15.5
《コメント欄》
・結局どう言う事なの?
・さぁ知らん
・訳分からん
・コラボはびっくりだし何あの人
・師匠って言ってたけど何教えて貰ったの?
『そうだな。簡単に言えばこれから我は師匠と格ゲーをする。それに勝ったら、菜々月ネムの。師匠の配信時間の変更をして貰う。一緒だからあっちの配信に誘導されるって言うのもあるかもしれない。我が負けたら、我は何するんだっけ』
《ほら、カンペっすよ》
あ、どうも。えーっと?
《全く自分の事だろ?しっかりしろよ》
『ごめんって。そうそう、我が負けたら。えーっと①謝罪会見を開く、②二週間の活動謹慎。③配信日時を菜々月ネムと被さない。何コレ。こんなの受け入れたんだっけ』
《どうやら、さっき聞いたんすけど昨日来てたメールに書いてあったらしいんすよ。読みました?》
え?メール?
『ヤコに任せたから知らないな』
《ダメっすねこの人》
《あれ?ヤコって確か
『え?ヤコってメカオンチなの?』
《あ、やべ。ジョークだぞ。あ、俺はアイツの事が嫌いだからな。アイツの悪い事を言っただけだ》
『そうなんだ、にしてもどうするか。勝てる気がしないぞ』
《あ?確かにな……どうにかして有耶無耶にするか、不戦勝にするしかないな》
何か、方法は……。
《コメント欄》
・そう言うのは裏でやってくれwwww
・配信内でイカサマのアイデアを考え出すなwww
・相手が見てたらどうするんだ
・ヤコさんって誰?
・あのメイドさんだよ
・なる。ポンコツなのは推せる
「さぁ、そろそろ時間だ。参加者は集まってくれ!始めるぞデスマッチを」
会場内に響く声、最悪だ。ノープランで戦うしか無いか。
『二人とも、応援宜しく』
《任せろ》
《神に祈っとくっす。一週間ぐらいに縮む様に》
いやぁ、そもそも格ゲーで闘うって言うのは聞いたのが昨日とかだったから。操作方法は覚えてるけど、問題は相手が師匠って事なんだよなぁ。勝てる訳が無い。二百年前の実戦の時にはいつもボコボコにされてたし、たまに雨降って室内でやる花札やチンチロ。ポーカーにブラックジャック。インディアンポーカー、ババ抜き。運ゲーですら勝てなかった。
あまりにも強すぎて一回聞いた事がある。何で師匠はそんなに強いんでだ?ってそしたら不老不死で、ほぼ全ての事を経験しているから"見れば"それに対しての対策が手に取るように分かるって言われた。
そんな人に勝てると思うか?もはやチートを使うしか無いと思う。
『さぁ、さあ!今宵は Specialなguest!と共に配信を送るぜ!と、その前にまずは自己紹介から行こうか!俺は、菜々月ネムのマネージャー兼実況者の田中だ!それから、飛び入り参戦の……』
《コメント欄》
・なんか始まった
・誰?
「あ、どうも。えと……佐藤です。特等席から推しを眺めようと思ったら身体が動いてました。気にしないでください」
《コメント欄》
・気にするわ
・なんでいるんだよ
・行動力カンスト
・本部長が悪い
・あ、俺が悪いの?ゴメン
『佐藤さんなんで居るんだ?』
呼んでないのにな。
『それから謎の蝙蝠クンだぁ!もう何でも来やがれぇ!お次は参加者だ!経験豊富のイイ女!(自称)見た目は美女!中身は腹黒!懐の金も闇金。不老不死の闇のギャンブラーは運命の女神を振り向かせられるのか?菜々月ネムゥ!そしてぇ、可愛い見た目に気を付けろ!気を抜いたらガブッと逝かれるぜ?今回はリアルファイトじゃ無いから、血を見る事は無さそうで一安心だぁ!ヴァンパイア・ロードォォォォォ!!!それじゃぁ今回のルールについて説明するぜぇ!』
う、うぇーい!
『っても、そんな難しいルールじゃ無い。一回限りのデスマッチだ。人生と同じ様に一回きりだ。負けたら終わりだ。説明は以上だ、あんまり客を待たせるのもアレだからな!サクッと行こうか!さぁ準備は良いかぁ?』
『え?』
「さぁ闇深きゲームの始まりだっ!」
『師匠、楽しそうだな』
「まぁね、そりゃあそうだよ。色々言いたい事はあるけど、それは拳で語ろうか」
『はいはい……手加減してくれなさそうだな。そうか、分かった』
こうして、始まったゲームコラボ。勝っても負けても一回きり。サクッとキャラを選ぶ。今回のゲームは師匠の自作格闘ゲームだからこそ、師匠有利だ。と言うか普通に言わせて貰うとコレはちょっとアレだと思う。
『さぁ、参加者が各党の
……。どの議員も個性的で、選ぶのが大変なんだよなぁ。と言うか我あんまり解放出来てないからなぁ。選べる数少ないし。対戦用で、選ぶ議員はストーリーモードで落とさないと使用出来ないからなぁ。
『一応ですが、このゲームは現実の議員の方とは何の関係もありません。このゲームに出てくる議員の発言、行動は全部フィクションです』
「じゃ、私はレジェンドの"時代おじさん"姿光博さんで」
巨大なモニターに優しそうに笑うスーツのおじさんが写った。姿さんで来たか、うーん。だとしたら。
『我も
『おっとぉ、奇しくもこれはレジェンド同士のぶつかり合い!コレは熱い
「ステージは
『今か今かと心臓が昂っているっ!早くしてくれ!』
「だってさ、始めようか!」
『やるかぁ……』
あまり、やる気じゃ無い。そりゃあやるなら勝ちたいけどなぁ自信は正直無い。
『いよいよ始まりのゴングが鳴る!笑っても泣いても一回きり!一生に一回のこの瞬間に彼女達は全力を尽くした!』
レディファイトッ!
スーツ姿のおじさん達の拳がぶつかり合った。
《コメント欄》
・各党ゲームこの人が作ったんだ
・クソ好きだけど、一々議員落とすのが大変なんだよな。推薦して味方に回って貰ったり推して貰ったり。
・そこが面白いんだろおじさんのギャルゲーみたいな感じで
・やった事ないけどやばそうなのは分かった
・格ゲー好きならやった方が良い
『さぁ、始まった。いや始まってしまったぁ!まずは先制のパンチをお互い譲らずぶつけ合う!お互いまだゼロダメージ!此処からどう動くのか……』
くっ、やっぱりそう簡単にはいかないよな。我は必死にコントローラーを動かし、次のコマンドを決める。
「いやぁ!二百年ぶりだね、やっと会えたねって言うか死んだと思ってた」
『だったら死人には優しくしてくれても良いんじゃないか?』
「それとこれとは別だし、そっちの方が失礼でしょ?昔から私は思いっきりやる。知ってる筈だけど」
『知ってる。思いっきりやって後戻り出来なくなって、弟子の子供のお小遣いをアテにしてギャンブルする程だもんな?』
「そ、それは二百年前の事だし、水に流してくれないかな」
『負けてくれたら水に流そうかなぁ』
「……」
『うわ、ちょっ潰そうとすんな!』
会話で揺さぶりをかけてもダメだった。そんなこんなでお互い良い感じに削り、体力が減って来た。
「そろそろ決めようかな!必殺」
『……まじ?』
『
うわ、出た!顔が画面を埋め尽くして、全体が当たり判定になるチート技。ゲージ貯めるのが難しい筈なのに。さすが製作者。
『おっとぉ?お呼びじゃない客が来てしまったぁ!』
「借金取りの人だ……ちょっと待ってよ」
「待てねえな、もうとっくに期限は過ぎてるんだぜぇ?アレから二年待っても返す気無いから来たんだ」
「ゲームで遊んでるんだったら、ちゃんと働いて返済をして貰おうか」
「ちょ、待って。もうコレで勝てるから!後一秒だけ!コレで終わるから」
「駄目だ、もう逃げられないからな。ちゃんと金返して貰うぞ」
「助けて、ヴァンちゃ〜ん」
『師匠がんばれ〜』
ガタイの良い黒服のおじさんに連れられて、師匠は出口まで強制連行された。そんな感じで有耶無耶になったが、因みに我はギリギリ持ち堪えたので我の勝ちだ。
『我の勝ちだ〜』
因みに後日談として、その後師匠は借金返済の為プロゲーマーになって借金返済をした後、パチプロになって負けた後賞金で返したらしい。家に来た時に聞いた。
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