第37話 奇妙な連中との冒険は…

 カイジスはグロゴスに勝利した。


 その後荒野の魔物にボロ雑巾の様に扱われるグロゴスも無事に回収する。

 オーガルの街に戻りボロボロの闇ギルドの人間を全て捕縛した上で引き連れて戻ってきたカイジスたち四人。


 最初こそ何が起きたのか全てを理解出来なかったオーガルの街の人々だがグロゴスたちを地面に転がし事の成り行きをエゼルが少し怒りながら話すと首を上下にカクカク動かしながら理解した。


 その後は取り敢えずカイジスを罵倒した人間とカイジスを殴った冒険者を吊し上げにかかる三人。


 全員を横一列に並べ土下座をさせた上にカイジスを殴った三人の冒険者は地面に額を擦りつけさせてその後頭部をエゼル、ヘラ、イプソロンがそれぞれ腕組みしながら踏みつけた。


 「お前らはこの街での俺の立場をどうしたいんだ!?」と言うカイジスの叫びがオーガルの街に響いた。 


 そんなこんながあり三日後。

 グロゴスたちは船で大陸に送られ罪を裁かれる事になった。


 エゼルと出会った日にアバババとされた黒マントにグロゴスを含めた全ての闇ギルドの人間は全て船に乗せられ港を出発するまではカイジスも目を光らせる。


 その間にエゼルたちは街を救った英雄扱いを利用してオーガルで様々な食糧や調味料、或いは珍しそうなダンジョンからの出土品などを買い集めた。


 そのお金は闇ギルドのアジトを潰した時にゲットした金貨や銀貨で支払った。


 宇宙電子マネー希望じゃ、そう愚痴るヘラにカイジスはまた理解出来ない言葉を…と呆れる一幕があったとか。


 そして出発の日が訪れる。

 宇宙船ゼビルスはオーガルから離れた所に停めてある、流石に目立つし色々とツッコまれても説明が面倒過ぎるからだ。


 街から出て人目がなくなるとエゼルの転移ゲートで船内に戻った。

 そしてギンちゃんとタマちゃんがカイジスの元に飛んできておかえり~とでも言いたげにブゥンブゥンとその傍を飛ぶ。


 コントロールルームにてエゼルが宙に現れるウィンドウパネルを操作しながらカイジスに尋ねる。


「それじゃあ次の目標はあの巨大な塔『幻螺旋の巨塔』で良いかな?」


「異義なーし!」

「当然じゃ」


「………………(溜め息)」


 この三日間あれこれと話が勝手に進みまくり、いつの間にやらあの難攻不落のダンジョンに挑む事になっていたカイジスだった。


 しかしオーガルで冒険者になったのなら、やはりあのダンジョンを目指すのは子供心としてはあった。

 小さな頃の夢として。


(まさかそれが現実になるとはな……それもパーティー組んでる相手がみんな異星人ってなんだよ…)


 全てはカイジスの蘇生魔法が異星人にしか発動しなかった事から始まった事だ。


 その事を思い出して少し呆れて…。

 自然と笑みを浮かべる自分に気付いた。


「う~~ん? カイジス~君の返事が聞こえないね~」


「…分かったよ、俺たちで攻略するぞあのダンジョンを!」


「ふふっ! 了解した、それじゃあ行こうか!」


 ゼビルスの銀色の船体が空へと上昇する。


 この奇妙な連中との冒険は…まだ始まったばかりなのだ。


【了】

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ノーマルヒーラーとウルトラレアな異星人たち~俺の蘇生魔法は異星人たちにしか発動しない…まあ復活させた連中が最強なので俺は雑魚のままでも良いらしいけどな~ どらいあい @driai

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