4ババ京都旅行 塔子

明日から、あたしはいつもの4人で旅行に行く。

こんなに落ち着いた生活は何年ぶりだろ。

奈緒は不登校だったけど、結局学校は辞めて、今は通信制に通ってる。

通信制は、お金はかかるけど、本人は生き生きして、今までのストレスが嘘みたい。

紫恩しおんくんが上手く奈緒をリードしてくれてるのもあってか、2人は良い関係を続けてるみたいだし・・・

あたしも、教え子の自殺というショックのせいで、一時は体調を崩したけど、同僚や、上司、家族のお陰で、なんとか復帰できた。

だけど、今でも考える。

どうして、あたしは自殺を止められなかったんだろって・・・

もっと、ちゃんと見ててあげれば、対処してれば、防げたはずだ。

周りのみんなは、あたしのせいじゃないって言うけど・・・あたしの責任も、かなりあるはず。


「ママ、明日から旅行だよね。楽しんできてね。」


奈緒が冷蔵庫からジュースを出して飲みながら言う。


「ありがとね。」

「・・・・こちらこそ・・・

あたしのせいで、こういう時間、全くなかったよね。今まで、ありがとう。」


恥ずかしそうに奈緒は言った。


どうしたの?急に。


「あたし、ママに酷い事言ったり、反発もしたけど、ママは最高のママだと思ってるし、最高の教師だと思ってるから。」


そう言うと、2階に上がって行った。


少し大人になったのかな。

なんだか嬉しかった。


スーツケースを閉じ、あたしは旅行に向かう。

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