第3話 学校でも何かするたびにうるさいのは、俺の妄想のせいだよな。




 うるさいよー

 どうも、習です。

 今友人に絡まれています。


[スキル『状況説明レベル1』を獲得しました。]


 はい、これが俺が悩まされてる原因です。

 って俺の口調に合わないな。なしだなし。


 ……俺はさっきからずっと考えている。

 この幻聴はいつになったら収まるのだろうかと。

 友達の声に耳を傾けている暇はないのだ。


[スキル『状況把握レベル1』を獲得しました。」


 もう反応しない。絶対に無視だ無視。


「おい!無視しないでくれよ!凹むからな?」


 こいつは俺の友人の中山なかやま 隼斗はやと

 俺はこいつのキャラが面白いので一緒にいる。

 でも今日は面倒だからやめてほしいものだ。


「男が凹むとこなんて誰得だよ。」


[スキル『ツッコミレベル1』を獲得しました。]


 いらないって。てか反応しちゃったじゃんか。

 何だよスキル『ツッコミ』って。

 意味不明だわ。

 本当に通知簡略化さんもっと仕事してよ……


「おっ。やっと話してくれた。それでさ、昨日俺先輩に振られたんだよ。」


「あ~〜ドンマイ」


[スキル『同情レベル1』、『スルーレベル1』を獲得しました。]


 急に重い話とか聞いてないぞ。

 ただでさえこっちはいっぱいいっぱいだったのに、ストレス耐性さん仕事してよ。

 俺の妄想だからむりか……


「ドンマイってねぇ酷くない?酷くない?俺の扱い雑すぎない?」


「そうだけど? 雑でいいじゃん」

(別に雑じゃないけど?)


「本音と発言を逆に言ってない? ねえ? ねえ?」


 相変わらず面倒な性格をしてる。

 取り合えずこいつには今だけはかかわらないで欲しい。


「あ〜~そうだな。うるさい」


「本当に聞いてるの? 俺、昨日振られたの分かる?」


 それ聞いた。同じことを言ってくるとかこいつな……


「ああ。それ聞いたの二回目。それだけなら他のやつでもいいだろ。何で俺なんだ?」


 というか、あれ? 通知がならない。

 どうしてだろう。そういえば考えているときもならないよな。う~〜ん分からなくなってきた。

 この幻聴意味不明すぎる。

 なんかネットにこの症状の原因とかのってないかな〜~

 後で調べよう。


「本当に雑じゃん。いつもよりも雑。絶対に楽しんでるだろ」


「うるさいぞ。そんなんじゃ一生モテないって。事実面倒くさい性格の俺がモテてないからな」


[スキル『自虐レベル1』、『忠告レベル1』を獲得しました。]


 はいうるさい。

 これ何も喋らないほうがいいんじゃないか?

 そんな気がしてきた。

 でも喋らないとか無理だしな……


[スキル『模索レベル1』を獲得しました。]


「えっとそれは……クソっ言い負かすなよ…泣きたくなるじゃないかよぉ……」


 こいつが自爆しただけだろ。

 俺は悪くない。


「ちょっと!習くん!走らなくてもいいじゃん!一緒に学校くらい行こうよ〜~」


 クラス全員の男子の目線が俺を睨む。

 これは違うんだ。

 って言っても無駄か。

 いつものことだしなんとかなるだろう。


[スキル『諦観』、『楽観』を獲得しました。]


 レベルがないスキルとかあるんだ。

 正直ユニークだけかと思ってた。

 まあ全部俺の妄想だけどさ。


 これが全部俺の妄想ってことは…

 俺って相当な中二病じゃないか!?

 なんか悲しくなってきた。


[スキル『悲観』を獲得しました。]


 おい通知、空気感ぶち壊すな。


[スキル『ツッコミレベル1』が規定数に達しました。]

[合成しました。]

[スキル『ツッコミレベルMAX』に統合しました。]


 ツッコミのレベルMAXってなんだよ。

 いらねー。


[称号『ツッコミを極めし者』を獲得しました。]


[世界初の称号獲得者に特別な称号を授与します。]

[成功しました。]

[称号『称号獲得先駆者』を獲得しました。]


 通知簡略化さん。

 仕事して下さい。

 なに今の? ツッコミを極めし者だ?

 そんなのに興味ないです。いりません。


 というか……俺の妄想ってどんだけカオスなんだよ。

 自分で自分が嫌になってくる。


[ユニークスキル『通知簡略化』が規定数に達しました。]

[ユニークスキル『通知簡略化Ⅱ』に進化しました。]


 あれ? レベル付いてないのってそういう意味だったのか……

 それって表し方が別なだけで実質レベルじゃんか。

 俺ってどれだけ拗らせてるんだろ……

 はあ。





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