17
『……』
後悔。後になって悔いると言う文字通りの意味なんだけど、我はまさに今その状況が相応しかった。何でかって?それは我のSNSに答えがある。
昨日はエイプリルフール。それは、間違いない事だ。だから我は少しの悪戯心と悪ノリと深夜テンションで心が大きくなってた。全ては嘘で誤魔化せると思ってたからだ。
配信が終わり、いつも通りもう寝ようかと思ったけど。日はまだ跨いで無かったし布団でスマホを少し弄っていると思い付いた事があってそれを実行してそのまま寝た。
で、今。目が覚めたらとんでも無い数のコメント、DM。……実際にやってくれの声多数。一体何をやるって言ったかと言うと、俗に言うASMRって奴だ。と言っても調べただけでも、永遠にスクロール出来そうなぐらい飽和してるしな。別に大した事にはならないだろ?って思ったのに……。
中にはエイプリルフールの午後はネタバラシとか本当の事を言う時間帯だから、本当ですよね?とか言ってくる人もいる。これは、嘘だ〜!じゃ済まされないかな。軽く暴動が起きそうな気がする。
やるしか無いのか?えぇ……。なんか恥ずかしい気がするけど、恥ずかしいと思う方が恥ずかしいのか?え?どっち?我分からない。
まぁ、良いや配信準備しよ。我は現実逃避をする事にした。嫌な事は先延ばしにしちゃおう。分かっててもついつい先延ばししてしまうんだよなぁ。
『我吸血鬼王也!』
今日も今日とて配信である。四月の嘘騒ぎがあっても、大事なのは。何も無かったかのように接する事。素知らぬフリで、堂々と。今日はばっとんも、グゥルも珍しくいないので我一人だ。少し寂しい気もする。
《コメント欄》
・なんか略した?
・どんどん楽しようとしててくさ
・自己紹介RTAでもやってるのか?
・我吸血鬼王也!じゃないんだよ
・遂に日本語を捨てたか
『……我って何人なんだろ。ちょっと聞いてみるわ』
コメントを見て思った。そう言えば知らないなぁって。うーん、誰か知ってるかな?ばっとんかヤコなら知ってるかもしれない。
『ヤコ……いやばっとんで良いか!眷属召喚!』
魔法陣からばっとんが出てくる。ってあれ?誰?
『パーティーピーポーって奴か?ばっとんが陰では陽キャだったなんて』
《いや、ちげえよ。これは誕生日パーティー用のメガネだ。ちょっと試し掛けしてただけだ》
いきなり呼び出した我が言うのもあれだけど、どんな理由なんだ?それ。まぁ良いや、それよりだ。
『ばっとんは、我が何人か知ってる?コメントで確かにってなってさ』
《知らn》
『はい、ありがとー。ヤコー!ヤコ〜?』
血で作った手作り三脚からカメラを外して自撮りにする。ヤコは何処だろ?買い物かな?
《コメント欄》
・ばっとん君急に呼び出されたと思ったらリリースされてて草
・台風みたい
・ばたばたしてる
・外カメで草
・堂々と部屋を映すなよ……。お婆ちゃんか、お婆ちゃんだったわ
・ロリだぞ
・ちょっと人二人分の人生を歩んでるだけの経験豊富なレディなだけだからお婆ちゃんじゃないぞ
『ヤコ〜!』
そう大声で呼びかけて見るけど反応は無い。いつも近くにいる筈なのに、こう言う時に限っていない。参ったなぁ。
『ごめん、次の時までに聞いておくわ。宿題な、我の宿題』
メモしとくか、忘れるとアレだしな。
《コメント欄》
・でも実際何人なんだろな。ハーフか?
・そもそも海外と日本のハーフか、吸血鬼と人間のハーフか。ハーフでも選択肢があるからな
・おニューとかな
・変態は帰れ
・おニューは草
・メモしてる、えらいね
『……にしても今日皆いないんだよなぁ。皆は忙しいのか?我はこの通りいつもと変わらずだけど』
《コメント欄》
・対吸は吸血鬼がいる限り仕事を失う事が無いから年中忙しいちゃ忙しい
・ヴァンちゃん見るので忙しい
・師匠です。地下落ちしたけど、例の日までは所持金倍にして帰ってくるので心配しないで下さい
・ししょーいて草
・ししょーは草
・だってちゃんとした師匠って感じじゃ無いからな
・弟子から金借りるパチカスはししょーだぞ
・悲しいなぁ
『お、師匠だ。ん?例の日って何の事だろ?何も聞いてないが』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます