第18話 違う、くれぐれもネタが切れたとか、そういうわけじゃないんだけど——……⁉︎
慎司視点……★
「いや、
「何すか、先輩」
「いや、ただの
雪世が崇の家に来て数日が過ぎたのだが、不思議なことに結婚式の中止の連絡は未だに来ない。もしかしたら
「本当にクズの極みだなー。これぞまさにご祝儀泥棒」
「ご祝儀って三千円じゃダメなんですか? やっぱりコース料理くらいは包まないといけないんですか?」
意外と鬼畜だね、千華ちゃん!
とはいえ、ホテルでの披露宴ならともかく、レストランを貸し切ってのアットホームな結婚式だから、三千円でも元は取れる可能性はあるが。
その場合って、ちゃんと引き出物を用意してくれるのだろうか? ポテトや唐揚げとかフライものに三万円は涙が出そうだ。
「……永吉達って、知人を何だと思っているんだろうな? 単なる金ヅル? それとも自分達の自己肯定感を保つ下民?」
「げ、下民って。自分達を何様だと思っているんですか……マジで引くわ」
しかし、その可能性は大だ。
そう、あの日から俺は羽織ちゃんと透子さんと一緒にサイトについて調べ尽くしたのだ。
それはそれは……もう人間不信に陥るくらい酷い実態が繰り広げられていた。
「この実態は色んな人に見てもらいたいよなー。さぁて、どうなるかなー」
元々動画編集などクリエイティブな分野が得意な透子さんは、この盛大な復讐劇に一役買ってくれたのだが、問題はどんなふうに仕上がっているのか、全てベールに包まれていることなのだ。
(俺も大概だけど、透子さんもぶっ飛んでるからねー。っていうか、俺らが働いていたバイト先のメンバーって変な奴しかいないねー)
店長の採用基準が気になるわ。
今、その店に行ってみたら奇人だらけなんじゃないだろうか?
「っていうかさー、そもそも昔のバイト仲間に結婚式の招待状を送るとか、よっぽど友達がいなかったのかなー? それとも分かりやすくマウントを取れたのが俺たちだったんかな?」
「さぁ、どうなんでしょうね……。少しでも多くのご祝儀を回収したかっただけなんじゃないですか?」
「あ、そのことなんだけど、慎司さんや崇さんが呼ばれたのは二次会的な披露宴で、正式なのはホテルでするそうよ?」
——は? 待て待て、アイツ……!
何を考えているんだ⁉︎
思わず羽織ちゃんの言葉に声を荒げてしまった。
「あれ、知らなかった? 親族や親しい友達、会社の人達を集めた披露宴はホテルで行って、他のメンバーは二次会っぽいところで行うらしいよ?」
「だからキャンセル料がすごいって言ったんだよ?」
羽織ちゃんに続いて千華ちゃんまで追い討ちを掛けてくる。もうダメだ、それは披露宴じゃない。二次会って言うんだよ。
「いや、でももらった招待状には……ちゃんと披露宴って」
「あのクズ達のことだ。大いにあり得る。くそ、そんなことならご祝儀はまじで三千円でいいかもしれないな!」
っていうか、本気で別れないのだろうか?
払いたくない! もう本当に行きたくない!
こんな復讐計画を立てていなければ、絶対に欠席するのに。
あー、イライラが止まらない。
一体誰だ、こんな計画を企てたのは⁉︎
——あ、俺だ。
「それにしてもどうなりますかね……。俺、このまま永吉先輩が諦めるとは思えないんですけど」
ポロッと溢した心配事に、俺は静かに目を瞑って崇の肩を叩いた。
「——崇、それ以上言うな。フラグが立っちまう」
崇は「ゲッ……」って顔で青ざめたが、もう遅い。何もかも遅かった。
———……★
中村「すいません! 慎司先輩の言う通り、ネタ切れ……? いや、間に合わなかったでした💦 永吉にザマァする前に日常回を挟もうと思っていたけど、浮かびませんでした(スライディング土下座)」
慎司「ほらね、やっぱりね! 俺の予想通り!」
5月28日付、★ありがとうございます!
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