第8話 エルフとカメレオンのキメラ、その名は「JOKER」
ガルル「ほう、これは良い」
アルタイル王国、アルタイル城 地下実験室
雨が降る中、ガルル率いる科学者たちは新兵器の開発に勤しんでいた
手足を拘束され、ベッドに縛り付けられているのは、かつて王国で強盗を企てた罪人の男だった
男「や、やめろ...頼む...」
男の腕と足には注射チューブがいくつも刺さっている
男の隣には同じくチューブで繋がれた大きなカメレオンの入った檻
科学者「陛下、準備が整いました」
科学者は玉座に居座るガルルにスイッチを渡す
ガルル「では始めるぞ、これがカメレオンと罪人の融合、我々の新兵器だ」
融合装置はウィーン!と大きな音を出し、男を苦しませる
男「ぐわああああああ!!!よせええええ!!」
ガルル「あぁ、気持ちいいな」
悲鳴を聞き、心地よく目をつむるガルル
男の意識は朦朧とし、次第にカメレオンも大人しくなる
科学者たちはぼそぼそと意味不明な詠唱を唱え始めた
辺りは融合装置の排気ガスに包まれた
ガルル「終わったか」
ガルルは立ち上がり、一面煙の中、進み始めた
カメレオン男「きええええ!」
奇声を発しながら現れたのは自我を失った融合体、カメレオン男だった
ガルル「大成功だ...!」
狂気に満ちた笑顔でカメレオン男の背後を取り、拘束する
カメレオン男「き、きぇえ...」
ガルル「お前はJOKERとなずける、俺たちの切り札だ」
JOKER「お前に俺は止められない」
JOKERは口を開き、にょろにょろと蛇のように拘束を解いた
JOKER「呪法 ツンドラ」
大きな呪いのツララがガルルに迫る
ガルル「呪法 罰剣」
ガルルは剣を抜き、剣に呪いを編み込んだ
ガキン!と剣とツララがぶつかり、火花が散る
JOKER「俺は自由になった!こんな素晴らしい力を与えてくれた貴様に感謝するぞ!」
ガルル「何?」
科学者「う、うわー!」
背後で科学者たちは逃げ始めた
JOKER「逃がさんぞぉ!みんなぶっ殺してやる!!」
JOKERは俊敏に走り出し、科学者を追う
実験室に置かれていたバールを片手に、科学者を追い詰める
グシャ!一人の科学者の頭にバールがえぐり込む
JOKER「一匹」
JOKERは兵器ではなくグシャ!グシャ!とグロテスクな音を奏でて次々に科学者を手に掛ける化け物と化した
JOKER「さらばだ、王。お前とはまた会える気がする」
ガルル「逃がすかぁ!!!!俺の新兵器がぁ!!!」
ガルルは手を上げて、爆発魔法を放とうとしたが、JOKERは地下道の天井を壊し、王都へと逃げた
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