第23話 神話の力
バイスは待機場所に到着した、場所は広く既に様々なダンジョンモンスターが集まっていた。
待機場所には決戦の階層まで移動出来る『転移門』が設置された魔道具が幾つも並び、見上げる高さには何処かの映像が投影されていた。
バイスがそれがカオススライムを映し出している事に気が付いた、そしてダンジョンの精鋭と思われる多数のダンジョンモンスターが既に戦いを挑んでいた。
バイスたちが転移で難を逃れ、そして目覚めるまでの間、多くのダンジョンモンスターが戦っていたのだ。
モンスターたちが幾つの魔術を発動してカオススライムに攻撃を仕掛ける。
カオススライムもまた魔術で魔術を防ぎながら身体を鞭のように伸ばして攻撃をしていた。
モンスター側もカオススライムの攻撃を躱しながら戦うがカオススライムの魔術攻撃が激しくなると少しずつ攻撃を受け始める者が出始める。
カオススライムにやられたモンスターは吸収される前にダンジョンマスターの思わしき力で転移して戦場から姿を消した。
カオススライムにダメージを与えつつこれ以上のパワーアップをさせないようにしている事がバイスにも分かった。
「流石ダンジョンの全力だ、相手がカオススライムなんて詳細が全く分からない怪物を相手にしても全く怯まないね」
(むむっヤツはプニが倒してやるつもりなのに……)
プニはやる気満々の様子だ。
しばし戦いを観戦しているとエドリゴがカオススライムの戦いに参加した。
更に他にも幹部と思われる強力なモンスターたちが現れカオススライムに襲いかかる。
エドリゴの放つ巨大な火球の魔術や他の幹部モンスターが放つ稲妻の槍や真空波の斬撃がカオススライムの防御魔術に直撃して爆発を起こす。
カオススライムの魔術を破り続けて攻撃魔術が放たれる。
他にも魔術を使わなくても遠距離攻撃が出来るモンスターはそれでカオススライムに攻撃を仕掛けた。
無数の攻撃がカオススライムに当たりダメージを与える、するとカオススライムが更に強力な魔術で反撃してきた。
カオススライムの頭上に巨大な紫色の魔法陣が現れる。
その魔法陣から紫色の雷が幾つも放たれた、広範囲攻撃魔術で一度に多くのダンジョンモンスターが消し飛ばされる。
どうやら吸収しようとしても無駄だと理解したか、吸収出来ないならみんなまとめて消してしまおうって考えたね…。
バイスの考えは当たりだった。
これまでは吸収して自身の強化を優先していたカオススライムはそれを辞めて敵の殲滅を優先する。
それまで以上に苛烈が攻撃がダンジョンモンスターを襲い、次々と倒されていった。
モンスターたちが倒されていくとバイスとは違う後詰めのモンスター部隊が動き出した。
モンスターたちは『転移門』を通ってカオススライムがいる場所に向かった。
後詰めのモンスターたちが少しざわめく、カオススライムの強さが予想以上だったことと精鋭部隊が容易く蹴散らさせる様子を見てビビったのだ。
「オイオイっあんな化け物どうしろってんだよ…」
「本当に勝てるのか?」
「くそっ『魔王軍』の連中せいで…」
そんなモンスターたちの愚痴を聞くバイスも似たような感想だった。
そして後詰めが加わり更に戦闘は苛烈さを増していく。
バイスたちは固唾を吞んで見守るが次第にカオススライムに防戦一方となっていった。
「流石に神話の怪物か…」
(……プニたちなら勝てる)
「……プニ?」
プニは嘘ついたり、出来ない事を出来るとは言わない。
そのプニがここまで言い切る事にバイスは疑問を持った。
(プニ…本気であんなのに勝てる作戦があるの?)
(あるっプニは世界最強のスライム、そのプニがスライムと呼ばれるモンスターに負ける事はない!)
プニはバイスの知らない間に世界最強になっていたようだ。
(バイス、その作戦を知りたい?)
(う、うんっもしそんな作戦があるのなら是非とも聞きたいな)
(フフフフフ~~仕方ない、バイスはプニの相棒だから教えてあげる。それは…)
そんな話をしていると後詰めだったバイスにも声がかけられる。
獅子の頭を持つ人型のモンスターがバイスに声をかけてきた。
「オイッそこのスケルトン、行くぞ!」
「……分かりました」
バイスは他のモンスターと共に『転移門』を越えてカオススライムがいる決戦の舞台に向かった。
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