それヤバイよね?
カーテンの隙間から差し込む
コーヒーとトーストの香り
リビングに行くと、いつものように奏斗が朝ご飯の用意をしてくれてる。
「おはよう。りかさん。」
「おはよう。」
コーヒーを一口飲む。
「りかさん、今日は休みだっけ。俺、仕事だから今日の晩御飯は、りかさん頼むよ。」
「うん。」
「・・・なんか・・・怒ってる?」
トーストのトナリに付け合わせてるレタスを食べる。
「傘、貸してたの、女の子だったんだね。」
「ああ、あれね。別に意味なんかないから。」
フォークを置く。
「あの傘、あたしが誕生日プレゼントで買ってあげたのだよね。」
「え?」
なんで・・・あんな若い子に簡単に貸しちゃうの?
「妬いてるの?」
べっべつに!
「違うけど、なんか気分が・・・良くないっていうか。」
奏斗はあたしの頰を軽くつねる。
「心配いらないって。俺が好きなのは、りかさんだから。」
・・・・・
わかってる・・・
わかってるけど、不安になるの。
こんな年上でいいのかなって。
もし若い女の子が、奏斗に好きだって言ってきたら、そっちに行っちゃうんじゃないかって。
不安なの・・・・
今日はオフだから、あたしは1人でショッピングに出た。
そこで、可愛らしい雑貨屋さんが目に止まった。
オーダーメイド
店内の商品がすべてオーダーメイドみたい。
「いらっしゃいませ。」
シルバーグレーのショートヘアの50代後半くらいのキレイな女性が迎えてくれた。
店内は、白を基調とした可愛らしいお店だ。
ピアス
マグカップ
タンブラー
様々な商品が置いてある。
「どうぞ、手にとって見てくださいね。」
「はい・・・・ありがとうございます。」
あたしは、お店の奥に貼ってある、『ハンドメイド教室』のポスターが気になった。
「教室があるんですか?」
「そうです。毎週、水曜日と土曜日の午後から、奥の部屋で。良かったら体験に来てくださいね。」
女性が優しい笑顔で案内してくれた。
ハンドメイド興味あったのよね。
手先の器用さには自信があるし、参加してみようかな。
あたしは名刺を頂いて店を出た。
土曜日なら、仕事休みだし、参加できそう。
ん?
少し先に、見慣れた姿が・・・
雅ちゃん。
雅ちゃんだ。旦那さんと一緒かな。
え・・・
違う・・・
雅ちゃんの隣には、旦那さんじゃなくて、背の低い、メガネかけた中年の男の人。
でも、あるは間違い無く、雅ちゃんだ。
よく見ると、手を繋いでる。
どういう事?
あたしは全身に鳥肌がたった。
「ただいま〜。つっかれた〜」
奏斗が帰ってきた。
「りかさん?」
ソファーでボーッとしてるあたしの隣にバックを置く。
「どうした?ご飯できてる?俺めっちゃ腹減ってるんだけど。」
奏斗は冷蔵庫からビールを取り出す。
プシュッ
「はあ〜うめ〜。」
「お、うまそ〜な飯できてるじゃん。食べよーぜ。」
あれは、どういう事?
雅ちゃん浮気願望があったけど、まさか本当に浮気してるの?
「りかさん?どうした?飯食おうよ。」
それヤバイよね。
旦那さんにバレだら、家庭崩壊しちゃうよね。
「奏斗、あのさ。」
あたしは、さっき見た事を奏斗に話した。
「うーん。浮気かもしれないけど、まだハッキリとはわかんないんじゃない?
別にホテルに入るの見たとか、そんなんじゃないんでしょ?」
「うん。でも手繋いで、雅ちゃん、すごい嬉しそうに、こう、女の顔になってたっていうか・・・」
♫
あたしのスマホが鳴った。
雅ちゃんからだ。
雅ちゃん、真美ちゃん、塔子のグループラインに、飲み会したいと入った。
いいけど・・・
雅ちゃん、本当に不倫してるの?
雅ちゃんの不倫(?)を目撃してから、しばらくして、あたしらはいつもの「ぱぱや」に集まった。
「聞いてよ~。奈那に最近彼氏ができてさ〜。もう旦那の機嫌がめっちゃ悪いの〜」
「え、そうなの?なになに、同じ学校の子?」
「同じ高校の1つ上の先輩なんだけど、最近少し帰ってくるのが遅いんだけど、旦那がいちいち、あたしに聞いてくるの。もう、うるさくって。」
真美ちゃんの家の話で、みんな盛り上がるけど、あたしは、雅ちゃんが気になって仕方がない。
なんか、いつもよりリップが紅いような気がするし、着たとこ見た事ないようなワンビース。ハイヒールまではいちゃって・・・
「てかさ、雅ちゃん、今日なんかオンナじゃない?」
塔子が急に切り出した。
「そうそう。あたしも思った。旦那さんとデートの帰り?」
真美ちゃんも乗ってきた。
「うん。まあ、デート。」
雅ちゃんがオンナムンムンで口を開く。
「久しぶりにイっちゃった」
「おお〜」
「旦那さんとがんばったのね。」
雅ちゃんは顔を赤らめる。
「旦那じゃなくて、彼氏・・・」
全員が凍りついた。
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