自分だけの景色を、探しに行こう。世界の反対側まで、あるいは家の中で。
ほのか
自分だけの景色を、探しに行こう。世界の反対側まで、あるいは家の中で。
推しが言っていたことがある。
スイスやイタリア北部などのアルプス山脈の近くに旅行したら、素敵な村に泊まって、そこから見えるアルプス山脈の景色は一生ものになると推しは語っていた。
大学生のうちに、世界を見たい。
旅行、留学、ワーキングホリデー、現地採用…。
海外に行ける方法はいくらでもあるのだから、30歳になる前に、どれかを手に入れたい。
いまのところ、学部で交換留学、院で正規留学をする予定がある。
ただ、それはいくらでも変わることだし、こんな国際情勢だから先は見えない。
ただ、世界に恋い焦がれてきた。
この地球は丸くて、広くて、綺麗で、そして透明だ。
見えない場所がたくさんあって、そこにもたしかに日常がある。
見えない場所で笑っているひと、泣いているひと、いろいろなひとがいて、そこの上にもちゃんと朝が来て、夜が来る。
そういったものを、見たい。
ちゃんと空は青いんだって、海は透き通るようなんだって、山には生命がたくさんいるんだって、そういうのを見たい。
世界の片隅が、世界の中心になるような感覚を味わいたい。
それはその場所に行かないと味わえないことだから。
自分だけが見られて、感じられて、聞こえて、肌に触れられるような景色を、探しに行こう。
自分だけが手に入れられる最高の景色を見るため、スーツケースひとつで世界を飛び回ろう。
そんなことを、私の心臓が、私の血が、叫んでいる。
世界を見たい。
それでも、コロナのような災害や疾病や戦争が起きたら、そんな夢もかなわなくなる。
自分の部屋にいても、世界旅行をする方法がある。
それは、本を読むこと。
過去も未来も旅できるし、世界のどこにだって行けるし、天国にも時刻にも連れていってくれる。
貴族になることも、王族になることも、貧民になることも、神になることも、なんだってできる。
私がペンをとって、行きたい世界に自分を連れていくこともできる。
それが文字の力、言葉の力、人間の想像力の力だ。
言葉は私に羽を与える。
世界のどこにでも飛んで行って、隣人に手を貸すことができる想像力という羽を、神様は私に与えてくれた。
世界を旅したい。
そうして、そこにいるひとの手を取って、ともに未来に向かって歩きたい。
自分だけの景色を、探しに行こう。世界の反対側まで、あるいは家の中で。 ほのか @hono_ryugaku
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