父
「じゃ、行ってくる」
「行ってらっしゃい」
今日も妻に見送られ出勤する僕。
子供たちは朝ごはんをまだ食べている。すでに挨拶済みだ。
うちでは朝ごはんは必ずみんなで食べるという決まりがあるため。朝から妻の顔も子供たちの顔も見ることができる。なお、帰りも遅くなることはあまりないので夜もみんなの顔を見ることはできるが――でも朝からみんなで朝ごはんが食べれて少しだが話すことができる家庭。僕は幸せな家庭を持っている。
って、歩きながら余計なことを考えていると電車に乗り遅れてしまう。僕は少し歩くスピードを早める。
駅までは歩いて5分ほどだ。そして乗る電車はいつも始発電車だ。
ちなみに職場が遠くにある――というわけではない。これはひそかな僕の朝の楽しみの時間なのである。
なんてったって僕は乗り鉄だ。
休みの日に家族。主に妻とどこかに行くことも多いがせっかくなら仕事の時も楽しみたい。単に満員の通勤電車に揺られる。というより楽しみたい。
ということで、ちょっとばかしわがまま――いや、事実を言うと子供たちからクレームが来るといけないので、このことは言ってはないがね。なお妻は知っている。そして子供たちも早起きするし良いことと言ってくれている。
とにかくだ。僕は通勤時間も楽しみたいので、比較的に空いてる始発電車。それも普通電車で時間をかけて朝の電車旅を楽しんでいるのだ。
駅に到着すると、コンビニで珈琲を買い。そして珈琲片手に車窓を見つつゆっくりと移動する。この時間が僕は大好きだ。
――子供たちにこんな事しているとバレると――『もっと寝かせろ!』と、言われそうだが。今のところバレる様子はない。
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