第4話 『Unmemory Dungeon』講座
「こんばんわ~ん、ぬいぐるみ系VTuber兼ダンジョンマスター、猫乃わん太わん」
◯[ばんわーん。今回はどんなダンジョン?]
▽[前回も結局ダンジョン探索は進まなかったからな]
◎[ところで、ダンジョンマスターってどうやったらなれるん?]
「あー、ダンマスは称号? スキル? 両方ありそうだけど、このダンジョンに関してはちょっと特殊な……NPCみたいなものかもしれないわん」
このダンジョンに関しては運営さんに頼まれてダンジョンマスターになったからね。
「それで、今回はこのダンジョンに関して基本に立ち返って、できることとできないことを確認していくわん」
◎[助かる。てか、そもそも『Unmemory Dungeon』がわからない]
∪[わん太の配信見てないと知らないよね。特に新規プレイヤーは]
∈[きっとわん太が解説しれくれるにゃ]
「『Unmemory Dungeon』はローグ系のダンジョンわん。試験実装されたんだけど、一般公開される前に中断しててボクが
サクッと転移陣を起動してダンジョンへと入る。
今回はオーソドックスな洞窟っぽいダンジョンとなっている。部屋の隅の転移陣の中に転移された。
「とーちゃくー! それでは基本のおさらいわん。ローグ系とかローグライクゲームの基本要素は何かというところからいくわん」
△〚画面が文字で表されているとか?〛
◆[いやいや、それは原点かもしれないけど古すぎる。要素としてはランダム生成マップ?]
◯[死んだら最初からとかかなぁ]
いろんな意見が出てくる。
「みんな詳しいわん。まあ、正確な定義を言い出すと戦争になるから、このダンジョンに関連する要素をあげていくわん」
VRMMOになっていることで出来ないこともある。
「まず、ターン制の要素は無理なのでなくなってるわん。あ、ただ階層を移動した直後の転移陣の中にいる間はモンスターはこっちを認識しないわん」
▽[確かにターン制は無理だな。というか、もはやターン制の方が少なくないか?]
◯[ローグライクって言ってもアクション多いよね]
◇〚制限緩いローグライクゲームはローグライトと呼ばれたりしてるみたい〛
「このダンジョンは入るたびに配置が変わるわん。実際には一日ごとに変わるんだけど、入場制限が一日一回だから実質入るたびに変わるわん」
ランダム生成マップはローグライクの基本だが、プレイヤーが入場するたびのダンジョン生成はコストが大きすぎて実現出来ないみたいだ。
◆[ちなみに複数人で入ったりはできる?]
▽[その日にマップが変わらないなら情報を渡すことはできるか]
「今のところソロコンテンツだけど、複数人で入れるのはおもしろそうわん。マップ情報の受け渡しは……しかたないかなぁ」
ちなみにダンジョンの中はプレイヤー毎に別インスタンス扱いにはなる。
「それじゃあ探索を始めるわん」
まずは部屋の真ん中でポヨンポヨン跳ねているポヨポヨ退治からだ。
「まずは装備を……って、ローグライクだからレベルもスキルもリセットされてアイテムも持ってない状態での開始だったわん」
ローグライクゲームは繰り返し遊ぶ場合でもプレイヤーは初期状態から始まるのがほとんどだ。
何もない状態から状況に応じた対応するのが醍醐味とも言えよう。
▽[あー、そういえばアイテムも持ち込めないんだったな]
◆[スキルもない状態での開始だったか]
❤〚あれ、イナバくんは?〛
「残念ながらイナバくんたち契約精霊も武器とか同じ扱いで持ち込み不可扱いになってしまっているわん」
契約精霊が持ち込み可能だと精霊必須になりかねない。
「ところで、普通のポヨポヨって素手で倒せたかな?」
ポヨポヨから目を離さずジリジリと後ろに回るように移動する。もっとも、ポヨポヨのどちらが前かはわからないので気分的な問題だ。
―― ポヨンポヨン
不確定名:黄色い不定形
説明:鑑定されていない不定形の
ダンジョン内で一意な名称を設定することが出来ます。
不確定名は黄色だが実際には青色をしている。なお、伝統的に最初の
◆[ポヨポヨは物理耐性、特に打撃耐性が高いから武器なしだと辛いかも]
∴[そうは言っても攻撃力も低いから殴り合えばそのうち倒せはするよ……多分]
「じゃあ、初戦闘といくわん!」
一気に間合いを詰めて踵落としを決める。
青いポヨポヨは光となって消え、木の宝箱を残した。
◎[おぉっ、回転かかと落とし! わん太実は強い?!]
▽[見た目に反して実は強い。攻略上位層並みだとは思うけどレベル1でも凄いな]
∈[そんなことより宝箱にゃ。早くあけるにゃー!]
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