第24話 ギスギスと襲撃
話は決まった、早速カイジスはこれからの話をする。
「よしっこれでイプも含め四人となった訳だ、このメンツならグロゴスがどれだけ仲間を集めても…」
「ちょっと待ったぁ!」
「なっなんだよイプ、今から連中を止めに…」
「それも大事だがもっと優先すべき話があるぜ、いいかオレは長い間こんなところで像をしていたんだ実際はどうか知らんが気分は汚れを落としたり腹も減っている気がするんだ、分かるか?」
(分かりたくねぇよ)
先程全裸を見られたと騒いでいた時にエゼルやヘラが宇宙船で一晩休んでお風呂やらシャワーやら朝ご飯やらを済ませてきたと余計な話をしたせいだ。
イプソロンは自分だけそれらがないのは不公平だと駄々をこねた。
そう真正面から言われるとカイジスは弱かった、仕方ないので一同は一旦宇宙船ゼビルスに引き返す事にした。
「お~~ゼビルス! やっぱりエゼルの船がこの星に来てたんだな」
「まああのタイミングでワームホールが出現したらねー」
「てっことはヘラ自慢の個人所有の大艦隊は全部離れた所に待機させてたからあのワームホールには飲まれずこっちにも来なかった訳か」
「そうじゃっせめて一隻でも妾の船があればカイジス殿にはもう数段、我が太陽系が誇る上流階級の暮らしを堪能してもらえた筈なのじゃが…」
ゼビルスをディスられたエゼルの頬がピクピクとしていた、そんな二人を見てイプソロンは相変わらずだと内心ほっとした。
その後は主にイプソロンがアレを食べたいだの先ずは風呂だのと騒ぐ度にカイジスが船の持ち主であるエゼルに頼みエゼルが渋々そのワガママを聞くと言う流れになった。
イプソロンが食べ物は長期保存状態だったレトルトパウチとかじゃなくて生の野菜や肉を使った料理が良いと抜かす、エゼルがイラッとした。
ヘラがお風呂は狭いしシャワーも性能がよろしくないナノバブリー仕様の物くらい用意できなかったのかと抜かす、エゼルはイラッとした。
エゼルが大剣を掴んで刀身の先で床をカンカンする度にカイジスはハラハラした、これぞ中間管理職のストレス。
(えっまさかグロゴスを何とかするまでこのイヤ~な立場にいることになるの、俺……?)
カイジスはなる早でグロゴスをどうにかして、このギスギスパーティーを解散したいと考えるのだった。
カイジスが人間関係の軋轢によるストレスで苦しめられている時。
オーガルの街は…大ピンチだった。
「いやぁああーーーーっ!」
「うわあぁあっ助けてくれーーっ!」
悲鳴を上げる女性や逃げ回るオーガルの街の住人たち。
それらを冷たい目で見ている男がいた。
グロゴスである。
オーガルの街に黒マントの集団が現れたのは数時間前のこと。
最初は集団で大型の魔物でも狩る冒険者の一団でも船に乗って来ていたのかと街の人々も気にしなかった。
しかしその黒マントたちが嬉々として街中で武器を抜いて暴れ出したのでその状況は一変する。
当然オーガルの街の冒険者も武器を取り戦った。
しかし個々の戦闘力にあまりにも差があった、冒険者たちは黒マントの集団に瞬く間にやられた。
実力差がある故にトドメを刺される事はなく打ちのめされ無力化される冒険者たち。
そんな中、叩きのめされた冒険者の一人が黒マントの集団の中にグロゴスの姿を見た。
「ウッウソだろう? グロゴスさん…」
「……ああっお前か」
「なんでアンタが……アンタがそっちにいるんだよーー!」
冒険者の慟哭が響く、辺りに倒れる冒険者もグロゴスに気付いた。
口々になんでなんだと口にする冒険者たちにグロゴスは告げた。
「お前らが散々馬鹿にしたカイジスの言葉が正しかった、それだけのことさ…」
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