敗北の味は水の味
「ごぎゃばあぁぁごぼぼぼあごぉぉぉ」
顔ににスライムが覆い被さる。水で出来たスライムに呼吸器官を塞がれているので呼吸も出来ずに溺れ苦しむ。
どれだけ暴れ回ってもスライムが離れる様子は無かった。
「あははは、完璧すぎるフラグ回収!あははは、お腹痛いぃぃ!」
ピナが俺の苦しんでいる姿を見て腹を抱えながら大笑いしていた。
そのまま腹が捩れて死しまえばいいのに。
その間も俺は死に物狂いにへばり付いているスライムを剥がそうと懸命に掴む・・・が水で出来たスライムを掴むことも出来るはずもなく全て無駄な行動に終わる。
しかしこのままでは本当に窒息死してしまう。
無駄な行動だとしても俺はやめる事が出来ない。
「あははは!!本当に面白いぃい!!あははは!笑いすぎて苦しいし。」
マジでいつまで笑ってるんだよ。こっちが死にそうになっているのに。
「だごぉぉずぇうげでべべぼぼぼぼ!!(たすけぇぇ!!)」
ピナに助けを求める水の中では普通な聞き取れるはずも無いのだがピナは心を読む事ができる。
だから、ピナは気づいてくれるはずだ。
「ひひっ!いゃ〜、久々に大笑いしたわ。ありがとうナツ!」
「ごぼおぉ(助けて下さい)」
「え?何ナツ?」
「ごばぁぼ(お願いします、助けて下さい、マジで限界)」
「ごっめ〜ん!なに、言ってるかわ分からない。」
「ごば!?(嘘つけぇ!?)」
あからさまに伝わってないフリをする。
多分ピナなりにおちょくって楽しんでいるんだろう。
こっちは冗談抜きで死にそうにしているのに。
スライムに急に飛びつかれ息を整える暇もなく呼吸器官を塞があれ息が出来ない。
こんな状況で長い間息が持つはずもなくあと、数秒で死ぬ所まで来ていた。
「うそうそ、助けて欲しいんでしょ。仕方ないわね!、今回だけ特別に助けてあげるから感謝しなさいよ。そして当分は私の事を様付けして崇めて貰うわよ。そして今後、永遠に私に舐めた態度を足らないことそれから・・・・」
「ごぼぉぉばぁぁ!(いいから早く助けろ)」
あぁ、やばい、
本当に死にそうだ。
「あとはね、足も舐めてもらうかしら、妖精の足を舐めれるなんて貴重な体験できるんだから感謝しなさいよ。ナツ。・・・・ナツ?」
「・・・」
ピナの目に入ったのはスライムに窒息して意識を失う俺の姿だった。
「ぎゃああ!!からかい過ぎたァァァ!!!
ピナの放つ魔法が俺の顔にへばりつくスライムに当たる。その瞬間スライムの体が弾け飛ぶ様に分解した。
「からの・・・ナツ、生き返れショットぉぉ」
「ごぶぉぉぉ」
ピナが俺の腹部に思いっきり体当たりをする。そのおがけで飲み込んだスライムに液体を体外に出し無事に息ができるようになった。
「ごぶっ、ごほっ。はぁ・・・はぁ・・マジで死んだと思った。」
「あの〜?、ナツ大丈夫?」
ピナが少し、申し訳無さそうにこちらを向く、流石に少しは罪悪感を感じていないる様子だ。
「なんで、すぐに助けてくれなかったんですか?ピナ様?」
「調子乗りましたすいません。あと、様付けは辞めて・・流石の私も罪悪感に押し潰されそうです。」
本当に申し訳なさそうにこちらを見てくる。
勝手に挑んで勝手に負けた俺を助けてくれた訳だし今回は許してあげよう。
「まぁ、助けてくれた訳だし。今回は許すよ」
「ナツゥ~!」
ピナがお仕置きを逃れた子供のようにこちらを見てくる。
「じゃあ、こんな悲劇をもう二度と起こさないようにしましょう。」
「誰のせいだと・・・まぁ、元凶は俺だけど」
「その為に今からナツには魔法特訓を受けてもらいます。」
「魔法特訓?」
こうして俺のスライムリベンジマッチの魔法特訓が始まったのだった
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