27話 残された側2
世界は変わり、日本、バーチャルワールドにて。
「「「……」」」
昔の会議室を模したと言われている空間にて、三人の男女が沈痛な面持ちで黙りこくっていた。
空気は重い。
そんな中、女性――クルンが口を開く。
「……これ、マジ、だよね?」
「あの探☆偵さんだからなぁ……僕としては、マジと見る方がいいとは思うね」
「多分なー。ってか、あの人がこんな笑えない冗談送るなんざぜってーないって」
「だぁ~よねぇ~……」
三人の目の前には、一通のメールが表示されていた。
それがこれだ。
【宛先:クルン
差出人:探☆偵
件名:一応の保険としてね
本文:この文章を読んでいる頃にはボクはもうこの世界にはいないだろう……などと、少しふざけてみたけど、ちょっとだけ厄介ごとに巻き込まれそうでね。まぁ、心配はいらないさ。何も起こらない可能性はあるけど……万が一がある。なので、もしもボクが行方不明となったら、ボクの事務所を訪ねると良い。事務所員にはメールではあるけど、一応は君たちのことを伝えてある。それから、なぜボクがこうしてメールを送ることになったのかを伝えるために、このメールを添付しておくよ。ま、何も無ければ、一度そっちへ行くから、その時はお酒でも飲みながら話そう】
というものだ。
そして、そのメールには一件の別のメールと、探☆偵が営んでいる事務所の地図と、連絡先が添付されていた。
それが、これだ。
【宛????探???
??差出人????ァル????リ??
??件名:招?
??本????応じる/応じな???】
三人の脳裏のよぎったのは、いつぞやのアリス――瞬が使用するVRチェアからサルベージされた、文字化けだらけのメールだった。
それと全く同じものが、目の前にある。
だが、違う点もあった。
それは、宛先の部分である。
間違いなく、前回は何文字か隠れてはいたが、それでもアリス宛に届いたメールであろうことはわかっていた。
そして今回のメールには、『探☆偵』宛に届いたメールだと言うことがわかる。
「……もしかして、探☆偵ちゃんもアリスちゃんがいる所に行っちゃったのかな……?」
「わからない、けど……可能性は、高いと思うぞ、僕は」
「こればっかりはーなー……。ってか、マジでどこ行ったんだよ、探☆偵さんもよぉ」
「……手掛かりはこのメールだけどー……はぁ、さっぱりだよー、もー……」
手掛かりが全く手掛かりをしていない現状に、三人は深くため息を吐く。
一度ならず二度までも、自分たちの身内から行方不明者が出ている現状、どうすればいいいのかわからなくなってくる。
「まさか、捜索の頼みの綱である、探☆偵までとかさー、普通予想できる? 僕は絶対無理」
「んなこと言ったらオレもだぜ? ってか、そもそも科学が発展しまくった現代で、こんなわけわかめな神隠しとかあるか?」
「「ない」」
「だろ? マジでなんかあるよな、これ。あー、ちっくしょう! ボスがいねぇんじゃ、VEOにも力が入んねーしよー。どうすんよ?」
「うーん……とりあえず、事務所に行ってみる?」
「「……初のオフ会が友人の行方不明って」」
「わかるけども、こればっかりは四の五の言ってらんないよー。明日、集まれる? 二人とも」
「オレは問題なしだぜ。どうせ、明日は有給取ってたし」
「僕も問題ないぞ。明日の授業は、取らなくても問題のない授業しかないから」
「おっけー。それじゃ、東京駅に集合ってことで、大丈夫?」
「「問題なし!」」
新たな情報を得るべく、三人は一度リアルで集まり、新たに行方不明となってしまった『探☆偵』が営む事務所へ向かうことにした。
翌日。
三人は待ち合わせ場所である東京駅にいた。
初めて顔を合わせる三人だったが、リアルでは顔合わせをしたことがなかったため、なんとも不思議な気持ちになっていた。
そわそわと、どこか落ち着きがない。
そんな中、最初に口火を切ったのは、クルンだ。
「んーっと、初めまして、って言うのも変かなぁ? と思うけど、改めて。初めまして、クルンこと、繰木瑠璃だよ。よろしくね」
「じゃあ、次は僕が。グラッセスこと、
「オレはマッスル権蔵こと、
三人はお互いに自己紹介を済ませ、そわそわと気恥ずかしくなってくる。
往来でアバターネームを名乗ることの恥ずかしさである。
普通は、喫茶店などに入ってする物だが、この二人は遠方から来ているため、時間があまりないのである。
三人は早速とばかりに、探☆偵から送られてきた地図を頼りに、事務所を目指す。
事務所は駅からさほど離れておらず、徒歩十分の所にあった。
道中、三人は軽く雑談をしながら歩く。
「いやぁ、あのボスにこんな綺麗な従姉がいるなんてな! 羨ましい限りだぜ!」
「それは同感。総帥、リアルでこんなに綺麗な従姉がいるから、色恋に疎いんじゃないの?」
「んー、あたし自身はそうでもないと思うけどー……まあでも、一応告白はされるかな? あと、アリスちゃん――瞬ちゃんが疎いのは元々」
三人に話題に上がるのは、最初に行方不明となった瞬だ。
変に重くならないように、という理由で明るい話題を提供している。
「え、ボスって元から鈍感なのか?」
「そーだよー。というか、遠回しにデートに誘われてるのに、それに気づかないくらい」
「……遠回しって、具体的にどんな?」
「高校生の頃の学園祭で、クラスの女の子が買い出しに行こう、って二人きりで誘ったみたいなんだけど、二人きりで行くって思ってなかったみたいで、気が付いたら友達と一緒に……みたいな?」
「「うわぁ……」」
「しかもその子、かなり勇気を出して誘ったみたいなんだよねー……」
「「ひ、ひでぇ」」
二人は、引き気味である。
まだ見ぬ、瞬に惚れてしまったその少女は、何があったのか、紆余曲折あって、同性愛に目覚めてしまったが、今は幸せな人生を送っているので割愛。
「さらなる情報があるんだけどね? その子、まぁ所謂学園のアイドルみたいな人だったんだよねぇ」
「「マジで!?」」
「マジマジ。ほら、瞬ちゃんは何と言うか……同年代に比べると、ちょっと落ち着いてるでしょ? だからなんだろうねぇ、大人っぽい! って人気だったんだよねー」
「……あー、でもそれはわかる。総帥、性格いいしなぁ」
「優しすぎず、かといって厳しいわけじゃない、ってぇのがいいよな!」
「お人好し過ぎるのは、ある意味じゃよくないからねぇ」
などなど、瞬の話で盛り上がる三人。
瑠璃が瞬の過去話をしつつ、それに衛輔と龍吾の両名が呆れたり笑ったりとリアクションを返す。
そうして歩いていると、目的地に到着。
「探偵事務所……え、だけ?」
「なんつーか、探☆偵さんらしいっつーか……」
「あの人、変なところで適当、だからな」
三人は名前に対して探☆偵の妙な部分に対するものぐささを見ながら、事務所の中へ。
「いらっしゃいませ。ようこそ、探偵事務所へ。何かご依頼でしょうか?」
「あ、実はここの探☆偵さんからここの地図と連絡先を貰っておりまして、困ったらここを尋ねるように、と……」
中に入るなり、二十代後半と思しき女性に出迎えられ、瑠璃が代表して用件を伝えると、女性は一瞬考えこむ素振りを見せ、はっと驚いた表情を浮かべる。
「もしや、繰木様、鐘芽様、筋道様、でしょうか?」
「は、はい、そうですけど……あの、なんであたしたちの名前を?」
「行方不明となりました、所長から最後にメールが届いておりまして、もしも尋ねて来たら話を聞くようにというのと、協力するように、と」
「あの人、用意周到じゃね……?」
「ふふ、そうですね。あの人は、もしも大きな依頼に臨む場合、保険として我々事務所員に何らかのメッセージを残すことはよくあることですので」
苦笑いを浮かべながら、いつものことだと話す女性。
「あ、申し遅れました、この事務所で副所長をさせていただいております、美柳凛と申します。とりあえず、こちらのソファーへどうぞ」
三人は凛に促され、中央のソファーに座る。
いつの間にか別の事務所員が現れ、四人の前にコーヒーを置き、退出。
三人は軽く礼を言ってからコーヒーを飲み一息。
「さて、皆様がこちらにお越しになられた理由は、所長の失踪と、直前まで所長がお調べになっていた、繰木瞬様の捜索の件、ですよね?」
「はい。頼みの綱とも言っても過言ではない探☆偵さんがいなくなり、少々困惑しており……」
「そうでしょうね。我々としましても、あのようなメールを貰い、かなり動揺したものです」
「美柳さんもですか?」
「それはそうです。こちらとしましても、なぜ失踪したのか、そしてどこへ失踪したのか、その理由を解き明かしたくは思っているのですが、如何せん情報が無さすぎず……」
「……あの、探☆偵さんは、どんな状況で失踪したんですかね?」
龍吾が、探☆偵が一体どんな状況でいなくなったのか、と美柳に尋ねると、美柳はそれはもう困惑したような表情を浮かべて答える。
「……それが、数分前まではこの部屋の横にあります、所長の居住スペースにいたはずなのですが、忽然といなくなってしまい……」
「え、探☆偵さんも!?」
瞬と同じ状況で失踪したと知り、衛輔が驚きの声を上げる。
他の二人も声を上げずとも、驚愕に目を見開く。
「はい。何らかの関係性はあるかと思うのですが、如何せんこちらも情報がなく……ただ一つだけ、不審点があり」
「それは、どんなですか?」
「所長は寝室や浴室以外の居住スペースに監視カメラを設置しているのですが、そこでこのような映像が撮られていたのです」
そう言うと、凜はノートパソコンを持ってくると、そこに一つの映像を流す。
日付は三日前を指していた。
がちゃ、とお扉が開くと一人の幼女? が室内に入ってくる。
「え、これ、探☆偵さん?」
「はい。こちらが、当事務所の所長、小鳥遊恋乃花所長です」
「「「えええぇぇぇぇぇ……」」」
まさかの合法ロリの登場と、そしてその合法ロリが自分たちのよく知るゲーム内でのロリっ娘だと知り、三人はマジで? みたいな声を漏らす。
というか、ゲームとほぼ同じじゃん、というツッコミも心の中で入れていたが。
「あ、VRチェアに座った」
映像内の探☆偵――恋乃花は、中央に設置されているVRチェアに座る。
それから少しの間、特におかしな所もない映像が流れ……。
「あ、ここ、ここです」
凜が問題の箇所と告げ、更に映像をよく見るように促す。
すると、変化が訪れる。
突如として映像が乱れ始める。
画面は酷いノイズが走り、音声等も途切れ途切れ。
ただ、辛うじて映像が居住スペースだと判別がつくレベルだ。
そして、さらなる変化が現れる。
なんと、VRチェアが謎の発光をし始めたのだ。
それはもう、閃光手榴弾もかくやというほどに強烈で、映像越しにもかかわらず、思わず目を瞑ってしまうのほどの強烈な光。
音声もさらに乱れ、もう何が流れているのかすら不明だ。
そんな状態が約数分続いたところで、画面と音声の乱れは無くなり、しん――とした室内が映し出されたところで、凜が映像を止める。
「と言うような映像で……」
「……VRチェアって、あんなに強く光る物だったかな……?」
「オレの記憶にはねぇなぁ」
「僕も」
「じゃあ今のは何……?」
「何らかのハッキングを受け、合成映像でも残されたのかと思ったのですが、そのような形跡はなく……」
「つまり、これは現実ってこと、ですか?」
「……はい」
謎を解明する手掛かりを求めてきたと思ったら、今度は新しい謎が舞い込んできた。
一体何なんだ、そんな感想しか浮かばないほどに、今見た映像は異常だった。
そもそも、いくら科学が発展してきたとはいえ、VRチェアがあそこまで発光することなどないし、何よりVRチェア自体が発光するなどあり得ない。
全く説明できない何かが、そこにはあった。
「あと、文字化けを想定されていたのでしょう、こちらをメール内に暗号と言う形で残されておりました。もっとも、こちらは私が手書きした物ですが」
そう言いながら、今度は一枚の紙を机の上に置く。
そこには、
【宛先:探☆偵
差出人:ヴァルフェリア
件名:招待
本文:応じる/応じない】
手書きではあるものの、解読が難しいと思われていたあのメールの内容が書かれていた。
「こ、これ、もしかして、あの文字化けメールの……?」
「はい。繰木瞬様のVRチェア、ならびに、小鳥遊所長のVRチェアの中に残っていたメールを手書きした物です。所長が間違っていなければ、こちらが書かれていたようです」
三人は、そのメールの中身のとある一文を凝視していた。
というより、そこにしか目が行かなかった、と言うべきだろう。
顔には動揺がありありと浮かんでいた。
「こちらのヴァルフェリア、と言う名前に覚えは?」
「……あります。ううん、ないわけがない」
「そう、なのですか?」
「あぁ。この名前は、俺たちが遊んでるゲーム、『VEO』の運営会社の名前だぜ」
「ただ、あの会社は全くと言っていいレベルで存在が謎すぎる」
「謎?」
「はい。運営が開始して五年間、ホームページが更新されたことはなく、アップデートも一度のみ。そして、不具合なんてものも一度もなかったんです」
「……それは、またとんでもない運営ですね。私もちょっとしたゲームはしますが、不具合は必ず一つはありましたが……」
「それが普通なんだよなぁ」
「僕もそこは本当におかしいとは思っているが、快適に遊べるのならっということで流していたからな」
「あたしも」
VEO七不思議の一つ、なんか不具合が一個もない。
これはVEOをメインとしたネットの掲示板にて、いつも話題に上がるほどに、不可思議なものだ。
不具合がないゲームなど、通常あり得ない。
何らかのバグはあるものだし、仮になかったとしても、それは個人製作ゲームであり、尚且つ限りなく中身が少ないゲームと言えよう。
しかし、VEOはオンラインゲーム。
だからこそ、不具合が無いと言うのは異常だし、何よりアップデートが一度しかない、と言うのもおかしいのだ。
「では、VEOが関係しているかもしれないですね」
「かもしれませんけど……一応ゲームですし……」
「いえ、ゲームであっても、これは立派な手掛かりですので、少し調べてみようかと思います。何かわかりましたら、皆様に連絡致します」
「いいんですか?」
「もちろんです。こちらが、私の連絡先となります。情報が入り次第こちらから連絡させていただきます。それから、そちらでも何かわかったことや気になったことがありましたら、連絡を頂ければ対応いたしますので、よろしくお願いいたします」
「い、いえいえ、こちらこそありがとうございます! それと、よろしくお願いします!」
「「お願いします!」」
凜が調査をしてくれるとのことで、三人は喜びつつ、礼を告げる。
そんな様子を見た凜は、ふっと小さな笑みを浮かべて口を開く。
「こちらこそ、所長を心配してくださり、ありがとうございます」
「いえいえ、あの人は仲間ですから! それに、お友達なので」
「ふふっ、あの人に同年代の友人ができて、安心しました」
「あー、なんかボスが言うには、最初の頃はなんかこう、気難しかったって言ってたなー」
「えぇ。ですが、繰木瞬様や、皆様のおかげでとても明るい方になりましたので。感謝してもしきれません。全身全霊で調査させていただきますので、ご安心ください」
「「「ありがとうございます!」」」
「さて、私は早速調査に入りたいと思います」
「じゃあ、あたしたちもお暇させてもらいますね」
「はい。本日はご足労いただきありがとうございました。それでは、情報が入り次第連絡させていただきます」
「ありがとうございます。それでは」
最後に軽く挨拶をしてから、三人は探偵事務所を出た。
「……しっかし、VEO、ねぇ?」
探偵事務所を出て、せっかく集まったんだから、と近くの個室型の喫茶店に寄って軽く軽食を摂ることにした三人だったが、喫茶店に到着し、席に案内されるなり、龍吾が呟く。
「どうしたんだ? 龍吾?」
「いやよー、まさか二人の失踪にあのゲームの会社が関わってくる! ってー思わなかっただろ? だから、あのゲームも変だなぁ、と改めて思っちまってな」
「……そうだねー。何気なく楽しんでいたゲームが、失踪に関係するなんて、夢にも思わなかったよ。けど、どう関係するのかがわからないよねー」
「そもそも、ゲームが失踪に関係するとか、どこの創作だよ、って感じだぜ? まったくよぉ」
「それは同感」
「あたしも」
ゲームの世界に似た世界や、ゲームと同じ世界に行く、と言うのは未だに根強い人気があるジャンルだ。
とはいえ、そう言った作品の人気が最もあった時代と言うのは、2010年代だったりはするが、それ以降も人気に火が付いたり下火になったりを繰り返し、今は火が付いている方だ。
なので、創作としてはよくある話とは言えるのだが、いざ現実で関連性があると知ってしまうと、なんとも言えない気分になる。
「何の気なしにプレイしていたゲームが、実はやばいんですよ! って言われた気分だよー、ほんとに」
「まぁ、ヴァルフェリア、なんて早々被らなさそうな名前だからな」
「オレ、今後プレイするかどうか迷うぜ、まったくよ……」
龍吾の苦虫を嚙み潰したような顔とセリフに、衛輔と瑠璃の両名も同感だと言うかのように、うんうんと頷く。
「……そう言えば、もしもVEOが関係しているならさ、あれかな? 瞬ちゃんたち以外にもおんなじ状況になった人っているのかな?」
「そういやそうだな……衛輔、調べられるか?」
「なんで僕が……ま、僕も気になったからいいけどさ。ちょっと待ってな」
渋々と言った様子だったが、すぐに興味が引かれたと言って、AR端末を取り出して、映像を空中に投影すると、そこに瑠璃が口にした疑問を調べていく。
差し当たってSNS系サイトから調べる。
「……んー、特にない、か? あ、いやでも……これは違うな…………」
あれでもない、これでもない、とスクロールしていく衛輔。
二人も表示されている映像を見ていると、ふと気になる投稿があるのを瑠璃が見つける。
「衛輔君、ちょっと止めてもらえるかな?」
「あぁ、いいぞ」
「これ。この投稿」
「んー? これは……なんだ?」
瑠璃が見つけたのは、とある投稿だった。
そこには、
『なんか、名前がバグったフレンドがいるんだけど……』
というたったの一文のみが書かれた投稿があった。
「名前がバグ……そう言えば、二人の名前もバグってなかったっけか?」
「そうだな。たしか名前が伏せ字みたいになっていた気がするぞ」
「え、じゃあアリスちゃんや探☆偵ちゃんだけじゃないってことかな?」
「……なのか?」
「この人があの二人のフレンドじゃなければ、おそらく」
「もしかして、この現象がプレイヤーたちに起こってる、とか……?」
「どうだろう……この投稿が本当かどうかんてわからないからな。だが、少なくとも総帥と探☆偵さんは行方不明。二人だけなんて決まったわけじゃないと考えると、おかしくはないと思う」
「……衛輔の言う通りってもんだ」
衛輔考えに、龍吾は神妙な面持ちで同意し、瑠璃もこくりと頷く。
少なくともこの三人は、不特定多数が同じような状況になっているのでは? と考える。
「これに関しちゃ、オレもネットで調べてみるわ」
「あたしも」
「もちろん僕も」
「じゃあ、何かわかったら、お互いに共有! っていうことでいいかな?」
「「OK」」
「うん、じゃあ、何かわかり次第メールでね! あと、もしもあのメールが送られてきたら、絶対に応じないで、一度相談すること!」
「おう!」
「わかった」
「じゃ、ぱぱっと食べて、今日はもう帰ろっか! 早速調べたいしね!」
「その元気さは見習いたいもんだぜ」
「僕もだ」
あははは、と三人は笑い合い、簡単な軽食を食べてからその日は解散となった。
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