7月13日・・・それは起きてしまった

翌日、7月13日、その日は土曜日だった。



佳代子がタイムスリップでこの街に来て4日目の朝が、この日、佳代子は、タイムスリップした時の衣装で・・・。





黒のハーフパンツに、グレーのTシャツで、鉄雄と家を出た。




手には、先日まで着ていた着物が風呂敷に入れて持っていた。





「佳代子ちゃん、女将さんに宜しく言っといてね、着物洗濯して貰って、お礼もね・・・」




佳江は佳代子に声をかけた。





「は・・はい!行ってきます!」




銭湯に着いた佳代子。



「おはようございます・・・あっ!スミマセン!お着物、持ってきました!」




佳代子は風呂敷を女将に渡した。




「あっ!はい!はい!・・・じゃ、洗っておくわ、・・・佳代子ちゃんその格好を見ると、本当に未来人なの?って思ってしまうわ!」




その後、番頭を交替して、昼まで勤め、いつもと同じ様に、掃除に昼食に、その後・・・



「お疲れ様です・・・!」



と言って、また、炭鉱の仕事場に向かった・・・のだが・・・



「うっ!くっ!臭い(くさい)、何この異様な臭い、昨日までの炭鉱の臭いじゃないわ!」




佳代子は、確実にこの臭いはおかしいと思い。・・・



「ハア!ハア!ハア!ハア!」




と息を切らしていた。そして、抗口の前まで来たとき・・・




「お・・おい!佳代子さん、どうしたんだ?顔色悪いぞ・・・大丈夫か?あまり入ると危ないよ・・・」




「あ!・・・お・・お・・親方・・・さん!・・・この臭い・・・おかしく・・・ないですか?・・・」





「ああ!たしかに異様な臭いだが、炭鉱ってこんなもんだよ!大丈夫だろ!」




「ええっ!でも!・・・おかしいです、・・・わ・・私・・・こ・・この臭いに・・・耐えられな・・・・!?」




その直後・・・




ドーーーーン!




抗口から凄まじい爆音と共に、火の玉が、・・・辺り一面、爆発を起こしてしまった。




佳代子はその爆風で吹き飛ばされ、叩きつけられ、気を失ってしまった。



・・・・・・




佳代子が気がついたとき、どうやら病院のベッドの上に寝かされていた・・・のだが。




「佳代子!、気がついたのね!よかった!」




「えっ!あっ!・・い・・いや!・・・ええっ!あ・・・あの・・・お・・・お母さん!?」




母親が心配そうな顔で佳代子に声をかけた、・・・どうやら現代に戻ったのだった。




佳代子はしばらく、ボーゼンとした状態だった。そこに、医師がやって来て・・・。




「佳代子さん、軽い熱中症でしたよ!・・・あまり無理をしないで下さい、今は猛暑が続いて、もう危険な暑さとも言われてます。今回はまだ軽い症状で済みましたが。とにかく無理をなさらず、クーラーは緩(ゆる)くでも良いから付けてください、・・・今日は、このまま帰宅しても良いですよ!」




佳代子は、時間を見た後、日付を聞いた、すると、部屋で倒れたその日だったと言う、時刻は、夕方の3時過ぎだった。・・・倒れてから4時間足らずだったのだ、しかも、服装も、黒のハーフパンツにグレイのTシャツ姿で・・・それを知った佳代子は。・・・



「全部、夢だったの?、あんなリアルな夢、初めてだ!」



と思った・・・のだが・・・




ポケットに手を入れてみると、中に、石炭らしき小さな小石らしき物に、古いお札が3枚入っていた。



「えっ!ウソ!・・・やっぱり夢じゃなかったんだ!」



古いお札は、番頭の報酬だった、3日分、3枚入っていた・・・




とにかく、佳代子はこの事は黙っていようと思った。言っても信じて貰えないと思ったからだ!




その後、佳代子は診察室に行き、軽く診察を受けて・・・




「うん!・・何も問題無さそうですので、そのままお帰り下さい。・・・・薬を出しておきますので、処方してくださいね!・・・また、何か気になることがあれば、御来院ください、いつでも相談にのりますから!」




「はい!・・・ありがとうございます!」




処方箋で薬を受け取った後、病院を出て、タクシーで帰ることに・・・。




約10分足らずで、家に到着、自分の部屋に入り、クーラーを微弱で付けて、カーテンを開けて、窓の外を見た。




蝉の声は、止んでいたが、そこには、いつもの、緑に囲まれた千島公園の昭和山が有った、元に戻っていたのだ!しかし、スリッパは無くなっていた。




佳代子は、古いお札と石炭だろう小石の欠片をを机の上に置き、椅子に座り、しばらくボーゼンとしていた。



未だに信じられないと思っていた、しかし、現実に、お札が有ったのだ・・・。


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