家に招かれた佳代子
作業場から、徒歩で約10分足らずの所に有る自宅に到着した二人。
佳代子は、まだ、息が荒々しかった。
「おーい!今帰ったぞ!」
「は~い!」
家の中から返事が有り、奥さんらしき女性が出てきた・・・そして、佳代子を見て驚いた。
しかし、佳代子もその女性を見て驚いた・・・実は、自分の部屋で倒れる前に、幽霊のように部屋に現れた女性に似ていたからだ。
「ええっ!嘘でしょ!あなた、佳子なの?」
女性は、佳代子に近づいて・・・。しかし男性は・・・。
「まあ!落ち着け!ワシもそう思ったんだがな!そんなわけ無いだろ、とにかく、佳代子さんよ、中に入って・・・あっ!そうだ!・・・とにかく、先に、一っ風呂浴びてくらぁ、・・・でねえと、佳代子さんに失礼だな、汗臭いだろ・・・佳代子さんも来るか?」
「・・・えっ!?」
佳代子は驚いた。
「ハハハ!心配せんでいいべ、ちゃんと、男湯・女湯に別れてるべ・・・あんたも、汗かいてやや気持ち悪いじゃろ?」
確かに、佳代子も自分の部屋で意識を失ったとき、汗だくになっていたのだが・・・。
佳代子の姿を見た女性は・・・。
「佳代子・・・さん?・・・そうね!あなたのその変わった衣装、黒っぽいわね!汚れているんだね。・・・一緒に入ってきな、話は、その後でじっくり聞かせて貰うわ。ちょっと入って待ってな、確か佳子の着ていた着物が有るから・・・ちょうど背丈も同じだろう」
そう言って、女性は、佳代子を家に招き入れ、着替えなどを用意した。・・・本当は、そう言う色をしていたショートパンツにTシャツだったが。
5分位後、佳代子に着替えやタオルを渡し、履き物も雪駄を履かせた、そして。
「はい!じゃあ、言ってらっしゃい、あんた!この子を頼んだよ!」
「ああ!じゃあ行くバイ!」
男性は、佳代子を連れて、すぐ近くの銭湯に向かった。
ほんのわずかで銭湯に着き、男性は佳代子の分まで、入湯料を払い、男湯へ。
「そっちが女湯だから・・・じゃあ、また後でな!」
そう言われると、佳代子は、女湯に入っていった。
・・・・約30分程で、佳代子は、風呂を出、渡された着物を着て、それまで着ていたショートパンツやTシャツを手に持って、銭湯を出た、そこには、男性が先に出ていて彼女を待っていた。
「スミマセン、お待たせしちゃって!」
佳代子が言うと・・・。
「おお!やっぱり佳子だ!・・・あっ!いや!本当に似ているから驚いたよ!・・・じゃあ、帰るか!」
そう言って、男性は佳代子を連れて帰宅した。家に着いた後、佳代子は、女性にもお礼を言った。
「お着物、ありがとうございます・・・」
それを聞いた女性は、涙ぐんで・・・。
「よ・・・佳子・・・帰ってきてくれた・・・ようだわ!」
男性は・・・
「ああ!本当に佳子そっくりだ、こんなことってあり得ないかと思ったよ・・・まあ!よし・・こ・・・いや!佳代子さん、家に入って、ゆっくりしな。・・・いろいろ聞きたいこともあるしな」
夫婦は、佳代子を招き入れた・・・。
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