん……」
俺は2人の優しさに少し嬉しく思った。
「それにだ。我らは主と共にある」
タイムさんが言う。
「うむ!そうであるぞ!」と助三郎さん
「そっか……そうだな。ありがとうな」
そして俺はタイムさんを抱き締める。
「あー、ずるいですぞタイム殿!」
「俺も!」
「あー、はいはい助さんもリュウイチくんもタイムさんのが終わったらしてあげるからね」
「「ぬう」」
俺はタイムさんを抱き上げ 膝に乗せる。
「すまんな、巧」とタイムさん。
「気にすんなって」
2人が来るまでは1人だったが 今はこんなにも賑やかで楽しいからな! 俺はこいつらと一緒に生きていこうと思うのだった。
そして夕飯を食べ終え
タイムさんがこんなことを言う。
「知り合いの猫に聞いたが『ちゅーる』なる物があるとか」
この話に助三郎とリュウイチが食いつく。
「ちゅーるはわれも知っている」
「俺も!よく話題に出る」
そして3人は口を揃え
「「「それはそれは大変美味しい食べ物であると」」」
「量的には少ないと思うけどな。」
「美味さは量にあらず質である」
「まあそうだけど、、猫用だからきっと少ないよ」
「「「でも!食べたいのだ」」」
3人は口を揃える。
(猫かよ!?)
「じゃあ、買っとくよ」
「「「おお!!」」」
なんかこう喜んでる3人を見ると俺も嬉しくなる。
コンビニに行って猫用ちゅーるとついでに猫用のおやつをいくつか買う。
3人は大喜びだ!
「ほれ、これ食べな」と俺は3人にちゅーるをあげる。
「うぬう……これは美味であるな……」
「うむ……大変美味である……」
(いや、お前らウォーロックだろ?)
3人は満足気だ。
「じゃあ、俺は風呂に入ってくるから。あとはお好きに」
「なに!?風呂だと!!我も入る」
「我も」
「俺も洗ってくれ」
「あーもー!3人ともおいで!!」
「「「おお!!」」」
そして俺は3人を洗ってやる。
それぞれ身体を洗い終わると湯船に順番に入れていく。
そして俺も入る。
そういやタイムさんととは入ったことあるけど
他の2人とはまだ無かったな。
「どの姿で入るの?」
「このままでいい」
「俺も」
と、助三郎とリュウイチはいまの猫と同じ姿でいいと言う。
「タイムさんは?いつも人間モードで入ってるし今日も人間モード?」
「いや、今回はこのままで入る」
「「「洗ってくれ」」」
と言われる。
「はいはい。順番だぞ」
「「「はーい」」」
全員良い子だ。
3人共泡でモコモコになったので俺がシャワーで洗い流す。
「いやー、今日は色々あって楽しかったの」
と助三郎さん
「うむ!俺も楽しかったのだ!」
とリュウイチくん
「我もだ……楽しいひと時」
とタイムさん
「ああ、そうだな……」俺はそう答える。
(でも……)俺は思う。
この生活がいつまでも続くとは限らないことを……。
タイムさんが言っていた言葉を思い出しそれでも毎日毎日を楽しく生きることがきっと大切だと思うと俺は思った。
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