見られるより逃げるのは恥じゃない

叫んでいると遠くの方に俺たちを注意してきた人と馬車が見えてきた。


「このままじゃまたあの人になんか言われますよ」


とユウが言ってきたのであの人にまた会うのは恥ずかしいなぁと思い


「そうだな、じゃあ逃げるか」


「そうです、逃げましょう」


俺たちはさっさと逃げようとしたが、パンイチで転がっている俺たちを襲ってきた奴を俺は無視出来なく


「なあ、ユウ、こいつどうするよ」


「そんな野盗なんてほっといて逃げましょう」


「でもな、服をひん剥いたんだぞ、そのままなんてなんか申し訳なくてな」


「無視しましょう」


「でもな」


「はあ分かりました、じゃ馬車が通る街道に置いておきましょう、そうすれば、あの人達が何とかしてくれるでしょう」


「おう、さすがはユウだ、良い考えだ」


俺はユウの考え通り襲ってきた奴を街道に置いてその場を離れる。


街道離れて、人に見つからないように適当な茂みに隠れた後、これからどうするかユウに相談することにした。


「なあ、ユウよ、俺、街の中に入れると思うか」


「無理ですね、裸の人が街を歩くなんて普通無理でしょ」


「そうだよな、でこれからどうしよう、ユウ、なんか良い考えあるか」


「無いですね、良い考えがあるなら、とっくにだしてますし」


2人でため息をつき、どうしようかと考えているとどこからか2人分の足音が聞こえきたので俺たちは顔を合わせて息を潜める


「そういえば、あの噂知っているか」


「なんだよ、あの噂って」


「洞窟の奥に強い魔族がいるって話だよ」


「そうなのか」


「ああ、噂によるとなあらゆる冒険者がその洞窟に入り身ぐるみ剥がされているらしいんだ」


「そうなんだ」


「ああしかもな、身ぐるみ剥がされた奴の中にはSランク冒険者もいるらしい」


「へえ」


「なんだよ、興味ねえのかよ」


「だって、利益にならなそうだしなあ」


「お前ばかかよ、身ぐるみ剥がされてるってことはよ、その防具が洞窟内にあるんだぜ、しかもSランク冒険者の物もあるんだぜ、それを持って帰って売れば、しばらく遊んで暮らせるし、伝説級の防具なら今後の依頼の役に立つじゃねーかよ、どうだ、これで興味持ったろ」


と会話が聞こえてきたので俺たちは思わず顔を合わせて


「「いけるかも」」


大声で言ってしまう、すると


「誰かいるのか」


男が俺たちが潜んでいる茂みに向かって警戒しているような声で言ってきたので俺たちは顔を合わせて


「「失礼しました」」


謝りながら全力で逃げて行く。


しばらく全力で逃げた後俺はユウに


「伝説級の防具なら壊れないと思うんだが」


「師匠もやはりそう考えましたか」


「ああ、でもどうしようかユウ、途中でバレたせいで場所わからんぞ」


「そうですね、それなら、私が街の中に入り情報を集めてきます」


「よろしく頼むな、後ついでに依頼も良さそうのあったら、受けてくれないか」


「分かりました、でも、師匠じゃなく、私が依頼を受けるからあんまりいい依頼を受けれませんよ」


「それは分かっているさ、この際いつまでこの状況が続くか分からないから、ユウのランクでも上げとくか」


「そうですね、分かりました、効率よくランクを上げるとなると成果は私1人の物にした方が良いですね」


「そうだな、じゃ、情報集めと依頼をよろしくな」


「はい、分かりました」


俺たちは相談を終え、街の近くまでバレずに移動して、ユウと別れ、俺は街の近くの茂みに隠れる事にした。





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