13.5
『うぅん、やっぱりこれしか無いか』
考えたけど、これしか無い。よし、これで決めよう。
《コメント欄》
・今ヴァンは?
・よっす
・どしたん?
・何か覚悟決めた感じ?
・こんヴァンわ〜
『やぁ、お前達!今回は何やろうか、考えたんだけどな。どうせ不平不満も出るだろうしと思って我は決めたんだ』
スマホからある画面を表示させた。これなら、文句も無い筈、多分。
《コメント欄》
・ん?
・何それ
・ルーレット?
・確かにうるさい奴いるもんな
・指示厨は何処にでも湧いて来るからな。質問コーナーやれとか方針にまで指示して来るのかよって話だけど
・だからって運任せは草
・一番平和な解決方法かもしれない
『だよなぁ。我も考えた結果がこれだからこれで荒れたらどうする事も出来ない。あっ、そうだ。まあ見えるだろうけど、一応説明をするか』
『赤の奴が質問コーナーで緑が雑談。青がゲーム実況。の三色の中のどれかだな。さて、どれが来るか。まぁ、あんま喋っててもアレだし回すか』
《コメント欄》
・さぁどれが来るか
・どれが来ても文句言うなよお前ら
・って言う奴がこっそり裏垢で叩くんだよな
・ゲーム実況って何げにやったこと無いよな。見てみたいわ
・ホラゲーやって欲しい
・鬼畜いて草
『いきまーす!よいしょ』
STARTのボタンを押すとルーレットが回り始めた。正直、我はどれでも良いんだけど。ホラゲーは嫌だからゲーム実況は……あっ、いやだったら普通にホラゲー以外をやれば良いのか。ホラゲー実況じゃないからな。
勢い良く回ったルーレットは時間が経ってその勢いが徐々に弱まり、止まりかける。
『お?雑談か?質問コーナーか?質問コーナーだ!』
完全に動きが止まり、針が指したのは質問コーナーだった。またかって言われそうだから次は雑談にしよう。
『って事で今質問を募集するぞ、その間に雑談をするか』
《コメント欄》
・質問コーナーの質問を募集している時間を持たせる為に雑談をするのは草
・何故募集しておかないのか
・それが王クオリティだから
・結局雑談をするのか
・訳分かんなくて草
・本部長も困惑する
・本部長は働け
『今日は、本当は映画見に行こうと思ったんだけどさ。雨降ってたじゃん?だから良いやって諦めてさ空暗いし』
あと今日寒くて動けないって言うのもある。寒いと動きたくなるよな、ってか家から出るのがかなり億劫になるよな?もう春な筈なんだけど。寒っ。
《コメント欄》
・吸血鬼なんだからそっちの方が良いだろ
・むしろ太陽が出てなくてホームだと思うんですが
・寒いのが苦手なのは草
・我儘すぎだろ
・だって王だもの
・あっそっか
・納得するな
・何見るの?
『観ようとしたのは"変な知恵"だな。なんか流行ってるらしくてさ、我も流行に乗ろうかなと思って見ようと思ったんだけど雨で辞めたんだよ』
《コメント欄》
・あれ?変な知恵の映画って確かホラーじゃ……
・漫画はミステリーで映画はホラーだった筈。あれ?ヴァンちゃんって確かホラー……
・ホラー苦手なのに観に行くのは草
・是非感想を
・夜トイレに行けなくなりそうw
『え、ホラーなの?知らなかったんだけどホラーなんだ。えぇ……』
うわぁ、ネタバレ防ぐ為に何にも調べずに初見で行こうとして大失敗する所だった。危なかった。
『行くの辞めるわ、流行に置いてかれるわ』
ホラーなんて無理だわ、絶対見ない。あの突然バンッてなる奴とか無理だし。そもそも怖いの無理だし、知ってたら行かないし。見ない。
《コメント欄》
・乗れ
・言質は取ったぞ
・行け
・鬼しかいなくて草。対吸に狩られろ
・俺が対吸だ
・どっちが鬼なんだ
『絶対行かないからな!』
我は心に決めた、絶対に行かないと。逆に何で行かなきゃ行けないんだ。意味が分からない。人が嫌がってるんだぞ?人じゃないのかお前らは。自分が嫌がる事を他人にするのは辞めましょうと教わらなかったのか。止まらないコメント欄に対して我はそう強く思った。
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