世界は君に出逢って色づいた〜詩風〜【ぴったり800文字】

世界は色づいた

　きみに出逢って

　ぼくの見ている世界が

　色づいたんだ

　白と灰色の味気ない

　世界に

　きみが現れて

　鮮やかに色づいたんだ

　初めて

　きみと出会った日

　さくらの季節に

　新しい制服同士

　きみがぼくと

　おなじ学校なんだと

　嬉しくなった

　きみの笑顔が太陽みたい

　明るい光を放ってる

　かぜすら

　楽しそうに

　吹いてきて

　晴れた青空が

　くっきりと

　色濃く

　光ってる

　わあ

　雲がハートのかたち

　蒸気したきみの顔は

　桃色に染まってる

　チューリップ咲いて

　赤青黄色に白色が

　時々かぜに揺れて

　きみの三つ編みの髪も

　リボンも揺れた

　ぼくときみとの

　あいだに薫風まぎわのかぜ

　ぼくの胸ぽけっとの

　青色新品ハンカチが

　空にさらわれ飛んで

　いっしゅん

　大空に同化した

　きみのキリッと決意顔

　ジャンプして

　キャッチした

　ぼくのハンカチ

　いたずらなかぜに

　ありがとうと言いたくなった

「はい、どうぞ」

「うん。……ありがとう」

　ぼくときみ

　交わした最初のことば

　どうぞとありがとう

　清らかで穏やかな川の流れ

　歩く土手沿いに咲く

　黄色い菜の花

　香る

　モンシロチョウ

　みつばち

　てんとうむし

　踊るように飛んでいった

　さくら咲く

　チューリップのいろとりどり

　菜の花レモンイエロー

　春は虹色パレード

　きらきらな色が

　咲いている

　四季折々

　きみといっしょに

　いれると

　どんなにいいだろう

　ささやかな願い

　届いたら

　きっと

　さびしさも

　まぎれ越えられる

　春は別れと出会い連れ

　慣れない土地

　新しい学校

　新しい教室

　不安がいっぱいだった

　きみに出逢った季節

　同じ教室

　優しい笑顔

　春の

　写生大会

　草っぱら

　ベンチ

　湖畔に

　同級生が

　陣取っていく

　鉛筆すいすい

　スケッチブックを

　ガリガリシャッシャ

　絵の具が

　載るのを今か今かと

　待っている

　あったか公園

　お昼が来たよ

　きみといっしょに

　芝生にレジャーシート

　ぼくの

　目の前

　いちご食べてる

　きみがいる

　おべんとうは

　海苔弁

　たまごやき

　唐揚げ

　ブロッコリー

　黄色に茶色に緑色が

　主張してる

　ぼくは

　いちごをほおばる

　きみに見とれて

　きみがぼくにくれた

　真っ赤ないちご

　それに見とれて

　さわぎ

　華やいだ

　むねがいっぱいで

　甘酸っぱくて

　苦しくて