石炭記念公園へ

少し歩いて、階段を上がると、オレンジ色の、クレーンのような鉄骨の塔が見えてきた、竪忼櫓だった、更には二本の煙突も見えた。・・・石炭記念公園に着いたのだ。




「ここが石炭記念公園です。足下をご覧いただくと、二本の煙突に月の巨大な絵が描かれてますよね!ここが炭鉱節発祥の場所ですのでね。・・・」




添乗員は二人に石炭記念公園についての、説明をし始めた。・・・佳代子は・・・!





「あっ!これ、パソコンのGoogleアースで見たのだわ!」




航空写真だと、二本の煙突と月の絵がはっきり見れたのだが、実際その場所に立ってみると、なかなか見れないものだ。




二人は、添乗員に導かれるように、二本の煙突が立っている方へ向かった。




「あの煙突は、旧三井田川鉱業所、第一・第二煙突ですね!・・・」



佳代子はこの煙突を見た瞬間、やや懐かしく感じた。・・・さらに今度は、オレンジ色の竪忼櫓等観て回って、炭抗夫之像まで来たとき・・・。




「あっ!鉄男さんと佳江さん?!」




佳代子は、そう思った!さらには、炭都遺産のオブジェのボタ山のすぐそばに、金色の文字で(炭鉱節発祥の地)と書かれた黒い石碑を見つけ・・・。




「ここで、炭鉱節が生まれたのね!」




添乗員の説明なども聞いて、そう思った。その後も公園内を散策しながら・・・、添乗員は・・・




「ここで、11月初めには炭坑節まつりが開催されてます!、かなりの盛り上がりでしたよ!」

と・・・



その後、田川市石炭・歴史博物館へ。




ホールまで添乗員に導かれ、入場料を払い、第1展示室へ、入り口手前には、LPレコードが展示されていた。おそらく、炭鉱節が収録されているのだろう!




中に入って行き、川ひらた、と言われる、舟の模型など見て回り、採炭ジオラマの前まで来たとき添乗員は・・・。




「昭和8年までは、女性も坑内で働いていたんですよ!」




それを聞いた佳代子は驚いた!





「昭和8年まで?・・・私がタイムスリップで行ったのは、たしか、・・昭和10年・・だったわ!」





佳代子は、あの時、親方に連れられ、炭鉱内の見学などをしたものの坑内までは「危ないから!」と言われ、見学できなかったのだが・・、ジオラマを観て、かなり驚いたようだ。




その後、館内から屋外に出ると、屋外展示場が・・坑内機関車や、坑内で使われていたであろう、様々な機材が展示されていた。



そこから、さらに奥の方に行ってみると、復元された炭坑住宅が・・・その時、佳代子は・・・。




「あっ?!」




かなり驚いた、タイムスリップしたとき、預けてもらった、鉄男と佳江の住宅にそっくりだと言うことに気づいたようだ。




「ここは!・・・鉄男さん!佳江さん!・・・」



やや懐かしく感じたようだ。佳代子は涙ぐんだ。



その後再び、館内に戻り、2階へ。




2階に上がると、第2展示室、第3展示室があった。




「こちら、第2展示室は、山本作兵衛のコレクションが展示されてますよ!」




添乗員が紹介するものの・・・





「山本!・・・・作兵衛・・?」




佳代子達は、やや疑問に思った、初めて聞いた名前だった。




「あっ!ご存知無いですか?・・・山本作兵衛は、この炭坑で働きながら、画家もやられていたんですよ!・・・作兵衛翁は、炭坑労働者として、自らの体験をもとにして、筑豊の炭坑の仕事と生活を描いて、記録画を多く残してます!」




「・・・へぇ~!」




佳代子達は、かなり納得したようだ、よく見ると、山本作兵衛翁が使っていた画材も展示されていた。さらには、作兵衛翁が描かれた記録画が展示されていた。




「いろんな、絵があるわね、これみんな、炭坑の様子なのね!」




・・・その後は、第3展示室へ、そこは、歴史博物館のようだ。





「あらっ!ここは、郷土博物館みたい!」




下伊田遺跡で発掘された弥生時代の土器や猫迫1号古墳で出土された、埴輪など展示されていた。

馬型の埴輪は、日本最古級だと言う!




佳代子達は、一通りの展示室を見て回り、最後に、バルコニーに出てみた。




そこからは、炭鉱節発祥地の碑やボタ山のオブジェ、炭鉱夫の像などが間近に見える感じだった。




そして、このバルコニーで添乗員は・・・





「いかがでしたか?初めて来られた石炭記念公園は、・・・」




佳代子は、やや懐かしく感じていたようだ!




「この後の御昼食は、どうされますか?」




「あっ!そうですね!もう軽く採る感じで・・・」




「それでしたら、(ふくみや)さんでいいですか?・・・ここから、歩いて10分位のとこですが!・・・ラーメンなど有りますよ、・・・ただ!2時半までしか営業しないんですがね!」




「あらっ!そうなんですか?」




「ええ!・・今・・・11時過ぎたばっかりですがね、11時半から開始ですから、今ぐらいから行けば、なんとか行けそうですかね!・・・」




「はあ!まあ!それでしたら!!」





「あっ!はい!わかりました!それでは案内しますよ!」




2人は、添乗員に導かれ、ふくみや・・と言われる食堂に向かった。・・・到着した、と同時に開店したようだ。




「よかった!まだ混んでいなかったわ!・・・どうぞ入ってください!」




「いらっしゃい!」




佳代子は・・・、






「見て・・・すごいコミック本ね!いろんな漫画がいっぱいあるわ!」





2人は、テーブルについた、茶色で木目調の、ややレトロな感じのテーブルで、椅子は2~3人掛けの長椅子で、・・・2人は並んで座った。




「何にしましょう。・・・・あっ!日替り定食があるわね、それにしましょ!」




この日の日替りは、豚カツ、サラダに味噌汁、ご飯が付いていた、佳代子は、やや懐かしく感じた。銭湯で、番頭の手伝いをした時も、やや似た昼食が出たこともあった。




昼食後、・・・




「この後は、もう博多に向かわれますよね・・!」




添乗員は2人に聞いた。




「はい!・・・博多に何か良いとこありますか?」




それを聞いた店の人が・・・




「お嬢さん、福岡は初めてですかね?・・・博多と言えば、屋台が有名たい!。中洲辺りの屋台に行ってみるといいたい!是非いってみてください!美味しいもんがいっぱいあるから・・・」




「あっ!はい!ありがとうございます!・・・御馳走様でした!」




3人は店員に軽く会釈して、店を出た、そして、田川伊田駅に向かい、列車に乗って小倉駅に戻っていった。・・・そこから、新幹線、(こだま)で博多に向かった。

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