第6話 授業もろくに受けられないって、流石にひどいよな。




 今日、一番懸念していることが始まる。

 それは授業である。

 なぜ授業が心配かって?

 それは意外とやることが多いからだ。

 ノートをとる、先生の話を聞く、問題を解く、教科書を読む等々、本当にやることが多い。

 だからめちゃくちゃ心配なのである。


[スキル『例示レベル1』を獲得しました。]

[スキルを統合しました。]

[スキル『例示レベル2』を獲得しました。]


 相変わらず幻聴は平常運転のようだ。


「起立、気をつけ、礼」


 いよいよ授業が始まった。

 つまり地獄が始まったということだ。


「教科書の32ページを開いてください」


 先生が指示を出した。

 多分この後スキル獲得とかいう妄想が響くんだろうな……

 そう思いながらページを開いた。


[スキル『予想レベル1』を獲得しました。]


 まさかのそっち?

 まあいいけどさ。どうせ俺の妄想なんだし。


「え~それでは今日は、4月16日だから、16‐4で12番、鈴村読んでくれ。」


「はい。えっと……」


[スキル『音読レベル1』を獲得しました。][スキル『発声レベル1』を獲得しました。]

[スキル『読書レベル1』を獲得しました。][スキル『音読レベル1』を獲得しました。]

[スキル『音読レベル1』を獲得しました。][スキル『発声レベル1』を獲得しました。]

etc...

[スキルが統合されました。]

[スキル『音読レベルMAX』、『発声レベルMAX』、『読書レベルMAX』を獲得しました。]


 うるさくて集中できなかったんだけど。

 俺の幻聴酷くないか?


「次、そのまま後ろの人が読んでくれ」


 これもちゃんと聞ける気がしない。

 同時に両方を聞くなんて無理に決まってる。

 それに片方は聞かなくてもいいというか聞きたくないが頭に直接音が流れる。

 つまり無駄だという話だ。


[スキル『傾聴レベル1』を獲得しました。][スキル『静聴レベル1』を獲得しました。]

[スキル『鑑賞レベル1』を獲得しました。][スキル[傾聴レベル1』を獲得しました。]

[スキル『静聴レベル1』を獲得しました。][スキル『鑑賞レベル1』を獲得しました。]

etc...

[スキルが統合されました。]

[スキル『傾聴レベルMAX』、『静聴レベルMAX』、『鑑賞レベルMAX』を獲得しました。]


 やっぱりな。だと思った。

 というかこれは本当に授業に集中できないやつだ。


 この後の授業も散々だった。

 数学なんて授業の最初から最後までずっと鳴りっぱなしだったし、

 本当にこれ何なの?


 残った授業は体育のみ。

 嫌な予感が満載である。

 まあ、俺の妄想が収まればこんな事心配しなくていいんだろうけど。

 ただし、収まればの話だ。


 正直言って収まる気はしない。

 それどころか明日までこの幻聴が聞こえそうな勢いだ。


[スキル『予想レベル1』を獲得しました。]

[スキルが統合されました。]

[スキル『予想レベル2』を獲得しました。]


 ほら、まだ聞こえる。

 きっとこれずっと続くんだろうな~~


[スキル『ストレス耐性レベルMAX』が強化されました。]

[スキル『ストレス強耐性レベル1』を獲得しました。]


 それ段階進化あったんだ。

 気が少し楽になった気がする。

 これがプラシーボ効果ってやつか。

 妄想が効くこともあるんだな。

 本当に気休め程度だけどさ。あはは。……はあ。

 もう沙耶に相談するしかないよな。

 帰りにでも相談しよう。

 あいつ同じ部活だし、一緒に帰れるだろうしな。


[スキル『予想レベル1』を獲得しました。]


 あ~~もう。全く。

 この通知が妄想じゃなくて現実だったらどれほど最高なものか。

 そんなことあり得ないから、俺にとってこの通知はただうるさいだけなんだけど。





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