ピナ先生の魔法教室
「ピナ先生の楽しい魔法教室。今回の生徒はスライムに負けたキングオブ雑魚の志木夏君です!はい、拍手。」
急に始まった魔法教室と言う名のただの俺をからかう授業が。
そしてなんでこんなに楽しそうなんだ?ピナは?
「えへへ、安心してちゃんと魔法は教えるからね。雑魚ナツ君!」
「・・・クソ、何にも言えない。」
最弱モンスターのスライムに威勢よく挑み、惨敗したのは俺だ。
今の状態では何も言い返す事が出来ない。
絶対に魔法を覚えてスライムとのリベンジマッチに勝って。ピナを絶対に見返してやる。
その為にはこのバカうざいピナ先生の有難い魔法教室を受けるしかない。
今は辛抱の時だ・・・
「よし、じゃあ少し真剣に授業を始めるわ」
「よろしくお願いします」
「じゃあ、まずはナツのステータスを見ようね。」
「ステータス?」
ステータス、意味は社会的地位。身分。
よくゲームなどで聞く言葉だ。
「ステータス?なんだステータスオープンとか叫べば俺にしか見えない、ウィンドウ画面が見えたりするのか?」
「はい?何言ってるの?」
ピナが呆れた様子でこちらを見て来る。俺何か間違った事言ったのか?
「え、でも・・ゲームとかなら」
「はぁ、・・・ナツ、リアルとフィクションを一緒にしちゃだめよ?」
「はい?」
「ナツがこの世界をどう思ってるか分からないけど、あまりゲームと一緒にしないでほしいわ。・・・もっと現実を見ましょうね。」
なんだろう・・ピナは正しい事を言っているのはずだけど、なぜか納得できない。
こんだけ魔法、ステータス、魔王、とフィクション的な事ばかり言っておいて、その言い方は納得できない。
「ステータスは、私が独自に作ったオリジナル魔法を使わないと見れないの。」
「オリジナル?ピナの?」
「そうそう、鑑定魔法ってのがあって、私がそれを応用して人の魔力と属性適性を数値化して紙に表示する魔法よ、・・・ちょっと待ってね。適当な紙を異空間から出すから。」
「異空間?属性適性?待て待て、話しが速すぎて付いて行けないんだが。」
「あぁ~、そうね、一つずつ説明したいけど、全部説明したら切りがないから、今は異空間収納の説明をするわね。属性適性はステータスを見た時に説明するから。
異空間収納・・これも私のオリジナル魔法でね。言葉のままだけど異空間に荷物を収納する便利な魔法よ。」
ピナは俺に実際のに魔法を見せる様に異空間とこの世界を繋ぐゲートを作り出し異空間から白紙の紙を出す。
「じゃあ、ナツのステータスを見ていくは。今回は魔法に関するステータスのみを表記するわね。」
「おぉ、よろしく頼む。」
ピナが俺ね前に立ち。目を瞑る
「
ピナの青い瞳がヒカリ輝く。
まるで宝石のサファイヤの様に綺麗で我を忘れて見入る。
俺を数秒見続けたピナは異空間から取り出した白紙の紙に手をかざす。すると白紙の紙に文字の様な物が徐々に浮かび上がる。
十秒ほどで印字が完了した。
出来上がった紙をピナは俺に渡してくる。
「はい、ナツのステータスね!最後に私のコメントも書いたから読んでね」
「・・・コメントって、嫌な予感がする」
俺は渡された紙に目を通す。
分かりやすい様に平均値も記載してくれていた。
意外と律儀だよな。
―――――――
志木 ナツ (17)
レベル 1
(基本魔法)
魔力 :53 (平均 315)
魔法攻撃力:4 (平均 056)
魔法防御力:450(平均 123)
(属性魔法適性数)
炎魔法:100/23 (平均100/80)
水魔法:100/03 (平均100/59)
草魔法:100/0 (平均100/45)
岩魔法:100/11 (平均100/54)
氷魔法;100/0 (平均100/10)
変化形魔法;適正なし(平均 適性あり)
~ピナからのコメント~
魔法に対する防御が他人よりも高い以外は雑魚です。
もっと頑張りましょう。
―――――
「・・・俺、弱くね?」
「うん、クソ雑魚ね!」
「ピナがわざと書いたわけじゃないよな。」
「うん、アリのままの雑魚ステータスよ」
俺は絶望した。
色々とツッコム事は多いが一番ツッコミたいのは【魔法攻撃力】
何だよ!4って!
死ねって意味かよ?
しかも属性魔法適性数も全部平均値より下だし。
使えない属性もあるし・・これ詰んでない?
「こんな雑魚ステータス初めて見たわ。差はあっても普通はみんな全属性使えるって言うのにナツが使える属性魔法は火、水、岩の三種類。しかも全部平均値以下。」
「これって、俺、魔法の特訓する必要あるか?」
「あるわ、レベル1の状態でこの数値でもレベルが上がれば自然とステータスも上がるわ。だから魔法の訓練もしましょう!」
ピナが珍しく励ましてくれた。
その行為が哀れみの様で逆に俺の気持ちを落とす事にる。
でも気を落としても前に進めないので今はとりあえず前を向く事にしよう
「落ち込んでも何も変わらないし、とりあえず今はピナの言葉を信じてみるよ」
「おぉ、ナツいいね。その調子よ!!」
「ちなみにピナの魔法ステータスはどうなんだ?」
「あっ!見たい?仕方ない、特別に見せてあげる!」
ピナが異空間から一枚の紙を得意げに取り出した。
先程の何も書いていない白い紙とは違い何か文字が綴られていた。
そこにはこう記されている。
―――――――
ピナ (3)
(基本魔法)
魔力 :5892 (平均 315)
魔法攻撃力:3463 (平均 056)
魔法防御力:1240 (平均 123)
(属性魔法適性数)
炎魔法:100/100 (平均100/80)
水魔法:100/100 (平均100/59)
草魔法:100/100 (平均100/45)
岩魔法:100/100 (平均100/54)
氷魔法;100/100 (平均100/10)
変化形魔法;適正あり
~自分からのコメント~
私、最強!!魔法の天才!!イェーイ!!!
―――――
・・・ムカつく!
話しの流からピナの魔法ステータスが高いのは理解してたがなんだこの数値は!
魔力5892って・・・俺の100倍以上じゃねぇーか!
しかも属性魔法適性数が全部100って、マジでムカつく!
そして一番のムカつきポイントはこの自分からのコメント。
なにがイェーイだ?こっちはブーイングを送りたい気分だよ。
だが・・それよりもだ。
「ピナってまだ3歳なのか?」
「そうよ?それが?」
あぁ、だからピナはこんなにガキなんだな。
三歳かぁ・・・なら仕方ない。
今後はお兄さんとしてピナの人を下に見る行動も大目に見て許してあげよう。
「考えている事、聴こえてるわよ。」
「勝手に聴くなよ。」
「言っとくけど、妖精は大人、子供の定義が無いの。だからどれだけ年を重ねようが私は変わらないの妖精族は生まれながらにして精神は成長しているの。だから私はずっとこれよ!」
「そうなのか?じゃあ、100歳になってもクソガキのままか?」
「クソ・・・言っとくけど私の口車に乗るナツも結構ガキよ。」
「せっかく、年下だから優しく接してやろうと思っていたのに、やっぱり一度、俺の怖さを分からせる必要があるか?」
「あはは、怖さって。魔法の一つでも打てるようになってから言いなさい。」
「それもそうだな」
「脱線したけど魔法ステータスも分かった事だし、さっそく魔法の授業を始めるよ。」
こうして、ピナ先生の魔法のレクチャーが始まったのだ。
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