第2話助けを請われるアサシン

(第10階層……はやめておこうか。あそこはトラップが多い。鉱物系のモンスターが多い第8階層あたりでいいな。レベル80程度のモンスターになら、囲まれても脱出は容易だ)


マジック・ポータルを通って、第8階層まで飛ぶ。

15階層まであるダンジョンは、第12階層までが既に踏破されている。俺が行けるのは……いや、冒険者たちが多大の犠牲を出して踏破できたのは、第12階層までだった。


(探知スキル発動……〈大豪商の貪欲眼Ⅳ〉、〈商人の計算天秤Ⅳ〉。……やはり便利だなこのスキルは。〈純魔金のゴーレム〉が6体。倒せれば10万セトゥリオン。慎ましく暮らせば2年は暮らせるか)


第8階層にまで降りる。

他には誰いない。……ある意味当然だ。現時点で最強のパーティであるイルムたちさえ第6階層より下には降りられない。自慢する気も驕る気もないが、こんな場所に来れるのは俺だけだ。


(…………行くか)


階層内は、第7階層までの石造りの壁ではなく目が眩むような黄金色で彩られている。床は石畳ではなく、

宝石で出来たタイルだ。

……もっとも、これらは全てダンジョンの魔力で編まれた偽り。

引っ剥がすことは叶わない。


「〈破鋼追葬Ⅳ〉! 〈爆鎖の刃Ⅳ〉! 〈斬撃強化Ⅳ:連撃〉、〈致命の傷Ⅳ〉! 〈生命可視化Ⅳ〉!さぁこいゴーレムども。膾切りにしてやる」


探知スキルで実入りの良いモンスターがいる玄室を探し出す。

〈純魔金のゴーレム〉が6体。

〈生命可視化Ⅳ〉スキルで表示したHPはそれぞれ5000きっかり。

その名の通り、魔力を帯びた金塊のゴーレムだ。レベルは80から86の間。

スキルを発動しながら、短剣を構えて玄室へと入る。


「遅いっ!! 1体目! 2体目!」


ゴーレムたちがこちらに気付き、殺到する。見てくれの通り知恵はない。ただ暴れまわり拳を振り回すだけの木偶だ。

だが、油断はしない。

跳躍スキルの〈八艘跳躍Ⅳ〉を足先で発動し、ゴーレムたちを蹴りながら短剣を振るう。


「もらった!!ーーー5体目!!」


レベル差ボーナスと鉱物系モンスターへの特攻状態、爆散魔法を付与した切っ先の連撃で、ゴーレムたちを破壊していく。

連撃を叩き込むと、5000と表示されていたHPは大きく減り、0になる。柘榴のごとく爆散し崩折れていった。


(1体につき12秒。………1年で鈍ったな、俺も)


72秒。

1分と12秒でゴーレムたちを殲滅した。崩折れたゴーレムたちが消滅すると、確定ドロップの金塊へと変わる。宝箱も幾つか出てきたが、別にいらない。


「宝箱の中身は………〈女神の慈涙〉か」


HPを全回復し、基礎的な状態異常。

毒・麻痺・火傷・盲目・昏睡・混乱を解除してくれる代物。

補助スキルがある俺には必要ない。

と、いうより“使えない”のだ、そもそもが。


「……シェリンにでも渡しておくか。ギルドで管理してもらえば………」


一つのジョブを極めると、そのジョブ固有の強力なスキルが開放される。

アサシンの俺が持つ固有スキルは〈孤影に潜む者〉。最大レベルであるⅣまで鍛えてある。


「ん? こっちの宝箱は………〈退魔の五芒結晶〉が6個か。……モンスター避けのアイテムだな。……要らん」


効果は自身の『単独』でいる場合、スキルレベルに応じてレベルが10ずつ加算されるというものだ。


加えて各種補助スキルや自己回復魔法スキルに限り、〈孤影に潜む者〉のスキルレベルと同等のスキルレベルまで習得できる。

自動回復スキルと耐状態異常スキルも兼ねるので、基本的にダメージは受けて無いようなものだ。


習得したスキルは、あらゆる無効化スキルや魔法・トラップの効果を受けないというおまけ付き。


「全部で……〈女神の慈涙〉8個と〈退魔の五芒結晶〉10個に……〈炎王のロングソードⅢ〉が1振りか。ロングソードは特に要らん……装備できないしな」


とはいえ欠点もある。

他のジョブもそうだが、冒険者のジョブは元々何かしらの宗派や思想を持った一派から生まれている。

回復士や僧侶が良い例だ。


……アサシンのジョブは本来、単独であらゆる敵を殲滅する一騎当千の戦士を作り出すために、とある秘儀教団が考え出したジョブが始まりだ。代償も大きい。


教団の戒律をベースとして、自分の持つスキルやレベルなどを他人に開示できないという制約にはじまり、

回復アイテムなどを受け付けない、他者を回復するスキルを習得できない等の不便がある。


……特にこの〈孤影に潜む者〉を習得してしまうと、パーティメンバーの人数に応じてレベルが10ずつ下がってしまうのだ。


短剣以外のあらゆる武器も装備不可能。素手で戦うか短剣を振るうしかない。


………端的にわかりやすく言えば。


「うん、経験値も入ったか。雀の涙だが」


ーーー俺は、『ソロ』の方が全力を出せる。むしろソロじゃないと弱体化してしまうのだ。

スキルの効果を含めた本来の俺のレベルは140。


イルムたちとパーティを組んでいた時は、逆にレベルが70まで落ちていた。多分、パーティを組んでいた状態の俺では先程のゴーレムにも手こずる。

一体につき50秒は掛かるだろう。


(帰るか。換金屋が締まる前に換金しないと)


……ともあれ、当面の生活費を稼ぐという目的は達成できた。


マジック・ポータルを通ってギルドへと戻ると、シェリンが駆け寄ってくる。心配そうな……今にも泣き出しそうな不安げな顔だ。


「アルマさんっ!! よ、よかったぁ………! 無事に帰ってこれて……!! 痛い所ありませんか!? お怪我は!? 傷薬……は無効化されちゃうでしたね……えっと…えっと………」


落ち着け。

頼むから落ち着いてくれ、周りの視線が痛い。そもそなんで俺が大怪我を負って帰る前提なんだ。


「怪我はない。かすり傷一つも負っていないよ俺は。落ち着けシェリン」


「はぁー……落ち着けって言われたってそりゃ焦りますよ。ジョブスキルのせいでレベルが見れないし。

一人で潜るし……いくらアルマさんが『掃滅戦の英雄』だからってーーー」


「その話はやめてくれ」


そう言って、後悔する。


「あっ……ご、こめんなさい……私、その……そんなつもりじゃ………」


自分でも言葉尻が鋭くなっていたことが感じられた。

……声を荒げるつもりはなかった。


「…………いや、すまない。……それより、これをギルドに預けたい。欲しがっている奴がいればあげてくれ」


話を無理矢理に逸して、ドロップアイテムをギルドのカウンターに置く。〈女神の慈涙〉と〈退魔の五芒結晶〉。

あとは〈炎王のロングソードⅢ〉を一振り。


「なっ………なな………なぁ……っ!? ふぁ………ぁぁっ……あがっ!?」


シェリンの目が白黒しながら泳ぎだす。可愛らしい顔が台無しだ。

女の子がしてはいけない表情をしているぞ、シェリン。

頼むからその顔をやめてくれ。


「シェリン、落ち着け。今日の君は落ち着きが特に無いぞ」


「お、おち……おちおち………落ち着けるわけ無いでしょうが!! こ、こ、こ、これ〈女神の慈涙〉じゃないですか!? 回復ポーションの総本山!! 奇跡管理教会でも1年に数本しか造れない超貴重品ですよこれ!?」


「そうか」


そうか、としか言えない。

凄いのは何となく察せるが、俺には使えないのだ。有り難みが良くわからん。


「そんな薄い反応しちゃ駄目ですよ!? しかも〈退魔の五芒結晶〉まで!? これ王国管理下の魔鉱石からしか出ない超々貴重品ですよ!? それが10個!? なにやってるんですか!?」


なんで怒られているんだ俺は。

さすがに理不尽が過ぎる。一応これでも傷心の身なのだが。


「お、おい……。 あのアルマさんがとんでも無いものを持って帰ったらしいぞ」

「……イルムたちにヘコヘコしてたけど、『掃滅戦の英雄』は伊達じゃないってことか……?」

「実は思った以上にとんでもねぇお人なんじゃ……」

「さすがは『英雄』ってとこか……!」


「…………っ」


居心地が悪くなってきた。

もうギルドから出よう。


「シェリンっ!!」


「〈炎王のロングソードⅢ〉!? こんなの王族所蔵の宝物級ーーーむぐっ!? ふぁひふふんふぇふふぁ!?」


シェリンの唇に人差し指を当てて、一旦黙らせる。

君は騒ぎすぎた。


「静かにしてくれ、そして頼むから落ち着いてくれ。いいか、騒ぐな黙ってくれ。……これらは全部ギルドに預ける。欲しがっている奴がいればくれてやれ。いなければ売るなり捨てるなり寄贈するなり好きにしてくれ。………俺は帰る。帰って晩飯を食って寝る。わかったな? ……オーケー……?」


少し語気を強めた。


「ふぁ、ふぁかひふぁひは……ぷはぁっ……! ……はぁ……す、すみません。一応ベテランですけど、私こんなとんでも無いドロップ・アイテムを見たの初めてで……すみません」


「いや、いい。急に口をふさいで悪かった。それじゃあ俺は行く。じゃあな」


周りの目から逃げるように、俺はギルドを後にした。

……『英雄』、『英雄』と。

……呼ばれるのは御免だ。聞きたくない。



ギルドを後にして向かうのは、路地裏にある安宿。

固いベッドに質の悪い毛布。

掃除が行き届かない、微かに埃っぽい部屋。

安宿の中でも最低レベルの場所だが、俺はこの宿が気に入っている。


「おう、アルマか。聞いたぜ、おめぇパーティからほぅっぽり出されたってな。あんないけ好かねぇガキッタレ3匹に振り回されて馬鹿かオメェは」


宿のカウンターにて。

訛の強い白髪の老人が、黄ばんだ新聞紙を読みながらパイプを吹かしている。この安宿の親父さんだ。


「悪いのは口うるさく言い過ぎた俺だよ。……あの人のようにはなれんらしい。……それとその新聞、何ヶ月前のだよ。黄ばんでるじゃないか」


「うるせぇな、いつの新聞読んでようが勝手だろうがよ。

……死人と比べて何になるってんだバカバカしい」


ぶっきらぼうな物言いの頑固者ではあるが、駆け出しで金がなかった頃に親父さん夫婦には世話になった。


「ガキッタレなんて呼ぶけどな。

あの3人、筋はいい。……腐らずもう少し真面目にダンジョン踏破に向き合えば……本当に勇者パーティにだってなれるさ」


「性根が腐りきったガキッタレが勇者? そんなもんに救われるくらいなら、俺ぁとっととモンスターにでも食われて、女房がいる墓に入るぜ。

………俺に言わせりゃな、最近の冒険者どもは気骨がない。掃滅戦から7年! 日銭稼いで満足な弱腰どもばっかりじゃねぇか!」


苛立たしげにパイプの煙を吐き捨てて、親父さんが新聞紙をくしゃりと曲げる。

安っぽい煙が漂いながら消えていく。


「………ちぇっ、年寄りになると話が長くなっていけねぇや。

………で、金は? 無一文にもなったって噂だが。無いんだったら向こう3日分くらいはツケにしてやってもいい」


「いや、金はないが現物で。換金屋が今日は閉まっててさ」


〈純魔金のゴーレム〉からドロップした金塊を、カウンターに置いた。

ミシミシ……と嫌な音がしたが、幸いにもカウンターは壊れずに済んだ。


「オメェ……馬鹿たれ!! カウンターがにヒビ入ったろうが!! あーぁ買い替えだよまったく!! ……ちょっとまってろスキルで計算する………〈商人の計算天秤Ⅱ〉っと……えーと……だいたい3年分か。……オメェ3年もここに居座る気か」


「飯代もいれれば2年分だ。……部屋、2年くらい借りるぞ」


「こんな宿に2年も1人で居座るくらいなら、嫁さんでも探して暮らせよバカバカしい」


「明日は丸一日起こさないでくれ、寝る」


返事はしない。

嫁さん云々は無視する。

異性に興味がないわけじゃないが、所帯を持った自分が想像できない。


「けっ……頼まれたって起こさねぇよ。一生寝てろや」


鍵を受け取って、俺は部屋へと向かう。ベッドサイドにある質の低い魔力ランプに触れると、薄暗い部屋がぼんやりと明るくなった。

シャワーを浴びたら、着替えてベッドに身体を投げる。


(……………)


そのまま、眠りについた。



夢を見ていた。

真っ暗な場所に、俺は一人立っていた。眼の前になにか、ぼんやりとした光が見える。


『アルマ………に…………』


声がした。

光に向かって走り出す。

走っても走っても……追いつけない。


『アルマ……………て…』


聞き慣れた声だった。

いや、違う。

……また聞きたいと焦がれる人の声だった。

追いつけない。どこまでも走っていく。


「待ってくれ……!」


手を伸ばす。

空を切って、何もつかめない。

光が消えていく。

声もゆっくりと……遠くなる。

最後に聞こえたのは。


『アルマ、逃げて』


脳髄にこびり付いて離れない、『呪い』だ。



「…………っ!?」


呼吸を整える。

何度も浅く、深く息を吸い肩を喘がせた。額に浮かんだ汗粒を乱雑に拭う。カーテン越しに見える空はまだ少し赤黒く、夕暮れ半歩前だと理解できた。


「いやな夢だ……はぁ………」


頭を掻き上げて、首を何度か振る。

短い夢ではあったが、悪夢には違いない。最悪の寝覚めだ。

寝直す気にもなれないが、このまま起きるには気力が足りない。


(………装備品でも拭くか)


冒険者向けの宿屋を騙るだけはある。鎧や武器を拭くための油と布巾を取り出す。

油を布巾に軽く染み込まて、鎧の表面を磨いていく。アサシンが身につけられる、軽く靭やかな軽鎧。

黒く染めたのは、俺の趣味だ。

顔を覆うフード型の頭装備は、とあるモンスターからのドロップ品。

軽鎧は、初めて狩ったドラゴン系モンスターの鞣革製。こちらも色は統一してある。


(10年、か)


13の時に故郷を飛び出して、冒険者になってから10年。

気がつけばこんな事になっていた。

人生、何が起こるかわからかい。

………一寸先は闇、か。


(………ん?)


手を止める。

何やら外が騒がしい。ドタドタと忙しない音に混じって、剣か鎧の金具が擦れ合う音もした。

………何か……きな臭い。

まさか、強盗?

食うに困った冒険者が宿屋を襲うという話は聞いたことがある。


短剣を一本構えて、ドアのスコープ越しから外を覗いた。そのまま探知スキルを使おうとした、その瞬間。


『おいアルマ!! 聞こえるかバカタレ!! 寝てたら起きろ!! 早く!!』


親父さんの声がした。

ドアが激しくノックされる。

何なんだいったい?


「どうした、ボロいドアだ。そんなに激しく叩いたら壊れるぞ」


「ボロくて悪かったなうるせぇなぁ!! ……って違ぇ!! テメェと問答してる暇は無ぇんだよ!! ………剣士さんよぉ、コイツがアルマだ!!」


「シェリンに……君は……? ………!?」


親父さんの後ろにいたのは、シェリンともう一人。剣士が立っていた。イルムではない。


雰囲気からして、20に届くか届かないかの青年だろうか。

男性にしては少し小柄だがすらりと背筋が良い。鎧に覆われてなお靭やかな四肢と分かる。

顔は中性的な顔立ちだ。ともすれば朧気な美少女にも見える。


「せめて応急処置をと言ったんですけど……どうしてもアルマさんに会うって聞かなくて……カイさん、しっかりしてください!」


「待ってろ、いま回復士を呼んでくるからよ! ………おい、腐れ回復士!! ツケ払わねぇんならせめてこの剣士を回復してやれ!! 出てこいおいっ!!」


しかし、そんな顔立ちのことも気にならなくなるような大怪我を、剣士は負っていた。


「君! 何があったんだ………!」


「お、お願いします……! どうか……お願いです………!」


カイ、と呼ばれた剣士が俺の服を掴んできた。そのまま力なく膝を折る。肩に手を添えて、落ち着かせた。


「ゆっくりでいい、何があったか教えてくれ」


「ボクの……ボクのパーティメンバーが………皆が……跳ばされて……!! うっ………」


「しっかり……! 跳ばされたって……どの階層に潜った!! まさか……第9階層以降じゃないだろうな?」


震えた声でカイが言う。

パーティメンバーが跳ばされた。

……この一言で思い浮かぶのは、『バニッシュ・ホール』だ。

第9階層以降にのみ現れる、対象を下の階層のランダムな場所へと跳ばすトラップ。


「回復士連れてきたぞ!! さっさと回復してやれ!!」


「い、いでぇっ!? 叩かねぇでくだせぇよ親父さん! 回復スキル発動! 〈ルルドの清水Ⅱ〉!」


回復スキルが掛けられ、カイの傷が塞がっていく。幾分か楽になったのか、声に力が戻った。


「………ち、違います。ボクたちは第2階層で鍛錬をしていたんです。………そしたら、玄室で宝箱を見つけて………その宝箱を開けた瞬間………魔力が。……物凄い魔力が爆発して………ボクは叩きつけられて……他の皆は……居なくなって……!」


(第2階層でバニッシュ・ホールの宝箱? ………あり得ない。だが……それ以外にパーティメンバーを何処かへと転送する罠など聞いたことがない)


ダンジョンの階層ごとに、魔力の量は決まっている。

浅い階層ほど魔力が薄く、モンスターも弱々しいモノばかりだ。ましてやトラップ。

大容量の魔力を必要とするバニッシュ・ホールを生み出せるだけの魔力など、第2階層では発生し得ないのだ。


ーーー誰かが人為的に発生させでもしない限り。


「カイと言ったか。君はここで休むんだ。パーティメンバーは俺が探し出す」


「ま、待ってください! ボクも……! ボクも連れて行ってください!! パーティリーダーなのに……こんな………」


「……ならハッキリ言おう。

足手まといだ。俺に死体を連れて帰る趣味はない」


「………っ!? ………くっ……ぅぅっ………!」


カイの目から、涙が一滴零れ落ちる。悔しさからなのか、あるいは悲しさからなのか。俺には測りかねる。


だが。


「………カイ。戦力差を忘れて助けに向かおうのはパーティリーダーとしては0点だ。でも、仲間を助けたいという君の気概は。……パーティリーダーとしては100点だ。……必ず君のパーティメンバーを探し出す。約束しよう」


「……!………おねがい………しますっ……!!」


両肩を叩いて落ち着けた。

仲間を助けたいという気概は、気に入った。


「君のパーティメンバーの情報を俺に開示してくれ。それを元に探す!」


装備を整えて、俺はギルドへと走った。必ずカイのパーティメンバーを探し出してやる。

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