第21話 スパルタ訓練の悪夢を見たくないのはきっと俺だけじゃないはずだ。だよな?
特に何事もない朝を迎えた。
このまま沙耶が来ても無視しよう、そうしよう。
[スキル『スルーレベル1』を獲得しました。]
[スキル『スルーレベル2』に統合しました。]
うるさいから通知は黙っとけ。
[スキル『沈黙レベル1』、『消音結界レベル1』を獲得しました。]
[スキル『沈黙レベル3』、『消音結界レベル3』に統合しました。]
……無視しよう。
[スキル『スルーレベル1』を獲得しました。]
やっぱりできない。
ここまでしつこいと無視しようにも不可能だ。
「えっと……起きるか」
階段を降りて、リビングに向かう。
そういえばよく考えたら以前黙れと通知に対して主張したときにはスキル獲得はなかったはずだ。
どうして今になってスキル獲得をしているのだろうか。
[回答します。スキル『ks-2:j\^@Ⅱ]に進化して一定時間が経過したためです。]
そういう通知は地味にありがたいけどその爆音だけは勘弁してほしい。
爆音さえなければ十分なのに……
[補足します。スキル『ap29:@y8Ⅱ]のデメリット効果により、スキル『騒音耐性』、スキル『騒音強耐性』及び『騒音無効』、『自然影響無効』は獲得出来ません。]
知ってた。
だってさ、大体苦痛とかが一定以上になると絶対に耐性スキル獲得してたのに騒音系だけないし。ごめんだけどうるさいだけでいらない情報だったわ。
「おっは~~よ~~! 習くん! さあ着替えて着替えて!行くよ!」
「俺まだ朝食ってな……」
「ほら着替えて!」
「だから俺朝食ってないんだっ……」
[スキル『同時展開レベル1』を発動しました。]
[スキル『脱衣レベルMAX』、『着衣レベルMAX』を発動しました。]
おいっ! 余計なことすんなよ!
うるさいし、保有者の嫌なことばかりするし。
お前らスキルじゃなくてただの呪いだろ!ふざけんなよマジで。
[スキル『呪詛耐性レベル1』を獲得しました。]
……もうヤダ………………
「お〜〜着替えてる! さあ行こ!」
「……ちなみに今日の訓練は何を……」
「ん? 実践訓練だけど?」
「実践訓練とは?」
「実践訓練だよ?」
だから、内容が何なのか聞いてんだよ!
でもなあ……そう聞いたとしてほぼ百パーで『だから実践訓練だって言ってるじゃん』とか言われるしな……
[推測します。恐らく実践訓練は魔法の訓練及び、戦闘訓練だと推察できます。]
……確かに昨日散々使いたがってたもんな………
でもどこでそんな訓練するんだよ。絶対に見つかるだろ。
今どきどんなとこでも衛星とかで監視されているわけだしさ。
[スキル『光学迷彩レベル1』、『隠密レベル1』、『潜伏レベル1』、『気配遮断レベル1』、『魔力隠蔽』、『隠蔽レベル1』を獲得しました。]
いや、それでも魔法は見えるのよ。
……こんなことなら訓練なんて是が非でも断るべきだったな~~
「それじゃあ行くよ!」
「ハイハイ。ワカリマシタヨ。」
えっと……は?
いや、暑いし。ここどこだよ。
「あの~~沙耶さん……ここは……?」
「サハラ砂漠! 人がいないっていえばここでしょ!」
まあそうだけどさあ……
いや、安直だし。最悪の場合、衛星に見つかるぞ。
というかなんでさやは涼し気なんだよ。
よく見たら沙耶だけ薄っすら冷気を纏っている。
……ズルいぞ。
考えなしなところは相変わらず沙耶らしいと言えば沙耶らしいけど。
[スキル『冷気纏いレベル1』を獲得しました。]
……助かるけどさあ……もういい。
「衛星に見つかるとか考えなかったのか?」
「大丈夫! きっと何とかなるから!」
いや、ならないって。
もうヤダこの人。付き合うのが面倒臭くなってきた。
「さあ行くよ! 『
え?マジ?ってかあの蝶かよ。
沙耶の手から生み出された蝶は火の粉を俺に飛ばしながら、俺を取り囲むかのように旋回して、一目散に俺のほうに向かってきた。
沙耶は俺のことを殺す気なのか?
これって俺どうやって自分の意志でスキル使えば……
[回答します。明確に使用するという意識をし、スキル名を発言することで使用が可能です。]
そうかよっ。もうちょっと早く言って欲しかったな!
「『魔力障壁』!」
やっば。後ろからも来てるの忘れてた。
これ当たるやつだ……
「熱っ! おいっ沙耶! 俺を殺す気か!?」
[スキル『火炎耐性レベル1』、『延焼耐性レベル1』、『炎症耐性レベル1』を獲得しました。]
[スキル『火炎耐性レベル2』に統合しました。]
「まだまだ行くよ~~! 『
[くっ、えっと…『回避』!]
魔法ってどうするんだよ。
俺使い方分からないんだけど。
このままだとじり貧だぞ。
[了解しました。魔法の基本情報及び詠唱の情報を脳に転送します。]
痛い痛いって! 頭があああああ。
ハアハア……ふざけんなよマジで。
でも使い方は大体分かった。頼むからもっと丁寧にやってくれよ……
「大気よ!我が前の攻勢を塞き止めろ! 『
[称号『溜息射出装置』の効果が発動します。]
[溜息の回数を測定……574回。]
[威力の計算を算出……倍率、59.4倍。]
[称号『溜息射出装置』の効果が発動しました。]
その瞬間、馬鹿でかい半透明な壁が俺の前に現れた。
……もう風魔法は封印しよう。
[スキル『封印レベル1』を獲得しました。]
「習くん!ずるいよ!インチキ!」
「俺に問答無用で攻撃してくるお前にだけは言われたくね~よ!」
「この~~! ズルは許さないよ!」
そう言うと、沙耶の周りに膨大な魔力が集まり始めた。
大量の魔法陣が展開されている。
……こいつ絶対俺殺す気だろ!
__________
どうも作者です。
次からは本格的に戦闘シーンに入ります。
スキルの獲得が少し少なくなるとは思いますがご了承ください。
悪しからず。
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