Prince #0 94East

 個人的にプリンスを買って聴くのは初めてである。

 ただ、さすがに大ヒットしたパープルレインはかなり宣伝されていたのを目にしたし、テレビで流れるヒット曲も聴いている。リアルタイムで小林氏がMTVでWhen Doves Cry と叫ばれたタイトルも未だに耳に残っている。


 他にBeatles やQueenなども若い頃ものすごく流行っていたが、殆ど聴かなかった。これも後に買って聴こうと思っている。


 

 プリンスは彼が10代の頃から音楽活動をしていて、楽曲も書いて演奏もすべて自らが行なって制作していたようだが、デビュー前に参加したバンドとしては、残っている音源はこれくらいなのだろうか。


 このバンドの主催者はプリンスではなく、地元のミネアポリスで活動していると思しきバンドだ。


 持っているものではCDでディスク2枚組のもので、Games と言う曲には3バーション、Dance to the Music of the World が2バーション、If You See Me が2バーション、Better Than You Think が2バーションある。


 この中からGames の原曲らしきバーションとオリジナルバーションが同曲であることがなかなかわからない内容で、もうひとつのバーションはオリジナルバーションのヴォーカルのトラックを入れていないだけのバーション。


 Dance to the Music of the World はスタジオレコーディングされたバーションはインストルメンタルで別バーションはガレージかただの部屋でラジカセ録音程度の音質だが、ベースとギターだけらしき演奏に4声コーラスがハモるヴォーカルの歌詞のあるもの。

 コーラスがあるのにきちんとレコーディングされもせず、ミキシングもないと言う勿体なさ。


 プリンスはヴォーカルはコーラスで参加しているかも知れないが、よく判別出来ない。


 If You Feel Like Dancing と言う曲で曲全面で彼はリードギターを弾いているが、リズム演奏しているバンドとは別に、隣の家で演奏に合わせてギターを弾いている音を拾っていると言う仕方のないもの。

 ただ彼の演奏とわかるハードロック風の速弾きが聴ける。


 One Man Jam と言う曲があるが作曲は彼でないが、曲名からして全演奏プリンスらしい。この曲は初期の彼のアルバムにみられる演奏と近いものがある。


 作曲は一曲で共作でプリンスがクレジットされている。他は殆どPepe Willieと言う人。


 メンバーの写真は7名写っているが、どれがプリンスなのかよく判別出来ない。


 初期のプリンスを知る人にとって大人数のバンドに参加しているのは不思議に思えるだろう。


 全体的にアルバムとしては If You See Me と言う楽曲にみられるミラーボールの輝くダンスホールに似合う踊りやすいソウルミュージックと言う感じだ。


 女性コーラスと男性ヴォーカルの組み合わせが見事に映えるが、そんな曲もあまりないのが勿体ない。


 しかし強力なリズムセッションの演奏は特筆に値する。ドラムやベースの演奏を志す人には参考になるだろう。


 ただ主旋律なるヴォーカルのメロディーに乏しい。またそれを引っ張るだけのメインヴォーカルの声のカリスマ性も大きく期待出来ない。

 この点が彼らをローカルバンドから抜け出すまでに至らないかも知れない。


 Better Than You Think と言う曲のスローブルース曲のアルバム曲としてのメリハリは素晴らしい。

 プリンスの成熟したギターソロも聴けるが、これはもう少し比重が大きかった方が良かった。

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