第58話 この世界の被害者、つまり俺と同じような境遇の人を見つけたような気がする。




 全然見つからないなあ……

 まあなんとかなるだろう。


[スキル『地図作成マッピングレベル1』、『生命探査レベル1』、『魔力探知レベル1』、『熱源感知レベル1』、『音源探知レベル1』、『振動探知レベル1』、『気配感知レベル1』を獲得しました。]


[スキル『地図作成マッピングレベル3』、『熱源感知レベル3』、『音源探知レベル3』、『振動探知レベル3』、『気配感知レベル3』に統合しました。]


 うっさいわ。

 一々思考に反応すんな!


「あのーすいません……珠月高校の人ですよね?」


 えっと……あ、同じ制服だ。

 しかも校章のデザインが同学年っぽい。

 でもこんな人いなかったような……うーん……

 取り合えず今は白亜の魔女っぽいご老人を探しますか。


[スキル『地図作成マッピングレベル1』、『生命探査レベル1』、『魔力探知レベル1』、『熱源感知レベル1』、『音源探知レベル1』、『振動探知レベル1』、『気配感知レベル1』を獲得しました。]

 

「あのー! すいません! 珠月高校の方ですよね!?」


「え、あ、はいそうです、どうかしましたか? っていうか同級生ですよね? 敬語で話すのやめません?」


 流石にこれは引かれたか……?

 うーん……でもまあ引かれたほうがむしろ今は楽だ。

 あー早く探さなくっちゃ。


[スキル『地図作成マッピングレベル1』、『生命探査レベル1』、『魔力探知レベル1』、『熱源感知レベル1』、『音源探知レベル1』、『振動探知レベル1』、『気配感知レベル1』を獲得しました。]


「そういうあなたが敬語じゃないですか。まあ良いですけど。これで良い?」


 順応早っ。

 まあ俺が敬語やめようって言ったけどさ……

 何なの? 順応早いやつ多すぎない?


[スキル『適応レベル1』を獲得しました。]


 ……まあ良いか。どうでもいいし。


「あれ? もしかして敬語のままのほうが良かったのかな? それならごめんなさい……」


 あー別にそれはどうでもいいんだろうけどさ。


「いや普通にタメ口で良いよ。って俺用事あるんだった。ゴメンな。じゃあ俺行くわ」


「少し待ってください。せめて話だけでも聞いてください!」


 でもな……

 クソッ。周りの目があって断れない。

 この子さてはわざと人前で目立つような声を出してやってるな。


[そのような思念は確認できません。]


 はぁ、そうですか……

 でもなぁ……俺はやることあるしな……やっぱりちゃんと断わるか。

 でも話だけならどうとでもなるか。

 別に聞いた後に断っても良いわけだしな。


「まあ、話だけならいいけど」


「本当ですか!? あ……えっと……本当に!?」


 この人も天然なの?

 わざわざ言い直してるし。

 沙耶と同じ雰囲気を感じるんだけど……気のせいか。


[性格は決定的に異なると判断します。ただし、魔力濃度、魔力量はそれを遥かに超えていることは確かです。]


 ん? もしかしてこの人が白亜の魔女?

 魔女感ないじゃん。

 あと白亜なのにチョーク要素もないじゃんか。

 白亜だからチョークというのが間違いだったか?

 あー確か石膏だったな。でもその要素もなくない?


「ごほん。えっとー……すずむら、しゅうくんであってる? ごめんね、でもなんか貴方としばらく一緒にいないと死ぬとか言われたから。誰かは知らないけどさ……ほら、朝のニュースでも意味わからないことばっかり言っててもしかしたら本当なのかもって怖くなっちゃって……」


 あーシステムメッセージってやつね。

 ……なに個人情報を勝手に見せてるんだよ。


[スキル『個人情報開示』を獲得しました。]


 俺の個人情報を明かすスキルのどこに需要があるの?

 まあ使わなけれいい話だしな。


 それにしても、え? この人が白亜の魔女ではないってことか?

 いや、よくわかんないんだけどさ、魔女ってご老人ってことか、やっぱり。

 だって覚えてないんだもん。そうに違いない。


[それは偏見に該当します。早急に控えるべきです。……当該対象との類似97パーセント。マスターの前に存在する個体が白亜の魔女である可能性は高いです。鑑定しますか?]

 

 うっさ……正論やめろよ~~

 うーんまあいっかぁー鑑定はするわ~~


[スキル『鑑定』を発動しました。]



__________________________

    【ステータス】


 種族:人間―聖魔人

 異名:白亜の魔女

 名前:羽澄 ひかり (?????)

職業①:聖魔女姫   職業②:選定者

職業③:救世主    職業④:導き手

レベル:1

 HP:24/24   MP:∞/∞

 ST:160/160

 筋力:12

 魔力:378301000(378301×100×10)

 防御:900

 魔防:∞

 俊敏:270

 幸運:6

 

【スキル】(使用不可)

〔アクティブスキル〕

蘇生Lv.MAX、魔法武装Lv.MAX、瞬間移動Lv.MAX、選択Lv.MAX、選定Lv.MAX

〔パッシブスキル〕

自動回復Lv.MAX、属性攻撃無効、全状態異常無効、自然影響無効、精神攻撃無効、即死攻撃無効、魔力装甲Lv.MAX

〔ユニークスキル〕

多重詠唱、卓越展開、万能魔力MAX、万能感知、限界突破、次元障壁、次元収納、魔導の極みMAX、混合魔法MAX

〔エクストラスキル〕

慈愛・熾天、叡智・熾天、希望・熾天、救恤・熾天、職業重複Ⅲ、全属性支配MAX、魔力支配MAX、魔導図書館MAX、魔法創造

〔マスタースキル〕

無限魔力、魔力干渉無効、万象魔法、無詠唱、久遠転生(呪い)、輪廻忘却(呪い)

〔???〕

?????、?????MAX(呪い)、?????MAX(呪い)


【称号】

★原初の魔女

・転生者

・イルシオンの救世主

★魔導の究明者

★魔術の果ての到達者

★無限の魔力域

・調停者

・超越者

・奇跡の生存者

・悲劇の魔女

・慈愛の極点

・叡智の極点

・希望の極点

・救恤の極点


【状態】

・無限転生(ランク:マスター)

・前世忘却(ランク:マスター)

・スキル使用不可(ランク:???)



__________________________



 ……化け物だ。

 っていうか白亜の魔女ってこの子なの!?

 はあ? 全然若いじゃんか。

 ご老人じゃなかったの? まあいいか見つかったんだしこれで仕事終わり!


[再度通告します。それは偏見に該当します。早急に控えるべきです。……当該対象との類似97パーセント。マスターの前に存在する個体が白亜の魔女である可能性は高いです。]


 だから、お前は構ってくるなよ。

 ややこしくなるって前に何度も伝えなかったか?

 正論うっざい。

 そういうことは言わなければ良いと思うんだけど?

 だってさ、偏見って変えられないだろ?

 だからそれを前に出さなければ大丈夫でしょ。


 それにしても沙耶以上の化け物だな。怖すぎんかこの世界の女子。

 一般人の何倍強いんだよ。絶対に国どころか世界滅ぼせるやつだろ。

 まあ、でもスキルが使えないみたいだ。安心。安心。


[スキル『国落としレベル1』を獲得しました。]

[スキル『楽観』の効果が切れました。]


 ……何が安心。安心。だよ。いや、ダメだろ。

 何で勝手に人のステータス見てんだよ。

 それに今は大丈夫って思っていても後から酷い目に遭うことを沙耶の一件で学んだじゃないか。

 ……やっぱり考えが単調になりすぎだ。

 楽観は封印かな……


[スキル『封印レベル1』を獲得しました。]

[スキル『封印レベル2』に統合しました。]


 あーうざい。鬱陶しい。

 どっか行ってくれないかなー俺じゃなくてもっと適任いただろうに……

 通知の原因のスキルって頭沸いてんのかよ。


「あのー普通にじろじろ見てくるのはちょっと……」


「あ、ごめん。」


 どうやらずっと見つめていたらしい。

 今の俺って相当キチガイだったのでは?

 ……今度からは極力気を付けよう。


[グランドシナリオ『白亜の魔女』が進行しました。]


 あーやっぱりこれで終わらないよな……

 っていうかこれで俺が変な奴っていう噂を流されたらどうしよう……

 はねすみ? はすみ? さんだっけ、にそれと無く聞いてみるか。


 それとこれ以上の情報貰ってないんだけどどうすんの?

 とりあえず……学校に行くのが先だな。


「あのさあ、今の聞こえた? 私が聞いたのもこんな感じのだった。というか聞こえるわけないよね……はあ。」


「いや、聞いた。何度も聞いててうんざりしてるよ。というか用ってそれだけだったの? だったら俺もういらないよね? それじゃあ……」


「あ、待って! 学校の行き方知らない……お願い! 教えてくれないかな?」


 はい?

 いやスマホあるじゃんか。

 自分で調べて行けばいいのでは?

 というか転校生だったのか。……同じクラスには流石にならないよな。

 そんな確率ほぼないだろうし。

 まあ俺はそこまで構える程の余裕は今はないからすまないが一人で行ってもらおう。

 とんだ薄情な奴だな俺……


「え? 地図アプリ使えばいいじゃん」


「充電忘れちゃってて……」


 あ、そういうことか納得。

 それならスキルでチャチャっと終わらせて学校に行こう。


「『充電』これでいい? スマホ使えるし一人で行けるよな。俺はこれで……」


 そのまま彼女のスマホの充電を終えた俺はすぐさま学校に向かった。

 ただ、そのまま学校に行くのは面倒だったのでスキルを使ってしまったが。

 周りが使ってるんなら別に俺が使ったっていいよな?


「え……あ、うんありがとう? ……あ、ちょっと待っ……行っちゃった……どうしよう……しばらく一緒にいないと死んじゃうのに……死にたくないよ……」


[警告します。当該対象から一定距離離れました。この状態が継続されるとマスターに致命的なペナルティー、最悪の場合デスペナルティが課される恐れがあります。よって引き返すことを強く忠告します。]


 はあ?

 面倒くさいんですけど?

 瞬間移動でも覚えてないとそういうことはやりたくないんだが?


[スキル『命令オーダー』を発動しました。]

[スキル『空間魔法』のレベルを三分間だけ上昇させ、その間のみ制限を解除します。]

[スキル『詠唱破棄』の制限を三分間のみ解除します。]

[スキル『命令オーダー』がクールタイムに移行しました。]


[『空間魔法―転移魔法:転移テレポート』及び『空間魔法―転移魔法:範囲転移エリアテレポート』の使用を推奨します。]


 はあ……了解。


「『転移テレポート』」


「え? うわっ!? ……もう何~~ってさっきの!」


 そりゃあ驚くわ。

 俺も考えなしだった。

 いや考える余裕がなかったのか……にしてもこれは俺が悪いな。


「ごめんな。なんか君と一緒にいないと殺されるとか言われたから……」


「……ふぅ。……よかった。私も朝からそんなこと言われたんだよ。さっきだって……はあー」


 なんか怒ってる?

 よく分からないけど沙耶みたいに理不尽吹っ掛けてくるようには見えないし。

 まあ十中八九俺が悪かったんだろうな。


「あ、ゴメン、ちょっと感情的になっちゃって……」


「そうなんだ。別に今のは多分俺が悪いから……この話は気まずくなるから終わりにしよう。で……名前、何?」


「あ、言ってなかったけ? 私の名前は羽澄はすみひかり。よろしく。」


「ああよろしく。俺の名前は……って知ってるか。取り敢えず本題に入るよ。今から学校の近くまで転移するから。時間がないから急いで欲しいんだけどダメか?」


「転移? ……危険じゃないならいいけど」


「了解。『範囲転移エリアテレポート』」


「え? あ? うん? へ?」


「羽澄さん、大丈夫か?」


「え? あー大丈夫ー大丈夫だよーーあはは……」


 そりゃあ取り乱すよな。

 俺だって沙耶にいきなり飛ばされたときはめちゃくちゃ取り乱したし。

 まあ今回は事前に言っておいたはずだけどそれでもこうなるわな。

 沙耶がおかしいだけか。


 ヤバい固まっちゃったよ。

 うーん……とりあえずこの子が……羽澄さんが正気に戻るまで待つか。

 ふぅ……あーもう疲れた……寝てし………うだ……


 そのまま俺は眠気に耐え切れず、寝てしまうのだった。

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