　多分パープルレインなどのヒットで彼のバックカタログの紹介のなかでよく目にしたアートワークではないだろうか。

　１曲目から非常にポップな曲で、彼のファルセットヴォーカルが耳を引く。

　曲の後半はリズムを強調した演奏が見受けられ、後にこの手法が続くことになる。

　この作品は１作目よりも本当に１人で作られたと言うもので、あの精密なブレークの拍の間と言うのは大きく見られない。

　バラード曲の With You は前作で見られなかったイーグルスなどのウエストコーストを思わせるところではっとさせられる。こんなフィーリングの曲は後にももうないと思う。

　ソウルミュージックの色がまだ濃いが、彼の強みであるエレクトリックギターの演奏はロックと融合した独特の曲である Bambi にみられる。

　チャカ・カーンのヒットで知られる I Feel For You はコーラスのさびの部分で良く分かる。

　全体的にピアノやキーボードの演奏が増えていて、アルバムの音楽的幅を広くしているようで、彼の音楽の表現を際立たせているだろう。

　ポップな曲はよりポップに。バラードはまた美しく、彼は２作目でもやってのけた。

　天才的なことを作曲も演奏も歌も示している。

　２０歳でこれをするのだから、天才でも彼を越えることは出来ない。

　今作は少しだけウエストコーストにみられる風土的雰囲気がみられ、ファルセットヴォーカルがまだちょっと緊張したままかも。

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