Prince #3 Dirty Mind

 相変わらず単独レコーディングだが、レコーディングスタッフが何名かいる。

 エンジニアやミックス担当が何人かいて彼を手伝っている。


 一曲目のタイトル曲ではまだファルセットだが、少しずつ本音が出てくるアルバムだと思う。


 全体にソウルミュージックの路線から離れキーボードの比重が大きくなる方向へ向かっている。

 ハードロック的ギターよりもライトながら彼の絶妙なセンスが表れている音世界を作っている。


 演奏の方も相変わらず精密なワンマンバンドぶりを発揮しているが、楽曲の良さも相変わらず。

 ポップロック曲もバラードもあり、その後のアルバムの派手さはまだそんなにないが良いアルバムだ。


 彼のファルセットヴォーカルはメロディー重視していたが、ここからはシャウトを発するようになり、後にもつながるものがみられる。  

 地声のヴォーカルが曲の随所にみられるようになるのがそれだ。


 キーボードのアンサンブルも前作より上達して感じる。

 これも後の露骨なシンセサイザーの導入されたニューウェーブ路線へとつながるのだろう。


 最後の8曲目で もう争いはゴメンだ! 的な地声の叫びで終わる。

 この本音と言うのが彼のスタイルを決定付ける要素なんだなと思った。


 サンクスリストにあるメンバーがアートワークの写真(CD)に装入されており、これが要因かどうかわからないが彼のほのかな色気を思わせる演奏に感じる私である。

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