第25話 参上!
「「「「!?」」」」
グロゴスの言葉にあ然とするオーガルの街の冒険者に街の住人、そこにお喋りな黒マントが現れて軽い調子で言葉を並べる。
「お前らさ~本当に馬鹿だよね~僕らの仲間に狙われて命からがらこの街に戻ってきたそのカイジスってヤツにお前ら何をしたんだっけ? なんでも好き放題に暴言を吐いて~中にはそいつを殴り飛ばしたヤツもいたんだって~~?」
黒マントの言葉にオーガルの街の人々は黙るしかなかった。
全て事実だったから。
「お前らみたいなゴミクズさ、こんな目に合うのも自業自得ってことな訳よ~おわかり~? プッククク、フッハハハハーーーーーッ!」
「そっそんな……」
(くそっカイジスは本当の事をずっと…すまねぇカイジス!)
「あいつは、俺たちの為に…」
真実を知ったオーガルの街の人々は小さな声で口々にカイジスに謝罪を口にしたり心の中で謝罪する。
それを見た黒マントは付け加えるように言った。
「あっちなみにお前らが僕らに勝てない理由ね、リーダーのグロゴスが本気で鍛えたのが僕ら、テキトーに手を抜いて鍛えたのがお前ら。その二つがぶつかれば当然…」
「辞めろコリム、それ以上ソイツらの相手をする時間はないぞ」
グロゴスがお喋りな黒マントを嗜める、既にオーガルの街の占領は完了していた。
後は街の住人を魔物が襲って来た時用だと言って作らせた避難場所に軟禁し、少しずつ精神を削りいずれは自分たち闇ギルドの人間の下っ端として利用する。
名実共にこのオーガルを犯罪者の都市にする、それが目的だ。
(冒険者もそうだ、もう少し鍛えれば下位の戦闘員くらいにはなるだろう)
全てはここに『幻螺旋の巨塔』の最大攻略拠点を築き、グロゴス自らがあの難攻不落のダンジョンに挑む為。
これらの行動は全てそれだけの為にグロゴスは起こしているのだから。
「…オーガルの人間は全て捕縛しろ、人手は幾らでも必要になるからな、今は抵抗しても飯も水も与えず力で恐怖を植え付ければ直ぐに俺たちの下につくだろう」
「フックク、リーダーは相変わらず容赦ないな~そんな所が大好きさ~」
お喋りな黒マントがダメージで禄に動けない冒険者に近づく。
このコリムと呼ばれた黒マントは催眠魔法が得意だった、街の住人を避難場所に軟禁するにあたりこの冒険者たちをカカシとして利用しようとした。
黒いフードの下の嫌な感じの笑みを浮かべていた、ちなみにこの黒マントは女だった。
その黒マントの頭上から声がした。
「あっそこにいると踏んづけちまうぞ、御免な」
「……は? ぶべぎゃっ!」
黒マントの顔面を踏み潰した男。
歳は二十歳、白い髪と黒い瞳を持つ男だった。
ただ冒険者とにしてはガタイが良いとはお世辞にも言えない、全体的に線は細い印象を受ける。
そんな男。
カイジスが現れた。
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