見知らぬ人
俺はその後、街の近くの茂みの中で待機していたが中々ユウが帰ってこないので様子を確認しようと上半身だけ茂みから出して周りを見渡そうとすると男の子が近くにおり、目があってしまう。すると
「わあっ」
男の子は驚いた声を出して尻餅をついたので俺は咄嗟に体が動きそうになったがこれ以上は見られたらまずいと思い
「少年よ大丈夫か」
と声をかけてみると男の子はこちらを見て笑いながら
「大丈夫だよ」
平気そうに立ち上がったので安心していると男の子はこちらを指差し
「それよりもどうしておじさんは裸なの」
俺はこう聞かれた時の事考えていなかったどう説明しようと迷いながら
「おじさんね、服が着れない体になったみたいなんだよ」
それっぽい説明すると子供は笑いながら
「何それ」
「本当に何それだよな」
俺も笑いながら答えると子供が何故街の外を1人で歩いているのか気になり
「ところでこんな場所で1人で何しているんだ?街の近くって言っても魔物が出てくるだろう」
そう訊くと男の子は一瞬くらい表情をした後
「散歩だよ、散歩、所でおじさんは何でそんな所にいるの?」
「いやな、こんな体になって困っていてな、でもこの体に合う服があるって噂を聞いてな、噂を弟子に調べてもらっている間な誰にも見つからないようにここに隠れているだ、でも君に見つかってしまったな」
苦笑いをしながら答えると男の子は笑い
「そうだね、見つかったね。そんな事よりもさっき弟子がいるって話をしてたでしょう、おじさんは何の師匠なの?」
「武道の師匠だよ」
俺は何故かかっこよく決めたくなりドヤ顔で言い放つと男の子は首を傾げ
「武道って何?」
「武道っていうのはな剣を使ったり弓を使ったり色んなものがある、まあ詳しくは説明出来んな、俺頭良くないし」
「そうなんだ、じゃおじさんは何を使っているの」
俺は拳を空に向かって突き上げながら
「己の鍛え上げた肉体のみだよ」
男の子は目を輝かせて
「武器なんて無くても強くなれるの?」
「当たり前だ、人間に不可能なんてないからな」
俺がドヤ顔で言うと男の子は頷き
「僕に武道を教えてください」
頼み込んできたので
「ああ、いいぜ」
「じゃ、今から教えてください」
「そうだな、でもな」
俺はこの状況ででどうやって教えようか考えていると遠くの方にユウが見えたので手を振ってみるとユウはこちらを一度見て何処かへ行ってしまう、どうしてだよと思っていると
「おじさんどうしたの?」
「いや、なんでもない、そうだな次の機会にしようか今日は遅いし」
男の子は少ししょんぼりしながら
「うん、じゃ、明日は?」
「ごめん、数日間この街から離れるかもしれないんだ」
そう伝えると男の子は落ち込んだまま
「そっか」
「そう落ち込むなってちゃんと教えるからな、元気出してくれよ」
「約束出来る?」
「当たり前だ、約束出来るぜ」
「じゃ約束ね」
「ああ約束だ」
俺たちは約束を交わし、空が暗くなってきたので男の子に
「もう暗いから帰りな」
「うん、分かった。おじさんはどこに行けば会えるの」
「大抵ここに隠れているから」
「じゃおじさん約束ね」
手を振ってきたので俺は手を振り返しながら
「おう約束だ」
男の子と別れ、ユウが戻ってくるのを待つのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます