私の不登校と、あの子の気持ちと。
私たちは中学に進んでも、漫画の交換日記をして、同じ吹奏楽部に入ってと、ともに行動していた。一年生の終わりごろまでは。
一年生の三学期から、私は学校を休みがちになった。小学五年生のときに診断された、起立性調節障害の影響で、体調が安定しなかったから。
起立性調節障害とは、自律神経失調症の一種だと思ってもらえればいい。頭痛やだるさなどの症状もつらいが、血圧の調整がうまくいかず、とにかく朝起きれないのがつらい病気なのだ。朝起きられないから、もちろん日常生活が今まで通り遅れない。不登校の大きな原因にもなるほどの病気だし、今では自律神経失調症といえば「ああ、なるほどね」と、多くの人が納得してくれるだろう。しかし十年以上前、私が中学生のころは、まったく理解されていなかった。学校の先生にいくら説明しても
「そんな病気、聞いたことありません。本当は悩みがあって学校にこれないんでしょう?」
とトンチンカンなことを言われる始末だった。
そして悲しいことに、それはNちゃんも例外ではなかったのだ。
最初のうちは心配をしてくれたものの、やがて遅れて学校に行くと「やっと来たんだ。また頭痛いの?」と行ったり、土曜日の部活にやっとの思いで午後から参加すると「今から来たって意味ないのにね」とほかの子と笑いあっていたり、どんどんあたりが冷たくなっていった。
次第にNちゃんは、美術部のYちゃんと仲良くなりはじめた。仲良くというか、なんだか執着に似ていたように思う。Yちゃんの「~だぜ!」というような口調を真似たり、Yちゃんの好きな原宿系のファッション誌を読むようになって、似合わない派手なペンケースを持ってきたり。
Nちゃんがこんなふうになったため、私は基本的にひとりぼっちになった。けれど最終的には吹奏楽部から美術部に転部して、周囲から「N、さすがに真似しすぎだよね」と陰口をたたかれるようになっていた。
ちなみにNちゃんは、私が絶賛学校に行けていなかった中学二年生の一学期に、両親が離婚した。詳しいことは教えてもらっていない。だから私へのあたりが冷たかったのかもしれない。
私は学校に行けず、つらかったNちゃんに寄り添えなかった自分を責めた。だからその後、クラスでひとりぼっちになったNちゃんが私にすり寄ってきても、これまでのことはなかったかのようにふるまって、受け入れた。
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