第7話 さっきからまた鳴りやまない、ユニークとか称号とかいらないから、俺の妄想め。




 今から体育の授業、正直頭痛がしてきた。


[スキル『頭痛耐性レベル1』を獲得しました。]


 原因はこれである。


[スキル『状況説明レベル1』を獲得しました。]


 一つ一つの考え事に対して、入手通知が来る謎の幻聴。

 本当に俺の頭どうしちゃったのだろうか。

 正常なのか異常なのか確認したいくらいだ。


[スキル『確認レベル1』を獲得しました。]

[スキル『確認レベル2』に統合されました。]


 お、珍しく通知簡略化が効いている。

 ……俺の妄想だけど。

 というか妙に動きが遅く見える。

 数学の後からそれが顕著だ。

 どうにか聞けないものか……


[スキル『叡智』が発動します。]

[……質問を確認しました。]

[数学の授業中に入手、統合進化して入手したスキル『思考加速Ⅱ』によるものです。]


 ついに俺の質問にまで答えるようになったのか……

 俺の頭は狂ってるな。

 もう諦めた。


 こうなったら神にでもすがる思いでもこの幻聴を信じてみるか?

 いや、まだだ。

 まだ耐えきれる。


[スキル『ストレス強耐性レベル1』を獲得しました。]

[スキル『ストレス強耐性レベル2』に統合しました。]


「習、さっきから浮かない顔してるが大丈夫か?」


 こいつは、クラスのイケメン優等生であり、我が校のプリンスと呼ばれている。

 名前は貴山きやま 優李ゆうり

 いつも思うがこいつ本当にイケメンだよな。

 主人公っていうのはこういう人間を指すのだと思う。


[スキル『紹介レベル1』、『賞賛レベル1』、『比喩レベル1』を獲得しました。]


 それに比べて俺は妄想ばっかりのやばい奴だ。

 何から何まで住む世界が違う。

 本当に別世界の住人だ。


[スキル『自虐レベル1』、『賞賛レベル1』、『比喩レベル1』を獲得しました。]

[スキル『自虐レベル2』、『賞賛レベル2』、『比喩レベル3』に統合されました。]


 俺がまるで頭のおかしな珍獣であるような言い方をしているが間違いではない。

 なぜならこんな子供がするような妄想ばかりして、ついには幻聴、幻覚まで見えてしまう異常者であることは事実であるからだ。

 よって、俺が珍獣であるという表し方は案外間違っていなかったりする。


[スキル『通知簡略化Ⅱ』が進化しました。]

[スキル『通知簡略化Ⅲ』に進化しました。]

[スキル『比喩レベルMAX』、『自虐レベルMAX』、『賞賛レベルMAX』に統合、獲得しました。]

[規定数の言語系スキルが最大レベルに達しました。]

[統合進化を開始します。……成功しました。]

[規定数より2過剰なスキルを確認、統合したスキルにレベルを引き継ぎます。]

[成功率3パーセント、開始します。]

[成功しました。]

[スキル『言語能力MAX』を獲得しました。]

[スキル『多言語理解MAX』、『意思疎通』を確認、統合します。……成功しました。]

[ユニークスキル『卓越言語力』を獲得しました。]


 うるさいな! もう。

 そんな物騒なスキルあっても使わないって。


[ユニークスキル『卓越言語力』を制限しました。]


[条件を満たしました。]

[称号『究極の自重』を獲得しました。]


 だから! 着替えに集中させてくれ!

 って、究極の自重って何? ネタなのか?


[スキル『鑑定』を使用しました。]



______________


【称号】究極の自重


 いずれかのユニークスキルを制限にしたものに与えられる称号。

 スキルを制限するたびに、ステータスが性能によって向上する。

 また、スキルがユニーク以上の場合、その効果は何倍にも膨れ上がる。


______________



 ……俺って意外と頭いいのか?

 そうじゃないと咄嗟にこんな事考えられないだろ。

 俺の頭の悪さってもしかして妄想してたぶんに頭のキャパシティが取られていたからか。

 全くはた迷惑だよ。俺の妄想って奴は。


 あ、やばっ。

 急がないと。クッソマジでこの幻は何なんだよ!






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