第6話 復活!
「えっまさか……今の声って…」
『ふふっ君から見たらその銀色の像、それが私だよ』
「意味が分からん、そもそもここは一体どこであんたは何者なんだ?」
『ここはダンジョンの最下層の更に下にある隠しエリア、そしてこの私と後ろの宇宙船は先程まで光学迷彩の機能を使い姿を隠していたのを今、解除したのさ』
(コウガクメイサイ? 解除? 何を言ってるんだよさっきから…)
「さっきから何を言ってるのか分からねぇ、もう少し分かりやすく話をしてくれ」
『そうだね、では分かりやすく話そうか…』
次の瞬間、カイジスたちがいるこの部屋の中央に大きな黒い塊が出現した。
それは直ぐにその形を変えていき、巨大な魔物へと姿を変えた。
男性の人間に似た頭とライオンの胴体にサソリの尻尾を持つカイジスの十倍はありそうな巨体の魔物。
「マッママママンティコアだっ!?」
『私を助けて欲しい、そうすれば私が君を助けよう』
マンティコアはその人間の顔を気持ち悪くニチャリと笑顔を浮かべてカイジスを見た。
心底ビビるカイジス、そんな彼の前にギンちゃんとタマちゃんが守る様にマンティコアに立ち塞がる。
ピュンピュンと赤いビームや光弾を発射。
しかしロックスコーピオンのゴツゴツした外殻すら吹き飛ばす攻撃がマンティコアには殆ど通じなかった。
余裕綽々の様子でゆっくり近づいてくるマンティコア、ギンちゃんとタマちゃんはどことなくシュンとしてしまった。
『ほらっ小型の偵察型ユニットではあのランクの敵性体は倒せないぞ、早く私を復活させてくれないかな?』
「ふっ復活と言われても…」
『カイジス…君に出来る事なんて一つしかないだろう?』
謎の女像のテレパシーにカイジスはハッとした。
(コイツ、まさか俺の蘇生魔法の事を言ってるのか? いやっなんでその事をそもそも俺を知って……)
『さあっ考えてる暇はないぞ、あの敵性体が近づいて来ている!』
「なっ!? くっそ分かった、分かったよ! 本当にあんな化け物をどうにかしてくれんだよなっ!?」
『約束する、復活した私は無敵だよ!』
カイジスは女の像にダッシュする。
カイジスの行動はマンティコアは相変わらずニヤニヤと笑って眺めていた。
カイジスの逃げまどう姿はマンティコアの目に余程情けなく映るのかマンティコアは愉快そうにしていた。
その余裕にカイジスは救われた。
女の像に近づいたカイジスは両手を像に向ける。
「金属の像に蘇生魔法とか、ええいっ言ってる場合じゃねぇ…いくぞ『アルティメットリペアー』!」
カイジスの蘇生魔法が発動した。
女の像が光に包まれる。
本来なら適切な対象以外には蘇生魔法は発動すらしない、その魔法が発動したのだ。
それはつまり……。
「ッ!? グッ、グルルルーー!!」
ほんの少し前なら全く存在しなかった異様な気配を感じ、マンティコアが低く唸り声を上げる。
そして光が収まるとそこには一人の女性が立っていた。
赤く長い髪をツインロールにしている、瞳の色も髪と同じ赤色だ、そして…。
「あっあんたがあのこぉーっ!?」
全裸である。
カイジスはキョドった。
「おやっ…まあ確かにあの状態になっても衣服までは守られないか…仕方ないから直ぐに戦闘モードで行くとするわ」
赤髪の女性は全裸から一瞬で服を着ている姿になった。
カイジスには何をしたのか分からないが、取り敢えず普通に見ても問題ないなと判断してその姿を目にする。
身体に密着する真紅のボディスーツ、ノースリーブで下半身部分はスカートに近い形状をしていた。
更に肩を露出する様に黒のジャケットを着崩すしている、両足には赤のロングタイツをしてロングブーツを履いている。
頭にはデコられたキャプテンハットを被っていた。
そして手には黄金色に光る片刃の大剣を携えていた。
それは異様な大剣だった、機械について知識がないカイジスには何か恐ろしい物に見えた。
持っている武器は凄そうだが、防具の一つも身につけないでその赤髪の女はマンティコアとカイジスの間に立つ。
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