博多名物、屋台にて・・・

2時過ぎに博多に到着した。




「これから、宿泊されるホテルに向かいます。そこでチェックインをして、お荷物を置かれた後は、ご自由に博多を観光されますか?・・・」




「あっ!はい!その方がいいです!」





「わかりました!・・・屋台は、6時開店ですのでね!・・・すぐに満員になってしまいますので!・・・5時過ぎには向かうようにしましょう!」





チェックインのあと、泊まる部屋に向かい、大きな荷物を置き、やや軽装になって、ホテルを出た。




添乗員についていくように、二人は大濠公園や中洲などを観て回った。




最初は、大濠公園に・・・・




「かなり大きな池ね!」



初めて見た大濠池に、二人は驚いた、池では、ボートに乗るカップルや、餌を貰う水鳥などで、やや賑わっていた。





「この大濠池は、元々福岡城の外堀の一部だったんですよ!」




「福岡城???」




「ええ!ですから、すぐそちら側に福岡城址があります。舞鶴公園とも言いますよ!」




「へぇ!福岡城って有ったんですね。・・・それにしても、舞鶴って、京都の北側に舞鶴って有るのは知っていたけど!」



「あっ!そうでしたね!京都府に舞鶴市って有りますよね!・・・この観月橋を渡ってみますか?浮見堂まで行きましょうか?」




「浮見堂??」



二人は、疑問に思いながら、添乗員についていき、観月橋を渡り、浮見堂まで向かった。




佳代子は・・・



「あれっ?ここ、何か違う所での写真を見たこと有るような感じがするわ・・・たしか、ここじゃなく、外国で撮った写真を・・・」




「えっ!・・・あっ!そうですね!・・・おそらくそこは中国浙江省の杭州ですね!ここと同じような場所が中国の浙江省の西湖にもありますよ!・・・西湖モデル説もあるんですよ!」



「モデル・・・説?」



「ええ!この大濠公園は、中国の西湖を模して整備された・・・と言う説が広まってね!パンフレットにも紹介されていたそうですよ。・・・でも、『海外幾千の公園の実況を参考にし・・・』としか書かれてなくて、西湖をモデルにしたと言う記述は無いのですがね!」





「へえ!」





「あと!今はもう無いのですが、新婚旅行中だったマリリン・モンローとジョー・ディマジオがロイヤル中洲本店時代に立ち寄ったレストラン『花の木』も2013年5月31日まで園内で営業していたんですよ!」





「マリリン・モンローも来たんですね?」




「ええ!・・・あとは、この大濠公園と隣の舞鶴公園、それにここから少し行った所に有る西公園と共に春になると、花見客でかなり多くなります、花見の名所でもあります。・・・プロ野球、福岡ソフトバンクホークスの王貞治も福岡での生活が長かったので、大濠公園の桜を思い出すと言っていたそうですよ!」



そうこうしている内に、夕方の5時を向かえた。




「あっ!そろそろ、向かった方がいいですね!」




3人は、屋台の有る天神に向かい始めた。





天神に着いた後、すぐに屋台に入ることが出来た。



どうやら、添乗員が、大阪から来た2人のために特別に予約をしていたようだ。




「へい!いらっしゃい、お待ちしておりました!」





「清水さん、御二人さんをよろしく!」




添乗員は、屋台の主人に声をかけた。




「任せておくんなせぇ!・・・御二人さん、大阪からわざわざ!」



「えっ?清水」




佳代子は、聞き覚えの有る名前を聞いて、やや驚いた。




「それでは、私はこれで、また明日、朝8時に、ホテルのロビーで待ち合わせましょう・・・清水さん、御二人さんにフルコースを・・・」



添乗員は、そう言って別れた。



「御二人さん、お酒は飲みますか?」




「あっ!お酒はダメなので、お茶でもいいですか?」




「ああ!すいやせん!じゃあ、烏龍茶でもおだししますよ!」



「あっ!はい!お願いします!」





店員の清水は、2人に烏龍茶を出した、そして・・・。



「御二人さん、福岡は初めてですかい?」




「ええ!九州を訪れたの初めてです!」




「おお!今回は、どこへ行かれたんですかい?」




「田川炭鉱に行きまして、明日は太宰府天満宮に・・・」




「あっ!田川に・・、炭鉱に・・・御二人さん、炭鉱に興味有るんですか?・・・田川は、あっし(私)の故郷でも有るんでぃ!」




佳代子は、思いきって、店員の清水に、今までの体験を打ち明けた。



「あの~、この話、信じられないかと思われますが、・・・お母さん、あのお札を!」



佳代子に言われ、母親はあのお札を清水に見せた。



「おお!懐かしいお金だ、お嬢さん、このお札どこで手に入れたんでぃ?」





「私!不思議な体験をしてしまって!90年前の、田川炭鉱の街にタイムスリップ・・・こんな話、信じられませんよね!」




「ウ~ン!確かにタイムスリップだなんて、信じられねえよ、だが、お嬢さん、昔、田川炭鉱の銭湯で、番台をした、若い姉ちゃんにそっくりだ!」



それを聞いた佳代子はまた驚いた。




「えっ!あの!それって?」




「ウ~ン!あっし(私)の祖母が、その銭湯の番台をやっていてな、・・・たしか、聞いた話だと、昭和10・・・年、だったな、突然、若い女性が、タイムスリップしたとか、妙な事を言っていたそうで・・・、その若いの、お嬢さんそっくりだったようだ、あっしも写真を見たこと有ってな。・・・そのお嬢さんも、番頭の手伝いをしていた様なんだが・・・ところが、その炭鉱で大きな爆発事故が有ったんだが、そのお嬢さんも爆発事故に巻き込まれた様なんだが、その後、行方不明になってな、いまだに何の手がかりも獲られないようで・・・遺体すら見つからなくてな、何とも妙な話を祖母から聞かされたよ!」




それを聞いた佳代子は




「あの~!その、番台の女将さん、清水靖子さんじゃないですか?」




「えっ!お嬢さん、何でそれを?あっしの祖母は清水靖子なんだよ!ウヘ~お嬢さん何者かね!」




店員の清水は、驚いて・・





「こんなこと、あんまり信じたくないんだが、お嬢さん、あんたひょっとして、90年ほど前にタイムスリップして、あの炭鉱に行っていたのかね?・・、祖母から見せてもろうた写真の若い姉ちゃんにそっくりだ、だがそうだとしても、、とても信じられねぇよ!」




「は・・・はい!実は私が・・・自分自身とても信じられないんですが!」




「あんた!ひょっとして、佳代子さんじゃ?」





「ええ!佳代子です!」




「うひゃー!間違いねぇ!祖母の話、とても信じられなかったんだが、この古いお札、間違いなく祖母からあんたに渡したお札だよ!へえ!そんなこと有るもんだ!たしか、よく似た人がいて、間違えられたんじゃ?」





「あっ!はい、たしか、佳子さんと言う人にそっくりだと言われました!」




「おお!そうだ!佳子と言う人が居てあんたその人によく似ていたとか!・・・へぇー!そう言うこともあるもんだ、信じられねぇよ!・・・御二人さんは、いつ大阪に戻られるんですか?」




「明後日です、明日は太宰府天満宮に行って、もう1泊して、明後日大阪に・・・」



「おお!それだったら、明日も来ておくんなせぇ!見せたいものがあるんで、明日持ってくるぁ!明日も、予約席で空けておくんで!」




「あっ!はい!明日もこの時間帯に来ます!」




その後、清水は、もつ鍋から博多ラーメンなど2人に提供した。2人は約1時間半屋台の食卓を楽しんだ。最後は、明太子ご飯をいただき、店員の清水と翌日も訪れることを約束して別れ、ホテルに戻り、入浴後、すぐに就寝した。








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