14
『ふぁ……』
「おはようございます。ヴァン様」
『あ、ああおはよう……ヤコ』
ヤコと再会して一週間以上経ったけどやっぱり慣れない。突然話しかけられてびっくりした。早く慣れないとと思ってヤコの方を見ると何か作ってる様子だった。何だろ?
『なにしてんの?』
朝からツンっとする刺激臭が部屋内に充満している。何なんだこの匂いは。
「ガリトーです」
がりとー?訳が分からず、聞き返すと無言で口に何かを入れられた。
『うわニンニクヤバい』
「ガリトーですから」
成程。それはそうだな、我が悪かったのか?と疑問に思ったけど気にしても仕方が無いのかもしれない。ガリトーなんだもん。
「ハニトーもありますけど、どっちが良いでしょうか?」
そんなの選択肢は合って無い様な物だ。思う存分ニンニクに塗れよう。別に誰かと会う用事も無いしね。
『ガリトーからのハニトーで』
スイーツは別腹だからいくらでも入るし、太らないってネットで見た。いくらデカくて甘くても。ウマッ。
因みにこの後、塩さんが遊びに来た。見事にフラグになってしまった。
《くせえ》
いきなり先輩はそんな事を言ってしまった。思っても言っちゃいけないと思う。何故なら……。
《レディーにそんな事言っちゃダメですよ》
それに只でさえ最近はコンプラで不適切な表現があればすぐ叩かれる世の中だ。あまり過激な発言は……。
《おいおい、ここの何処にレディーがいるって言うんだ?冗談よしてくれよグゥル。よく見てくれ!キッズと猫ババアしかいないだろ?》
《アメリカは自由の国でもここは日本だから、いくらアメリカンな事を言っても自由の女神は微笑まないと思いますよ先輩》
それから先輩がどうなったかは知らない。なんか最近そんな感じだなと思いながら僕はみるみる小さくなって行く
『やぁ、我だぞ!我だ!』
《コメント欄》
・誰だ!
・遂にまともに挨拶しなくなって来て草
・してるだろ?やぁって
・一部分じゃん
・略してるだけでしてない訳じゃないから
・いきなり我の押し売りで草
・我々詐欺で草
『今回は質問コーナーかな』
ゲーム実況とかもそろそろやるかな……って言っても何が良いかな。何やるかって言う質問を、おっと無限ループだ。それは避けないと行けない。それは自分で決めないとな。最新ゲームの方が人が集まるだろうし……でもそれじゃあアレか。前世の記憶もそんなに無いけど、似た様なゲームなら楽しめる気がする。そんな感じで行こう、そうしよう。まぁ、のんびりやろう。サクッと行けるなんて思ってないしな。
《コメント欄》
・またかい
・数え切れないくらいだな
・もしかしてループしてる?
・ループは草
・遂にお前も気付いたか
・今回はなのか。今回もなのか
『あー見えない見えない、さぁお待ちどう様の質問コーナーだ。まずは、"翼とか生えて空とか飛べないんですか"だな。どう?皆気になるんじゃないかこれ』
《コメント欄》
・悔しいけど気になる
・確かにその方が吸血鬼っぼいな。夜の空や月をバックに飛んでそう
・分かるイメージ通り
・おいマジか!?
・カッコ良いなソレ
・心くすぐられるなそれは
『残念ながら、空は飛べないんだよなぁ。確かに羽はあるんだけど、人を飛ばせる程の物じゃないし、精々夏に微風起こせるぐらいだから普段は服の中に閉まってるんだ』
《コメント欄》
・《朗報》菜々月ネム。七ヶ月と七日ぶりに復活配信!
・↑帰れ
・菜々月ネム復活マジ?ちょっと行ってくるわ。アーカイブは残らないし、残っても運営が不適切扱いで消すからな
・あーあこう言う奴がいるからさぁ……
・夏に便利そう
・空飛べないの悲しい
『菜々月……ネム?』
何だろう、どこかで聞いたことがあるような?記憶の片隅でそんな感じがする。あーなんか出て来そうで出てこない。モヤモヤする、頭をポカッと叩いても出て来なかった。誰だっけ。
「あの女生きてたんですか。と言うか死ねないんでしたっけ」
後ろに立っていたヤコがそう言う。知ってるんだ。なんか、あんまり良さそうじゃないけど、ばっとん飛ばしちゃったし。
『知ってるのか?菜々月ネムを』
「……ヴァン様も知ってる筈ですよ。何せ、貴方の師匠なんですから」
ししょー?……。
『"あ"』
酔いどれスパルタパチカス師匠か。思い出せなかったんじゃなくて、思い出したくなくて封印してたのかもしれない。
『うわっソレより滅茶苦茶人減ってる』
師匠によって、人は多く取られコメントの動きもほぼ無い。これじゃあダメだ。
『そう言えば師匠ってどんな配信してんだろ』
我は配信そっちのけで調べる事にした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます