第110話 本当にいつまでやってるのこれ? そしてやらかしまくっていた叡智。
……結論から言おう。
一体いつまで戦い続けるつもりなんだろうこの人たち。
いや、正確には人じゃなくて精霊か。……今はそんなことは心底どうでもいい。
そんなことよりも、とにかくこの戦いがいつまで続くのかが問題だ。
あまりにも激しいもので、こっちの方にも十秒足らずのペースで攻擊が飛んでくる。
それもかなり殺意高めの奴である。
正直俺もこの攻撃を避けたり防いだりするのに集中力を常に最大まで働かせる必要があるため、かなりキツイし、辛いのが現状だ。
マジでどうにかしてくれ。
俺にはどうしようもない。
本当にこの世界は理不尽だ。
倫理的にも常識的にもおかしなことをしている奴ばかりが何事も無くて、俺だけが毎回毎回苦しめられる。
それにほとんどの場合で俺は巻き込まれただけで、つまり世で言うところの部外者だ。
だから完全にトバっちりだ。
本当になんで俺ばっか……はぁ……。
やっぱクソじゃんか。
そうして更に二時間が経った。
それでも未だに戦闘は終わっていないようだ。
この人――精霊たちの頭には話し合いという単語がないのだろうか? だって明らかにこちらの意図と反した行動、すなわち両者とも好戦的過ぎる。
それと周りへの配慮も全くない。
それがよくわかるのが今彼らが戦っている戦闘場所だ。
そこはこの階層の入口前とかいう絶妙に邪魔くさくて移動がしにくい位置なので、転移での脱出ができない最深部の階層では俺は本当にどうすることもできない。
正直早く話し合いって言う選択肢を持って欲しいなぁ……って思っている。 というか最初からそう思ってる。
それどころか、何回か戦闘中の彼らに主張した。
『争っても無駄だし、話し合いで決めよう』と。
言い方も何度も、何度も変えて聞いてもらえるように幾度となく努力はした。
しかし両者は共に聞く耳を持とうとし無かった。
やっぱり理不尽だ。そう思わずにはいられない。
でも割り切るしかないのは事実だ。
今までの地獄とはまた違った地獄である。
このままだと本当に何年も続きそうなので、
なぜ二人の時間を加速しなかったのか?
そう思うかもしれない。でもこれには理由がある。
そもそもこの二人は存在の格が高過ぎて
だから世界と同格である
そして仮に二人を加速できたとしても攻撃が避けられないのでこの選択になったと思う。
ついでに同じく十二宮の星宙で条件付きで自分への攻擊を隔絶できるようにした。
この条件というのは両者の認識が共に戦闘していないという認識となっている時に限った場合にのみ自分への攻擊を防げるというものだ。
つまり今の様な状況でしか使えない。
と言ってもこの仕組みを考えて使うまでにすごい時間が掛かった。
その間に何回攻撃が当たりそうになったことか。
本当に嫌になる。思い出したくもない。
叡智が
ちなみにこの時点で2日が経った。
攻撃を避ける必要が無くなり、暇になった俺はふと、学校で俺に成り代わっている叡智がどう振る舞ってるのか気になり少し覗こうと思った。
そして元の視点に戻した俺は後悔した。
だって、何故か俺が生徒会に入っているではないか。
勝手に生徒会に入るとか何様だよ。
叡智さん、やらかさないって言ったよね?
もしかして嘘? 嘘ならマジでポンコツどころか、ただの産廃品以下の生ゴミ……いやそれ以下だぞ。
いわゆる存在するだけで害な存在。
そう思うと公害というのがこの
いや災害もありかもしれない。
どちらかと言えば人災みたいなものか。
これだけじゃない。
きっと他にもやらかしている。
周りに聞いて調べたら、やっぱりやらかしていた。
前もみたような授業中の授業の乗っ取り然り、集会で演説のようなことをしたりなど……本当になにやってんの? と言いたくなるようなものばかりだった。
特に前者に至ってはほとんどの授業でやっているらしかった。ちなみにさっきから叡智にこのことを問いただしているが黙秘を貫いている。
本当に都合のいい奴だ。マジで疲れる。
まあそれでも叡智の授業は先生よりも分かりやすくて面白いということでクラスメイトからの評判はかなり良いようだけど、そんなことされても普通に困るし、常識に則った行動を心掛けてほしいと思う。
思ったところで叡智にはできないだろうけど。はぁ……
それに仕事だっていくつも勝手にやることにされた。合唱コンクールでのピアノ担当に、体育祭の実行委員長……他にも沢山あって正直現実と向き合いたくない。
他にも小さなトラブルだったりとかもう聞いてる限りだと叡智のやらかしは4桁にかなり近いくらいにはやってしまっているっぽい。
叡智にはもう二度と学校は任せまい。そう思うのだった。
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