新たな生活が始まった・・・のだが!

佳代子がタイムスリップした翌日、佳代子は、この日が、昭和10年7月11日、木曜日だと知った。




タイムスリップしたときが、前日の7月10日だったと言う。



ここに来る前、現代だったときは、梅雨も明け、夏休みに入っていた7月末だったはずだが・・・。




なぜ、7月10日だったのか、佳代子にも知る予知もなかった。




・・・・・



そんな中、佳代子は、鉄雄と一緒に炭鉱場へ、鉄雄の出勤に付いて来た、・・・その時・・。




「えっ?よ・・・佳子ちゃん?・・・嘘でしょ!」



仕事場に到着の直前、ある女性から声をかけられた。



「はい?」



佳代子は少し驚いた!そして。



「ど・・・どなたですか?」




すると鉄雄は。



「ああ!ゆうべ、銭湯に言っただろう、その番頭さんだ!」




「あっ!」




鉄雄は、番頭の女性に話をした。



「信じられねえと思うが、彼女は佳子ではなく、未来から来た、佳代子さんだ!」



「はあ?・・何???・・み・・・未来から?何それ?・・・!それにしても、あなた、喘息なの?息が荒くて、辛そうよ!」





「ああ!大丈夫のようだ!やっこさん、この炭鉱の臭いが駄目のようだが、まあ!そのうちに慣れてくるだろうよ!・・・とにかく!仕事場に行くばい!」



鉄雄が言うと・・・。




「ちょっと!、鉄・・・その子、どうするんだい?あんなとこへ行ったら、もっと苦しいんじゃないんかい?・・・そうだ、か・・・佳代子ちゃんって言ったね、あんた!うちの番頭してくれんかね?」




「えっ!?」




佳代子は驚いたが!・・・鉄雄は




「おお!そいつは良いかもな!、佳代子さんよ、それだったら、まだマシなんじゃないのか?」




「じゃあ!この子、連れていくよ!・・・鉄・・・仕事、気いつけて、行ってらっしゃい!」




番頭の女将さんは、そう言って、佳代子を銭湯に連れていった!鉄雄も、炭鉱の方へ出勤した。



銭湯は、夜勤上りの若い鉱夫達が、入浴していた・・・。女将の替わりに番頭していた男性は・・・




「おう!何だい?若い姉ちゃん連れてきて・・・あれ?姉ちゃん、佳子ちゃん??・・・いや!そんな訳無いよな、佳子ちゃん、半年前に死んじゃったからな!」




「この子は、佳子ちゃんじゃないよ!佳代子ちゃんだって!・・・よく分からないんだけどさ、未来から来た・・・とか、言ってたんだけど、意味分からないよ、たけど、この子は佳子ちゃんに似ているからね、鉄もビックリしてたよ、今、鉄の家で預かることとなってるんだって!・・・本当、何が起きるか分からないね!」




女将が言うと・・・。



「ほう!こりゃ不思議な事だよ!佳代子ちゃんか・・・宜しくな!」





「あっ!、は・・はい!・・宜しくお願いします!」




佳代子が頭を下げた後、入浴していた、夜勤上りの若い鉱夫達が、次々と出てきて・・・。




「あっ!あれっ!佳子ちゃん?信じられない!・・・戻って来てくれたんだ!」




一人が、佳代子に近づいて、声をかけた、佳代子は、あたふたしていた、そこに・・・




「こーら!その子に手を出すんじゃないよ。この子は、佳子ちゃんじゃなく、佳代子ちゃんだよ!・・うちの看板娘になって貰うんだから。・・・あんた達、入浴済ませたんだったら、早く帰って寝な!今夜も夜業だろ!寝不足は、事故の元だよ!」



女将が若い鉱夫達に怒鳴るように言った。




「いいじゃないか!ちょっとぐらい、まあ!いいや、早く帰って寝よ寝よ!・・・佳代子ちゃんだったっけ、また明日ね!」






そう言って、若い鉱夫達は、衣服を着て、家路に帰っていった。




「佳代子ちゃん、気にしないで・・・炭鉱の街の人って、こんなんばかりだけどね、あまり気にしすぎると、病気になっちゃうよ、・・・佳子ちゃんも、そうだったんだから!・・・何を言われても、聞き流したらいいからね!」




「は・・・はあ!」



佳代子は、とりあえず返事をした。




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