12.5
《コメント欄》
・前ネコ嫌いって言ってなかったっけ
・あー確かに
・言ってた
・何故突然猫カフェ
・?
・気になる
『あー、色々事情が。世の中には知らない方が良いことある。我からの遺言』
《コメント欄》
・それは助言だろ
・死ぬな
・俺を残して死ぬな
・かなしい
・死なないで
『でだ。今回は何するんだっけばっとん』
マジで知らないんだけどどうすれば良いのこれ。取り敢えず猫を愛でれば良いのか?
「ごにょごにょ……」
店員さんがこっそり教えてくれた。ありがとうございます。すいませんね。
『成る程、猫カフェの店員さんとして働けば良いのか。成る程、いや無理だろ』
我ほぼニートみたい物だぞ。自宅警備……も出来てなかったわ。
『我仕事した事ないもん、だって王だから』
ドヤッ。王は仕事などしないのだなんて言ったら、各国の王族にブチ切れられそうだ。どうか見てませんように。
『猫カフェの店員さんって何をするんだ?』
台本がある訳じゃないのでその場で思った事を聞いた。台本があった方が良いのかな、でも覚えられるかちょっと心配だ。
「そうですねぇ、基本的には猫ちゃんのお世話が多いですかね。特にこのカフェは里親を募集してる猫カフェなので、人に愛される様にそして愛してもらえる様に。第一は皆が飼い主さんを気に入ってもらう事ですけどね。
間違って欲しくないのは、飼い主さんが猫を選ぶんじゃなくて猫が飼い主を選ぶ事ですね。人が選り好みをする様に猫ちゃんだって好みがあるので」
『おぉー。いつの間にか凄い話になった。里親を募集してるのか、じゃあSNSの撮影とかも大変そうだな』
「今回、ヴァンさんにはSNSの撮影についてやって貰いたいなと猫ちゃんのお世話はまた次の機会と言う事で」
きっと大変だろうな。動物の世話は……ご苦労様です。
『いや、撮影も大変だな……あっ待って』
膝に乗せてみたら逃げられた。ちょっ、正座のせいで動けない。
《コメント欄》
・逃げられてるw
・よりによって正座でくさ
・足が……
・可愛い×可愛い
・どっちが?
・どっちもだよ
・絆創膏大丈夫?
・本当だ、お大事に
『そう言えばあの子何処行ったんだろう』
あれから何処か行って姿を見ない。店員さんに聞いてみようかな。
「あー、あの子目離すとすぐ何処かに行っちゃうんだよね、近くにいる筈だからその撮影終わったら探してくれない?」
『良いぞ!』
「あ、待って。まだ着て欲しい奴があるんだって!猫耳メイド!お願いっ待って!」
『おーい、えっと名前。あっ名前聞いてなかった。やべっ、どうしよう』
『……そういえば二百年前もこうして遊んだ事があったな。元気かなヤコ』
懐かしくなって、つい名前を言ってしまった。まぁ呼んでも来ないよな。猫違いだし。
「ニャア」
『おわっいつの間に!?』
突然我の肩に現れた黒猫に驚くと、スタッと地面に着地した。そして、姿が変わった。え……まさか。
「お久しぶりです、ヴァン様。遅れてしまいました」
クールな眼差しで申し訳なさそうに頭を下げた彼女は少しすると顔を上げた。その顔は……。
『ヤコ!ヤコだ!!』
懐かしすぎて思わず抱きついてしまった。にしてもやっぱ身長高いなぁ良いなぁ。生きてたんだ良かったぁ。
『元気だったんだな』
「体調は良かったのですが、記憶が少し薄れていて……血で記憶を取り戻しました。私は猫の吸血獣だったので」
優しく抱きしめてくれるヤコの声色は優しい。久々に会えた仲間にホッとしているとヤコからこう言われた。
「ヴァン様、血婚をしましょう」
我は急いでその場から離れた。何なんだコレ最近の流行り?
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