第3話
といい、俺の顔をすりすりする。
俺はタイムさんの頭を後ろから撫でてやり
「そうかい?」
という。タイムさんが俺の膝に座り次第に丸くなっていく。
(このいう所は猫と同じだな)
だけどもリュウイチくんはまだ俺の足を弄る。
まあ舐めなくなったのはいいけど
むにむにするのはどうよ?
助三郎は助三郎で俺の足を枕にして眠る。
まあ、害はないから別にいい。
カタカタと、パソコンで文字を入力する。
「今回はどのような仕事なのだ?」
「んー、とね『人間界におけるウォーロックの生態とその理念について』という著書の執筆が主だね。」
「『作家』とは、常に『闘い』なのだな」
「うん、まあそうだね。でもタイムさんだって今日はゆっくりしてるけど明日と明後日は講義で家にいないじゃない」
「そうだな。我は『先生』故……常に生徒を間違った方向へ進ませないために頑張っているのだ」
タイムさん曰く、お互いに頑張っていると言ってくれている。
「まあ、お互いに頑張ろうな。タイムさん」
「おう!」
俺はこうしてパソコンで執筆をしていくのであった。
リュウイチくんが帰って、助三郎さんも帰った。
俺は膝で丸くなってるタイムさんの頭を撫でパソコンを操作する。
「なあ、巧よ」
「ん?」
「我は……お主と出会えて良かったぞ」
「どうしたんだよ急に?」
俺はタイムさんを撫でながらいう。
「いや、ただな。お主が居なければ我はこうして生きてはいまい」
「まあ、それは俺も同じだよ」
「そうか……なら良かったのだ」
そしてまた丸くなるタイムさん。
(本当に可愛いなぁ)
俺はパソコンで執筆しながら思うのだった。
仕事が終わりタイムさんに
「仕事終わったよ」
というと
「ふわああ!くあああ!」
と大きな口を開け身体をぐにーってさせて欠伸をするタイムさんを見て
「猫と同じやん」
と漏らす。
「我はウォーロック!猫とは違うなり」
「そういった部分は結構似てるよ」
「ふぬう!」
尻尾をびたん!びたん!とする。
そこも猫やんかと思う俺。
「さて、久しぶりにゲームをしようではないか」
「お!いいね。何やる?」
「これなのだ!」
タイムさんはテレビ台からゲーム機を取り出す。
それは俺が昔買ったゲームだ。
「あー、これね」
俺はゲーム機をテレビに繋いで電源をつける。そしてカセットを入れてゲームを開始する。
「巧よ!これはどうやるのだ?」
「ああ、これはこうやって……」
俺はタイムさんにやり方を教えて一緒に遊ぶのであった。
中々の接戦であった。
結果的に俺が負けた。
「くー!悔しいぜ」
「ふはははは!!我にゲームで勝とうなんて10年早いのだ!」
と、自慢げなタイムさん。
まあ、悔しかったのも本当だ。
でも楽しいと思ったのも事実。
俺はゲームを片付けて伸びをする。
「うし!じゃあ風呂入るか!」
「我も一緒に入ろうぞ」
「はいはい」
俺はタイムさんと風呂場へ向かう。
「なあ、巧よ」
「んー?」
「お主は我と出会って良かったか?」
俺は急にそんなことを言うタイムさんを見て
「なんだよ急に?」
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